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ベーゴマ&ムチの謎を追え!【ベーゴマ考31】

昔の文献に
バイゴマ=不精独楽との記載があることが腑に落ちないと書いた。

不精独楽とはぶちゴマのことだからだ
不精なひとは叩かないと動かないことから
ムチで叩く独楽をそう呼ぶ。

それにともない、
一冊の遊びをまとめた本が惑わしてくる。
『ふるさと兵庫のあそび』
(旧・兵庫県につたわるこどもの遊び)
兵庫県小学校教育研究会体育部会編著である。

2冊持っているが、再編であり
内容はほぼ同じ。
どうも、全都道府県版があるようで
各遊びのイラストは共有のようだ。

で、
問題の箇所がこちら

なんじゃこりゃ
むちの作り方まである。
しかし、こんなん聞いたことないぞ。
ぶちゴマのようにムチで叩いて回すのかとおもったら、
回すところはさらっと書いてあって
ゴザの上をムチでぶっ叩き、相手の独楽を台から落とすとある(ぶっ叩きとはかいてないw)

よくよくみると、回す用の紐と、
叩く用のムチ両手に持ってる。

こんなんあるのか??
きいたことない

ゴザやし。
角床。
バイゴマとあるから
関西かなとか1人でうんうん考えとったが

だめだ
みんなに聞こうと思い立ち、
昨日SNSで聞いてみた。

こんなんしたことある人
手を挙げて!!


そしたら、栃木の連れさんが
『昔やった』と、いいよる。

うたがってごめん。
この本書いた人。
間違った伝承かとおもった。

とりあえず
記録として
その遊びの詳細を記録する。

遊び名・『たたき』
地 域・栃木県足利市(他にも埼玉や群馬)
種 別・ベーゴマの遊び方の一種

道 具・竹に紐をつけて鞭をつくる。(ない時は木の枝)紐の先は団子を結んで作っておく

床 ・四角の箱の上にゴザや段ボールをのせる、ベニア板でも可能。広い方がムチでうちやすい
(ゴザやダンボールの方がムチで打つと弾むので相手を落としやすい。叩くと波打ったり、拍子に止まったり、ベーゴマが落ちやすいためゴザが最も使われた)

①通常のようにベーゴマをみんなで床の上にまわす(巻きかたは男巻、女巻それぞれ)

②ムチで床をしばく(台を叩いて独楽の回転を弱めたり落とすのが目的。)

③まわっているベーゴマに鞭があたると反則。あくまでも床にあてる。(トントン相撲的)

④相手のベーゴマが床から落ちたら勝ち

⑤基本喧嘩独楽ではないから、取り合いはなかった。

普段は丸床に帆布でホンコなどをしたが、
ベーゴマ遊びの別の方法として、昭和初期の爺様らもやっていたらしく、爺さんにならった。
ホンコが弱い子たちもこれなら楽しめた。
紐の先に石やおはじきを縛ってくっつける子がいたが、飛んで周りの子にあたって危ないので
先っぽにつけるのは禁止だった。

掛け声は「チッチッチー」
昭和55年くらい
当時は駄菓子屋とかでベーゴマは100円。50円のものもあった


……………

実に面白い。
鬼ごっこにいろんな種類があるように
将棋にも、本将棋からまわり将棋、山崩し、カエル飛びとかあるように

ベーゴマにも
ほかの遊びがあってもおかしくないし

このイラストが間違ってないことを知ることができた。

ホンコなど勝負がそこまで強くない子も楽しめたというのはおもしろい。

また、
宮城の同士からは
木ゴマを回していた紐の反対側
(ふさふさのところで)
回した後にぶっ叩いて、回転力をあげた
との思い出をおしえてもらった。

これは、ぶちゴマ(ムチゴマ)の
流れかもしれない。

ベーゴマの場合は
独楽自体を紐で叩いて回転をあげるのは
現実的でない。

そのため、
床を叩いて、落とすという
形になったのかもしれない。

木独楽の東北文化と
ベーゴマが関東にきて
その間の北関東で文化がまざった
と考えるとますます面白い。

まだまだ
知らないことばかり。
新しいことがいっぱい出てくる。

SNSに感謝です。

さてこれはこれでやってみるしかないなw
鞭作ろ!


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