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松村雄策さんの『ハウリングの音が聴こえる』と僕が育った家への郷愁

noteを始めて半年が経った。今回の投稿で73本目。フォロワー数は96名。全体ビューは14,733(2024/3/24/20時)。皆さん、ありがとうございます。

アクセスの多い記事は、こんな感じ。
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自分の音楽体験と、部屋のあちこちに保存しているレコード、CD、BD/DVD、本、コンサートのチケット、ポスターなどを紹介して、ネット上とはいえ何らか残しておきたいというのが最初の動機。

実はもう一つあった。昨年の2月に両親が入院したので、休日や仕事終わりに病院や施設にずっと行っていた。それが半年が続き疲弊していたので、何か現実を忘れて没入出来る場が必要だったのだ。それは僕の場合、音楽以外に無かった。

結局、noteを始めて4ヶ月の間に両親はpassed away。その後も2つの動機は日々を乗り切る上でとても助かった。


ロッキング・オンの創刊メンバーであり、作家、歌手の松村雄策さんが亡くなったのが2022年3月12日。昨年『僕の樹には誰もいない』が出て、これが松村さんの10作目の本となった。そして11作目となる『ハウリングの音が聴こえる』が刊行された。これは文芸誌「小説すばる」に2014年から2018年まで連載されていたエッセイをまとめたもの。ロッキング・オンではないけれど、いつもの松村さんがここにいる。ビートルズで始まりビートルズで終わる見事な構成。前作同様、編集者の松村さんへの愛、リスペクトを感じる。ただ、後半は亡くなったアーティストへの追悼原稿が多くなったり、松村さんご自身の病気のことが書かれてあり、とても切なくなる。そう、松村さんはもういないのだ。Wish you were here...

実家にまだ住んでいて、松村さんの原稿を読んだりレコードを聴いたりしていた頃。時々友達がやって来て、夜通し音楽について語り合った。夜が明ける頃、母親が朝ごはんを僕の部屋まで運んでくれた。

松村さんの歌手時代のレコード
PRIVATE EYE
こちらは代表作
アビイ・ロードからの裏通り
岩石生活入門

その実家には、今はもう誰もが住んでいない。整理のために時々行って、自分の部屋を覗いたりするけれど、時間が80年代で止まったままである。壊れたラジカセが置いてあって、かつてはジョン・レノンを流したり、渋谷さんの『サウンドストリート』を聴いたりしてた。ロッキング・オンを読みながら。松村さんの単行本も必ず買っていた。

渋谷さんの本や渋松対談と共に…

今回の原稿でも、松村さんの実家や育った街について書かれてある部分はリアルに響いて来た。ほんの数年前なら余り実感がなかったかもしれない。

音楽に突き動かされた衝動を言葉にする」ことは、素晴らしいことなのだ。それを誰かと共感できることは尊いことなのだ。語り合った後の朝日はとても美しい。それを松村さんの文章が教えてくれた。この本はビートルズとバッドフィンガーを聴きながら読んだ。

1982年。ポールと握手する松村さん。
ロンドンでの取材時。
(YouTubeに上がっている動画をキャプチャ)
1978年。ケイト・ブッシュ初来日の取材。
渋谷陽一、松村雄策
(ロッキング・オン誌より)


my note #73

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