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『あひるの空』全51巻振り返る22巻

こんばんは!なおとです。
「あひるの空」全巻振り返り!今回は22巻です。
里見西高校との男女ともに練習試合開始です。一緒に振り返っていきましょう!
1巻からの振り返りをマガジンとしてまとめていますので下のリンクよりどうぞ。

今回も下記フォーマットでやっていきます。

1.本巻の注目キャラクター
2.連動して読むならこの巻
3.深読みするためにもうひと押し

夏休み最後の練習試合。クズ高は男女ともに里見西高校と対戦。男子はまさかの20点のリード。しかし、初めて追われるプレッシャーに雲行きが。。さらに女子に至ってはーーー。

1.本巻の注目キャラクター

22巻のピックアップは「兵頭 新」です。

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強気な性格で日高に対してはやたらと突っかかっています。しかし、新は自分にも厳しく、他人にも厳しい。だからこそ言葉の説得力があります。だらしない男子バスケ部に火をつけ、一時は20点もの点差が空き、試合放棄しかけたところを、少しでも追いつこうと突き進む原動力になります。これ以降男子バスケ部は日高がキャプテンに就任し、来年の県大会出場を果たします。

-日向武史-あひるの空-第22巻-–-漫画BANK


22巻では「薮内 円」との因縁がやはり注目でしょう。
里見西女子バスケ部は県ベスト8の強豪。クズ高は万年1回戦負けの弱小。22巻ではダブルスコアで大敗を喫します。(●44-88)
試合後、新は円に対して言葉を放ちます。

「しっかり化粧直して、ホントご苦労さんだね。
 キライなんだよ。そーゆうチャラチャラした奴と試合すんの」

これだけ見ると嫌な奴ですが、こう言われる円も仕方ないですね。
里見西からしたら、クズ高のような弱小と試合しても得るモノは少ないでしょう。さらには、ぼろ負けしたと思ったらケロッとした顔で化粧をする。本気でバスケをしている新からしたら、そう言いたくなるのも分かります。余計な一言なのには変わりありませんが(笑)
円も図星を衝かれたのか何も言い返せません。恋愛にうつうを抜かし、適当にバスケをしていたのも事実です。
円は口だけキャラで、強くなりたいとも、本気で勝ちたいとも口で言っているだけで、本気でバスケをしている男子を羨むだけでした。
ここから円は少しずつ変化して行きます。厳密には新監督の登場によって変化します。
22巻は兵頭新の衝撃的な登場と、円のバスケに対する思いの変化がみられる1冊となっています。

2.連動して読むならこの巻

やはり34巻です。34巻はクズ高女子バスケ部のIH県予選を掛けた試合が描かれています。
女子バスケ部は22巻以降、屈辱的な大敗を変わったと思いきやあまり変わらず弱小のまま。それでも24巻で「車谷智久」が監督に就任してチームは変革が起きたように強くなります。そして迎えた地区予選決勝。勝てば里見西高校と同じ舞台に立てることになります。
接戦も接戦。最後の最後までどちらが勝つか分からない激しい展開。しかし、

-日向武史-あひるの空-第34巻-–-漫画BANK

-日向武史-あひるの空-第34巻-–-漫画BANK (1)

最後円の目には新の幻想が。そして

「だから言ったじゃん、”無駄だってさ”」

正直女子バスケ部何だかんだ勝つと予想していたので衝撃でした。
新の幻想がより衝撃を増幅させたのを覚えています。新にリベンジするために猛練習をしていたのに、再戦すら相叶わないとは「あひるの空」のリアルさがでたと思います。すべての努力が須らく叶う訳ではありません。しかしそれで終わらないのが「あひるの空」です。
22巻から続いた「円と新」の因縁は34巻で終わったわけではありません。この22巻振り返りだけでは収まりきらないのでいずれ来る”その巻”まで取っておきます。

3.深読みするためにもうひと押し

22巻では「円と新」因縁以外にさらに注目ポイントがあります。
それは監督という存在です。クズ高にはナオちゃんがいますが、やはり目上の大人から教えを乞うのは緊張感も相まってより練習に身が入ります。自分より年下もしくは同学年の女子からの指導はどうしても”緩み”が生まれてしまうのも仕方ありません。それが如実にでたのがこの22巻です。ヤスとチャッキーが指示を聞いてなかったりと問題が生じます。
この監督問題は22巻ラストに登場する空の父「車谷智久」によって解決されますが、次巻の23巻でナオちゃんのあまりにもリアルな悩みとして描かれることになります。
存在価値」そんな誰もが悩み、誰しもが欲しがるそんなありふれた悩み。だからこそ私達読者に届いてきます。
22巻はクズ高バスケ部に「勝利」と引き換えに、多くの課題を残していく1冊です。

「あひるの空」はリアルバスケ漫画と言われますが、そうではありません。150㎝の3P シューターやダンク続出はリアルと程遠いでしょう。
「あひるの空」は悩み、コンプレックス、葛藤、人間関係がとにかくリアルに描かれています。
バスケの熱い描写と、リアルな人間描写の組み合わせこそが「あひるの空」を最大限に引き立てています。

22巻はクズ高バスケ部に「勝利」と引き換えに、多くの課題を残していく1冊です。だからこそこれからのストーリーがより深くなっていきます。

次回の23巻はナオちゃんの悩み根源にある監督問題と、さらに圧倒的才能の眠る「鶴金工業」との練習試合が始まります。次も一緒に振り返っていきましょう!

それでは23巻でお会いしましょう!

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