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「こんばんは、渋谷陽一です」で知ったアーティストたち

ロッキング・オンの代表、渋谷陽一さんが病気療養中とのこと。我々還暦前後の世代は、「こんばんは、渋谷陽一です」でお馴染みのラジオ番組(『若いこだま』〜『ヤング・ジョッキー』〜「サウンド・ストリート』)やロッキング・オンで洋楽を学んだ、という人が多い。そこで快復を願いながら、特に渋谷さんに影響された洋楽アーティストを5組選んでみた。

トッド・ラングレン

『ア・カペラ』。特に好きなアルバムでサインしてもらいました。

まずは、トッドでしょう。よく番組でかけてましたが、一時期殆どのアルバムが廃盤で集めるのに苦労しました。ライヴも何回も行きましたし、インタビューする機会にも恵まれました。

トッドのことはこちらにも書いてます。


アル・クーパー

見開きで内側にポケットがある、いわゆるカンガルー・ジャケット仕様です

このアーティストも渋谷さんの番組を聴いて好きになりました。"I Stand Alone"に感動してレコードを集めましたが、やはり廃盤が多く探し回りました。このアルバムと“Naked Songs"が2大名盤と思いますね。以前ビルボード・ライヴで一度だけライヴ観ました。

パリス

ファースト・アルバム

アメリカでさえ知名度が低いパリス。日本での人気の9割は渋谷さんの貢献ではないでしょうか。ボブ・ウェルチのキャリアの中では異色のハード・ロック路線。アルバム2枚の短命で終わりました。また、ツェッペリンに似てる(特に『ブラック・ブック』)から渋谷さんはプッシュしたのかもしれません。

チープ・トリック

チープ・トリックが表紙のロッキング・オン 1978年1月号

他のラジオ番組でもガンガンかかってましたが、やはりチープ・トリックを外す訳にはいきません。ロッキング・オン1977年10月号に「渋谷陽一のアメリカ・リポート」という記事があって初渡米でチープ・トリックのライヴを体験、取材もしています。

その記事です
『甘い罠』という邦題をつけたのは日本でのチープ・トリック担当ディレクターの野中規雄さん


スタイル・カウンシル

この頃は12インチが流行ってましたね

イギリスの音楽シーンが70年代後半から80年代にかけて、パンク〜ニュー・ウェーヴ〜ネオアコースティック・ムーブメントに変化していきましたが、渋谷さんは常に高く評価、いち早く紹介していました。人気絶頂にあったジャムを解散したポール・ウェラーがスタイル・カウンシルを始めたり、スミスやエヴリシング・バット・ザ・ガールらが登場した時も「いやぁ、最近のイギリスの音は本当に良いですね」と褒めてました。僕も当然のめり込んでいきましたし、ハードなギター・サウンドから離れて、こうしたシンプルで透明感のある音を求めるようになっていました。その頃のライヴ体験はこちらに書きました。


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他にも沢山あるんですけど、5組に絞ってみました(ツェッペリンやビートルズ、デヴィッド・ボウイは大メジャーで敢えて取り上げなくても、、、)。

そう、シド・バレットも渋谷さんの影響で2枚のソロ・アルバムを集めました。いわゆるクラシック・ロック(当時はそんな言葉なかったけど)のアーティストを独特の視点で解説してましたしね。

番組で聴いたアーティストを好きになるだけではなく、ロック観、ロックを聴く姿勢、みたいなものを渋谷さんから影響されました。それだけ、渋谷さんが紹介する音楽は一貫していた、ということだと思います。そこには送り手とリスナーの強い信頼関係がありました。また、「こんばんは、渋谷陽一です」の声が聴きたいです。

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