見出し画像

「坊主めくり」坊主vs姫と愉快な仲間たちの話


入口あそび


本当のルールが難しいから
少し簡単な遊びの中でルールを覚えていくもの
これを
『入口あそび』と呼んでいる。
本当のルールを知らなくても年少時が親しみながら遊びに 入れるのだ。

①入口あそび『将棋』
・崩し将棋
(ポイントにより、駒の強さがわかる)
・まわり将棋
(進化によって、強い駒がわかる)
・かえる飛び(うーん……親しむw)
・将棋倒し
(大きい順や、小さい順に並べるとなんとなく強い駒がわかる)


②入口あそび『百人一首』
・ぼうずめくり

③入口あそび『囲碁』
・五目並べ

ほかにも
簡略化した導入あそびは
いっぱい
あるかもしれない。

坊主めくり

こんなのどかじゃない


今回注目したいのは
百人一首の入口あそひである
『ぼうずめくり』

じつは、
私は関西に出るまで
百人一首をまともに見たことがなかった。

学校でも習わないし
大会もない
家にもない。

北陸ではそんなもんなのか
我が家がそうだったのかは
わからんが
1学年下の子たちがクラスで百人一首に取り組み、ニュースで報道されとった。

それくらい珍しい。
関西に来て
なんとまぁ雅な……
とおもった。

で、児童館職員になり
はじめて『ぼうずめくり』なるものをしる

しかしだ
この坊主めくり
こないだ、娘とやった時に
ルールが違う。
神戸(六甲道?)と尼崎の17キロの距離感で
こうも違うのかというくらい違う。

UNOばりに『おうちルール』が多すぎる
みんな違う。

というわけで調べて見た。

積み方


山札の積み方は3つのパターンくらいがあるようだ。

・100枚すべてを1つに積む
・100枚を2つ、3つほど山札を作る
・伏せた札を丸く並べて好きなものを取る

この辺はまぁいい。
全てを運にまかせるか
自分で選ぶかの違いだ
これは
好きにしてくれたらいいのだ。
問題はここから

基本ってなんやろか


基本的なルールがあるとすれば、


①「殿」と呼ばれる男札
……ひいたら自分の手札となる

坊主は「はげ」と呼んでる

②「坊主」と呼ばれる僧侶札
……ひいたら集まった自分の手札を場の中央に取られる

③「姫」とよばれる女札
……ひいたら、場の札の山に集まったもの(坊主をひいた人が提出した札の山)を取れる。場に札がなければもう1回ひける。

この3種が基本としよう。
集まった札が、
ランダムに訪れる
坊主によって奪われていく。

否応なしにつのる
ハゲにたいする憎しみ
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」
てきな感じ

逆に姫は貰えるから
優しさと愛に満ち溢れてる。

しかし、これら
3種だけだと、一発逆転の要素がないのだ。

「台」札
~雅に潜む戦いのゴング~

天皇や院に当たる人達がきれいな『台』の上にすわっている。ここでは繧繝縁という綺麗な畳縁で飾られた畳の上に座っている人という認識

神戸の我が児童館では

④天皇や院を含む台に乗っている高貴な方々
……引いた人は、その他のプレイヤーの手持ちの山をタッチすると奪える(そのほかのプレイヤーは出た瞬間に自分の手持ちの山を手で覆いながら守る)

というルールがある。
これがあることで、
他の人がめくる札のときも
一瞬たりとも気を抜けない。
まるで
叩いて被ってジャンケンポンだ

こうなると
ぼうずが可愛く見える。

※その他のおうちルール(台)

これらの台札を
種類によって、
ルールを少しづつ変えている
地域もあるようだ。

段乗り殿……全員から5枚もらう
段乗り姫……全員の持ち札と場の札をすべてもらう

天皇(院)
‥‥相手全員の持ち札と捨て札を貰える。

「やった!天皇や!」
『ちゃう、そいつは天皇じゃないから5枚』
……こんなかんじなのか
むっちゃ複雑な気がする。

蝉丸問題

あぁ、なぜ「蝉丸」はいつも
ややこしい役回りなのだろう
1人だけ帽子かぶっとるから
坊主と認識されずらい。この「蝉丸」札
尼崎の娘いわく、
これがでると
・全員の手札が貰える一発逆転の札である。
最後まで出てこない時のドキドキ感がやばいらしい。
自分で出れば、天国
相手に出るなら、自分が少ない時に出て欲しいほかにも蝉丸は特別扱いルールが多いようだ。
ほかの例をあげると
・両隣の人から貰える
・蝉丸を引いたら、1回休み
・蝉丸を引いた人は、どんなにたくさんの札を集めていても、ビリが確定する
・蝉丸を引いた人以外の人全員の手札を捨て、山札の横に置く
ただし最後の1枚が蝉丸だったときは、引いた人の負けさて、蝉丸は味方か敵か

その他のおうちルール

弓持ち……左どなりから5枚もらう  

弓持ち



武官の絵札を引いたとき
* 左隣の人の手札全てをもらう
* 山札を引く順番が逆周りになる

武官とのきに
台札のように他の人の手札をタッチしたら取れる


枚数を見てみる

殿……53(弓……5)
姫……19
坊主……12(蝉丸……1)
台……10

こうして見ると
坊主の比率は思ってたより低い。

なのに
あんなに
坊主がでるとおもっているのは
不思議だな。

百人一首と異なり
坊主めくりは
そのルーツはよくわかってないようだ

ベーゴマの起源のように
証拠となる文献がないまま
江戸期からあったと言われているが
明治期に広がったとみるのが
しっくり来る。

伝承あそびの
面白さは
何となく見てたひとが
自分で違う場でやるときに
小さな不明点がでる
「ん?こんなときどうするんだっけ??」
また、もう少し面白くするために
今回はこうしよう
と新しいおうちルールができるのだ。

そうやって、
新しいルールが枝分かれしていく。
これぞ伝承あそびである。

違う場所で
違う人たちと
坊主めくりするときは
UNOのように
しっかりルール確認しておいた方がいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?