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『あひるの空』全51巻振り返る24巻

こんばんは!なおとです。
今回も「あひるの空」全巻振り返り!今回は24巻です。
鶴金工業と練習試合も決着。そして継続して部に昇格に向けて邁進中。問題の定期テストに加え、新監督登場!?と盛り沢山の1冊です。一緒に振り返っていきましょう!

「あひるの空」の1巻からの振り返りマガジンとしてまとめています。是非下記リンクよりどうぞ。


今回も下記フォーマットでやっていきます。

1.本巻の注目キャラクター
2.連動して読むならこの巻
3.深読みするためにもうひと押し

1.本巻の注目キャラクター

24巻のピックアップは「間久見 芳武」です。

突破力、決定力、3Pもある高身長のアウトサイドプレイヤー。クズ高戦では最初こそはバスケへの熱が上がりませんでしたが、クズ高のバスケが好きだから本気でIHを目指す姿勢を見て再燃。最終Qたった一人で31得点。
異常なまでの才能を見せつけます。鶴金は得点えお取れるのが実質間久見のみなので、全58得点のうちは8割は彼の得点でしょう。
中学時代は万年1回戦のチームを一人で県大会まで押し上げます。家の事情で高校で資格の取れる鶴金工業に進学しますが、強豪からの推薦があったとのこと。これほどまでに勿体ないと思える選手は他に居ません。空も間久見の事を理想的なシューターと評しています。

24巻で明らかになりますが、千秋自身間久見のような選手に憧れ、自分は”そう”はなれなかったと過去のあこがれや挫折が垣間見えます。間久見は44巻であくまで千秋の評価ですが、「白石」、「常磐」と同格であると描かれています。作中でも5本の指に入り、確実に全国区であることは間違いないでしょう。

2.連動して読むならこの巻

32巻と33巻です。この2冊にかけて鶴工のIH予選2回戦の試合が描かれています。クズ高との練習試合をキッカケに猛練習の末に挑んだ川崎地区予選。一回戦を突破し、クズ高を過去2回下した玉川学園を迎えた2回戦。間久見が大爆発。玉川の強固なDFを突破し圧倒的な活躍を収めます。さらに鶴工の他のメンバーの成長もあり玉川と接戦を繰り広げます。間久見はFT13本を沈める驚異の数字を残しますが、それでも後一歩届かず惜敗。

「夢見れただけでも幸せだ。もう悔いはねぇよ。」

そう言葉を残します。間久見自身は夢に届きませんでしたが、昨年のクズ高の新城戦での敗戦のように多くの人を突き動かします。後輩がバスケにかけると近い、さらには柾木が留年してでもバスケを続けると言い出す始末。今まで称賛とは程遠い鶴工に対して健闘を称して会場から盛大な拍手が送られます。
それでは終わらず、間久見が大学からの推薦を受けます。間久見はガラじゃねぇと言い断ります。

「未来は誰にも分らない
それは”人生の岐路”と呼ばれる出会いだった。そしてその時芽生える感情は一生心の片隅から消えることはない。後悔の2文字」

このように続きますが、これは推薦を断ったことを後悔したのか、それとも後に続く、クズ高と最後に試合をしたかった後悔なのか。

私はクズ高と試合が出来なかった後悔を指すと思います。


間久見は試合の日雨が降ると負けないというジンクスを持っています。「あひるの空」はやたらと雨の表現が多いです。これは確実に作者が意図して描いていると思うのですが、どういった表現なのかいまだに明言されていません。
間久見のように良いジンクスと言えば、トビは雨が苦手です。菖蒲な深沼は雨の日はいい思い出がないと言っています。菖蒲がクズ高に負けたのも雨の日でしたね。さらには小南晴生が事故をした日も雨でした。とにかく雨が多い。さらに極めつけがこちら。

「その日も、あの時も、雨は優しく僕らを濡らしたんだ」

43巻のラストのシーンです。最初はただエモいシーンだなぁと思っていただけでしたが。思い返すとあひるの空はやたらと雨が降っているんです。
雨で流した涙を流してくれるのを表現しているのかなと今のところ予想しています。雨は「負け」の意味でしょう。
しかし、雨の日にも勝者と敗者両方が存在します。勝者だけが全てではない。すべての努力が無駄でない。雨が悔しさを熱を冷ましてくれる。雨が止み、空が晴れるように。また前に進めるように。そんな意味が「あひるの空」の雨には含まれていると思います。作品はまだ続いていますのであくまで予想、いや妄想ですね。

3.深読みするためにもうひと押し

この24巻では新たな監督が登場します。「坂田年男」です。さらには空の父である「車谷 智久」も登場します。智久は旧知の中である酒巻に触発され、そして希望を生まれて死んでいった由夏の意思を継ぐことを決意します。子供を育て未来を作ることを。

このシーンですでに、大栄との再戦が予想できますね。
この監督の問題に関しては空にとっては死活問題。空のバスケは監督との闘い。しかし坂田さんの愚直までの子供に対しての熱意と、そして空を十分に理解している智久が監督になったのは空にとっては幸運だったでしょう。
身長が低いというだけで今まで試合に出させてもらえなかった小中学時代を思い消せば、クズ高は空を中心に監督も含めた人との出会いは奇跡とも言えます。
クズ高に限らず他校の監督も注目です。部活とは生徒同士の繋がりだけではなく、生徒と監督(顧問)のつながりもそれ以上に注目です。五月先生とクズ高メンバーの繋がりが最たる例でしょう。生徒たちの微細な変動を気づき正しい方向へ導くことのできる大人がいるかいないかは大きな違いでしょう。
バスケに精通しているかどうかは2の次。高校生という大人になろうとする子供には五月先生のような大人が如何に重要か。バスケの技術何かよりもっと大事なものを教えてくれます。そしてその魂を大人になった生徒たちがさらに子供たちへと。
私もそんな大人になれるか不安なものです。

24巻は鶴工との決着、そして間久見の才能爆発。そして新監督登場と少しずつ”部活”っぽくなってきました。もしかしたら「部活」になるのも近いかもしれませんね。

それでは次の25巻でお会いしましょう!

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