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本当に必要なものだけを

 ZARAってファストファッションの服を僕はよく買うが、ZARAって現在世界最大のアパレルなんだっていうのは最近知った。2位がH&M、3位がユニクロなんだって、知らなかった。そりゃシンゴジラでも、名前が出てくるわけだ。
 そんなZARAは海外ブランドらしい素晴らしい取り組みをしている。古着のリサイクル寄付だ。リサイクルはSDGsの取り組みとして色々なブランドでもやっているけど、ZARAのすごいところは自社ブランドだけじゃなく、どんなブランドの衣服でも取り扱っているところ。むしろZARAの服ならボロボロじゃない限り古着屋へ売れるから、そうじゃないノーブランドの衣服をリサイクルしてくれるのがありがたいのだ。ちなみにH&MとTHE NORTH FACEもブランドに関係なく古着を回収してくれる。それで、イオンモール越谷レイクタウンのZARAに、いらなくなった服をリサイクルしてきたのだ。

 これ、すごいシステムだと思ってリサイクルしたものの、このリサイクルの先、ケニアで深刻な問題になっているらしい。現在上映中のドキュメンタリー映画「燃えるドレスを紡いで」(監督:関根光才)でも、その問題が取り上げられている。

 もちろんリサイクルされていく服もあるのだが、売れ残り、ゴミとなった服がケニアで廃棄物の山になっているのだ。この映画に映し出されたケニアの服ゴミの山の光景はあまりに衝撃的なので、一度予告編だけでも観てほしい。服をリサイクルするってことが環境にいいと思いながら、ケニアなどの一部地域の環境を破壊している。と思うと、このファストファッションという大量生産、大量消費の衣料自体がその問題の根源になっているのだと知る。買わせて・リサイクルしますよのマッチポンプの先に、被害を受ける人々がいるなんて…。途端にリサイクルボックスに入れた自分が、ケニアに対して加害者になったような気になった。僕らはSDGsという名のもとに何をしているのかを今一度考える必要がある。

 こんな日に、いいことをしたと思って、憂鬱な気分になるとは思わなかった。こんな日というのは、今日はようやく1週間待ちに待ったチートデイなのだ。グルテン制限をしている僕には、週に一度しか小麦粉主食の食べ物は食べられない。わざわざ越谷レイクタウンのZARAまで来たのは、目的のラーメンがあるからなのだった。

 僕の出身高校は越谷北高校というところで、卒業生の有名人には、佐藤健と古市憲寿がいる高校だ。高校が越谷北だったので、高校時代の友人と集まる場所も草加、越谷、春日部が中心になる。いまだに交流がある同級生も多く、北越谷&南越谷(二つの駅は路線違いで同じ場所にある)に集まることも多々あった。この北越谷&南越谷に美味しいつけ麺のお店があるのだ。久しぶりにそのお店に行こうと胸を弾ませていた。

 お店は「めいげんそ」。駅から1分の好立地にある。
 平日の昼は並んでいることが多いのだけど、ちょうど1時半過ぎで、たまたま並ぶ人がいないタイミングで店に入ることができた。

 このお店は外の看板にも大きく書かれているが、塩つけ麺がおすすめ。他のものもかなりレベル高く美味しいのだけど、塩は格別にうまい。迷うことなく券売機で塩つけ麺とトッピングで味玉を押す。

 凹の字になったカウンターに座り、店員さんに食券を渡す。ちなみにこのお店、厨房には男の人がいるのだけど、厨房含めて店員の8割が女性だ。しかも、なんだかみんなマスク美人で愛想がいい。最近、働く方で、町中華女子やラーメン女子が増えている気がするが、ここも狙いだろうか? それとも店主の趣味か? ただ確かに、食べる前に気分がちょっと上がる気がする。

塩つけ麺+味玉

塩つけ麺+味玉 めいげんそ@南越谷・新越谷

 まずスープが提供され、続いて麺がやってくる。
 麺は中太のつるつる麺。スープはアサリとゴロチャーが入った魚介と動物のWスープ。なんだけど、これ、あんまり他にはない感じの塩スープなのだ。この中太つるつる麺をスープと一緒に啜るとマジ旨い。1週間ぶりのラーメンということもあり、本日は格別に旨し。で、さらに柚子胡椒がついていて、これをスープの味変に使うのもたまらない。あと、柚子胡椒だけを麺につけて食べても旨い。麺が想像以上にいい感じなのだ。久しぶりのラーメン&「めいげんそ」なので、特製炙りチャーシューつけ麺にしとけばよかったかなと思った。特製炙りチャーシューはとろとろチャーシューで、これまた旨いのだった。

つるつる中太麺

 久しぶりのつけ麺を堪能して、ずるずるやってたら、つけ汁がロンTに飛び跳ねた。あーあ。しかも普段は全身黒が多い僕なのだが、今日に限って白Tシャツだ。とりあえずお店出たら、Tシャツ買って着替えようと思って、ハッと思った。これがいけないのか…。

 僕は洋服が好きなので、それなりに毎シーズン買っている。ちゃんと一生モノ的な服も買っているけど、Tシャツ類はある程度着たら捨てられるファストファッションを買っていることが多い。もちろんTシャツでも夏にメインで気回すような軽く捨てられないようなものも買ってはいるのだけど。
 ケニアの問題を考えると、なんだか、簡単には捨てられないような服を買ってちゃんと大事に着ていくことが必要なことに思えた。高くてもその一枚を大切に思え、その一枚に感謝できるようなものを身につけることこそ、この時代に一番大事な考え方なんじゃないかと、割スープを飲みながら思った。ちなみに割スープもかなりイケる。この塩スープはホント旨いから割スープにして飲み干せちゃうんだよね。この店の塩つけ麺も唯一無二な感じだから僕を惹きつけ、この一杯を大切に食べる。どうでもいい店のどうでもいい味はどうでもよく消費してしまう。本当に必要で食べたいと思うものを食べ、本当に欲しいと思うものだけを買う。そんな偏愛ミニマリストになろうという気になった。

 よし、まずは家に帰ったら断捨離だ! 
 そう思ったものの、売れない服は、一体どこに持っていけばいいのだろうか…? 燃えるごみで捨てる? ジッパーとかリベットとか付いてる服はどうしたらいいんだろう、バラバラにして分別するってことなんだろうか?
 なんか思っていたよりも、めんどくさい気がしてきた…。


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