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『あひるの空』全51巻振り返る23巻

こんばんわ!なおとです。
「あひるの空」全巻振り返り!今回は23巻です。
今回はメッセージ性の強い前半と、「鶴金工業」との練習試合との2部制となっています。一緒に振り返っていきましょう。
1巻からの振り返りをマガジンとしてまとめていますので下のリンクよりどうぞ。

今回も下記フォーマットでやっていきます。

1.本巻の注目キャラクター
2.連動して読むならこの巻
3.深読みするためにもうひと押し

夏休みが明け部昇格に向け続けるバスケ部。女子バスケ部の協力と顧問である五月先生の助力により徐々に光が見え始めるがーーー。

1.本巻の注目キャラクター

23巻のピックアップは「新見 玲」です。可愛いですね。

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可愛いだけではありません。とにかく努力家で真面目にキャラクターです。登場時こそはベンチにも入れていませんでしたが、23巻より空の指導を受けシューターとしての立ち位置を獲得します。冬合宿を開けて以降はスタメンを勝ちとりSGとしての活躍を収めます。3年生が引退した後はキャプテンにも選ばれています。

・存在意義という言葉
あひるの空には「存在意義」という言葉がよく登場します。23巻ではそれを如実に表した1冊です。
新見さんの「シューター」としてユニフォームが欲しい。
ナオちゃんの「監督」がもし来てしまったら、私は何が出来るだろうか?ただのマネージャーになってしまうかもしれないという悩み。
そして、チャッキーの「PG(ポイントガード)」になろうとする焦りと、この23巻では3人ものキャラクターが「存在意義」を求めて悩みを露わにしたり、行動を開始したりします。
チャッキーのPGへのこだわりは最たる例でしょう。同じ初心者であるヤスはF(フォワード)としての才能を見出し、初心者3人の中で最も早く活躍し始めます。さらにナベはシューターとして練習を開始し、22巻の里見西戦では試合を決定づける”1本”を決めます。二人の活躍を目の当たりにし、焦った結果求めたのが「PG」というポジションでしょう。23巻ではその焦りのような素振りは描かれていませんが、28巻の事件を知っているだけに、チャッキーの「存在意義」への焦りが容易に想像できます。

-日向武史-あひるの空-第24巻-–-漫画BANK

24巻では一人だけ取り残されている感覚を感じるチャッキーをみて心が苦しくなったのを覚えています。

「存在意義」ってすごく考えさせられます。
組織に所属していると、「自分はここに必要がないんじゃないか?」、「自分の代わりなんていくらでもいるんじゃないか?
そんな風に一度は考えたことはあると思います。私だってそうです。組織での存在価値は周りが決めることがほとんどでしょう

それでも”自分”で決めるんだ

自分が居続けたい場所であるなら、努力して活路を見出し、「存在意義」を見出す。だから「自分で決める」。もっとここに居たいと思うほどこういった類の悩みは膨れ上がっていきます。周りの活躍や外部からの加入は、さらに悩みを加速させます。だからこそ自分で決める。自分の頑張れるスペースをもがいて見つけるしかありません。自分が居続けたいのなら。

2.連動して読むならこの巻

34巻と28巻です。
34巻では女子バスケ部が県大会最後の切符をかけて地区予選決勝に挑みます。コートには勿論新見さんの姿も!しかし最初は緊張でシュートタッチが悪く3Pが決まりません。それでも今まで「存在意義」を求めて走ってきた彼女の努力は裏切りません。試合の流れを掴む一本を決め、涙を流すシーンは感動ものです。

-日向武史-あひるの空-第34巻-–-漫画BANK (2)

そしてもう1冊28巻です。正直の中でも衝撃度で言えばベスト3に入ります。チャッキーの「退部」です。本当に胸が苦しくなります。そして「あひるの空」がリアルバスケ漫画ということを思い出します。この話は28巻振り返りの際に詳しく紹介したいのでこれくらいにしておきます。28巻は丁寧に振り返らないといけないくらい繊細です。部活を辞めたことのある人もない人も胸に来る1っ冊です。だからこそ面白いんですけどね。

3.深読みするためにもうひと押し

23巻ではもう一つの注目ポイントとして、「鶴金工業」との練習試合が始まります。不良高校として荒れ果てた高校ですが、なんとバスケ部が存在しました。序盤こそは荒れた試合ですが、ある選手がコートの空気を一変させます。「間久見 芳武」です。作中でも屈指の才能とセンスを持つ選手で、その片鱗がこの練習試合で垣間見えます。
鶴金工業の顧問である「内村 泰造」はバスケ部創設させ、礼儀にも厳しく熱い男です。そんな彼はクズ高の地区予選を見てバスケを作ることを心に決めます。
クズ高バスケ部を廃部のきっかけとなった苦い敗戦は、意外にも空達の周りで波紋が広がっていました。あの時の敗戦は多くの人の心を動かしました。鶴金工業もその一つです。
努力は必ずしも叶うわけではありません。そして全てが自分の為になる訳でもありません。それでも、誰かを突き動かすことはできるかもしれません。
誰かに夢や希望を与える努力も素敵ですね。綺麗ごとかもしれませんが私はそう思います。だからこそ、あの時のクズ高バスケ部の敗戦は決して無駄では無かったと思えます。
だからこそ鶴金工業バスケ部が生まれたのです。鶴金工業も不良高校でクズ高と似ています。不良だった彼らが本気で打ち込めるものを見つけ、勝利に向かってひた走る姿は思わず応援したくなります。鶴金工業はこれからも登場するので是非チェックしていきましょう。

23巻は「存在意義」から始まるメッセージ性の強い1冊で、とても考えさせらえれます。そして鶴金工業、間久見 芳武の登場でさらに物語を面白くなっていきます。
24巻では引き続き鶴工との試合で間久見の大暴れが期待できます!

それでは24巻でおわいしましょう!!

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