僕の永遠のトピックはヒトとはなにか？なぜ争うのか？なぜ地球を壊すのか？なぜ苦しむのか？
結局、ヒトを理解したいのだと思います。

それは医療者の中でも理学療法士として身体に特化した専門家としてのコンプレックスかも知れません。
大学病院でのちょっとしたトラウマからも知れません。
身体の回復をいくらしても、全く喜ばない患者さんに対して、自分が何もできなかったという後悔、敗北感、無力感が背景にあるのかも知れません。

または、単純に自分の中で解答がスッキリしない解けていない問題に対する、純粋な好奇心かも知れません。
なぜここまで「ヒトとは何か」に拘るのかは、自分を知りたいのでしょうし、また社会という諸問題の根源的な矛盾なりメカニズムを理解したいのでしょう。

いずれにせよ、医学の中に答えはないので、この10年以上独学で進化学、人類学を学んでいます。
今回紹介したいのはオックスフォード大学の進化心理学教授であるロビン・ダンバー氏の記した「人類進化の謎を解き明かす」です。

この本からのヒントはかなり刺激的で、かつ色々な可能性を秘めた提言であり仮説でした。
今まで自分の中で気づいてきたことを再確認できる部分もあり、教授の意見として太鼓判を押されたところもあります。
やはりそうだったかと。

予防医学を実現したいという使命とともに、ヒト自体を理解したい、俯瞰して社会問題を把握したいという個人的な探究心にも応えてくれるものでした。
少し読むには時間のかかる難しい部分もありますが、今回はポイントだけ抜き出し、かつ僕個人の解釈を入れながら、世の中を進化学（ダンバー氏の思想に限るが）の視点から俯瞰してみたいと思います。