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若者の洋楽離れについて再び考える…

日本での音楽マーケット、今や邦楽/洋楽の比率は98:2だそうです。2割ではないんです。洋楽2%。その中には我々もしくはその上の世代のベテラン洋楽ファンが大勢いるので、若者リスナーはほんの一握りという悲しい現実のようです。

僕らがティーンエイジャーの頃、洋楽を教えてくれたのはラジオが圧倒的で、それと地元のバンドからの影響が凄く大きかった。他の街は知らんけど、少なくともここ福岡では。特に60年代のブリティッシュ・ビートとモータウン。ロックの源流を身近な地元のロック・バンドのカバーを通じて知ったというのはとてもデカい経験でした。

THE MODSのステージでのレパートリーからも沢山知りました。また、森山さんがラジオでTHE WHOの"My Generation"を紹介され衝撃を受けました。あれはデビューするかしないかの頃でした。

1980年頃流通してたVirgin盤です

モッズからはTHE YARDBIRDSの“For Your Love"も知りました。

アルバム "For Your Love"

THE ANIMALSの方の“Boom Boom"のカバーも最高で、森山さんはこの曲を日本で一番ソウルフルに歌えるシンガーではないでしょうか。

モータウンで言えば、マーサ&ザ・ヴァンデラスの“Heat Wave"のカバーも格好良かったですね。

Heat Wave / Martha and themods Vandellas


また、福岡では「ルート66しきらん奴は博多でバンドする資格なかじぇえ」というくらい、「ルート66」は絶対レパートリーに入れとかないかん曲でした。実際モッズ、ロッカーズ、ルースターズ、シーナ&ザ・ロケッツ、全てプレイしたのを聴いたことあります。

やはりストーンズのファーストはこの英国盤ですね

そうした「伝承」がこの福岡という街で起きていたのです。だからあれだけのムーブメントになった。

90年代の後半くらいからでしょうか。日本で洋楽ルーツの匂いのしない邦楽アーティスト、バンドが増えました。彼らのルーツは邦楽(J-POP)だったり、ルーツを持たなかったりします。それが良い悪いという決めつけがしたいわけてわはなく、「伝承」が途絶えることへの危惧感があります。

洋楽ロックの源流を知ると、そこにはR&Bやブルースがあります。テレビの音楽番組を見てると、皆んな上手い。「よくこんな複雑なアレンジの曲を歌ってるな」と思う。サラッと聞く分には楽しい。でも「黒人音楽臭」が殆ど感じられない。距離を感じてしまうのはそこだと思います。やはり、リフをぐいぐい煮詰めてグルーヴを高める、みたいな曲が基本的に好きなんだと思う。ルーツを感じてニヤリとしたりとか。逆に今の邦楽ヒッツを聞くことで、自分の音楽リスニングの態度を改めて知るのです。

日本人が海の向こうの音楽であるロックや黒人音楽を、もがきながらどう自分たちのものとするか。そういう時代に、浴びるほど音楽を聴いて過ごした身としては、ちと寂しいのであります。

動くビートルズ、ストーンズはこれで初めて観ました。

イギリスのテレビ番組『READY STEADY GO』

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