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四千年の時を越えし邂逅

「名物カツタマ麻婆カレー」 元祖麻婆カレー専門店 マボカリ@新宿

 中国とインド。共に四千年以上の長き歴史の中で育んできた最大の文化。それは食文化であり、その根幹にある調味の仕方とも言える。つまりはスパイスにあるのだ(民明書房 刊)。※民明書房といってもわかる人少ないと思うので、なんの根拠もない私見だと補足しておきます。

 そんな中国・インドのスパイスの和算があるとしたらと考え、ここに行き着いたのだろう。
 かたや花椒や山椒、豆板醤。
 かたやクミン、ターメリック、ガラムマサラ。
 そう、麻婆豆腐とカレーの融合。考えた人、天才! 僕はカレーも麻婆豆腐も大好きメニューなのでこういうコラボは大賛成! 好物を二つ同時に食べられるっていいよね。こういうコラボメニューってまだまだありそうだなぁ。

 そこは新宿西口の甲州街道沿いにあった。
 元祖麻婆カレーの店「マボカリ」。大阪発祥らしい。
 隣のかつやの方が並んでいて、こちらはほとんど客がいない。店内はきれいだったので、まだできて日が浅いのだろうか? カウンター席がそこそこ数あり、テーブル席もあるようだ。
 食券制だったので、まずは左上の一押しメニューを見る。「名物 カツタマ麻婆カレー」とある。うん、いいね。それを食べてみよう。

名物 カツタマ麻婆カレー

 出てきたお皿を見た。カレーライスらしきプレート、カレーソースには豆腐が浮かんでいて、なるほど確かに麻婆カレーだと思う。そのカツカレー版で生卵もトッピングされている。カツと卵でカツタマである。
 関東だとタマゴがトッピングにある場合、ゆで卵かオムレツ、スクランブルエッグあたりがデフォルトになると思うけど、大阪発祥だから生卵。大阪で有名な自由軒に始まり、大阪だとカレーにトッピングするタマゴは生卵が主流のようだ。

 さっそく麻婆カレーを食べてみる。
 旨い。

 ただ、ちょっと麻婆豆腐の方が強くて、あんまりカレーって感じがしないかも。カレー風味の麻婆豆腐ライスといった方が近い感じ。花椒とかの痺れが結構前面に出てくる。

 かつはチキンカツ。

 そりゃー旨いさ。
 麻婆豆腐とカレーに乗せるんだもの  かつを

 これはチキンなのでさっぱりしてていいね。衣もサクサク。
 ただ、生卵はベストマッチという感じがしなかった。カレーより麻婆豆腐が強いからだろうか。自由軒みたいなドライカレーの生卵ってめちゃくちゃ旨いんだけど。辛さが選べるから、めっちゃ辛くした人にはちょっとマイルドな口休め的になるのかもしれない。

 トッピングを見たらめちゃめちゃ種類があった。タマゴも温泉卵や目玉焼きもある。炙りチーズとかハラペーニョ、さらに揚げなす、オクラ、きのこ、唐揚げ、揚げ焼売なんかもあった。大阪発祥なのに納豆まである。その中でもパクチーがめちゃめちゃ良さそう。なんかトッピングの仕方で色々楽しめそう。次はノーマル頼んで、欲しいものをトッピングする形で注文しようと思った。

 カレー風味の麻婆豆腐としてはとっても美味しいと思う。
 ただ、もっとカレーも味わいたいなら、錦糸町の「生駒」の方がおすすめ。かつにしても生駒だとカレー風味の排骨を使ってるので、よりカレーを感じられると思う。
 なので、もしかしたらチキンカツの味付けにカレー風味を加えたらいいんじゃないか? って気がする。トッピングは面白いし、麻婆も美味しいので、カスタムの愉しみを味わいたい方は「マボカリ」ぜひ。

 やっぱりスパイスって難しいんだろうね。麻婆とカレーを合わせてどっちも両立させるって思ったより難解なんだと知った。

 あ、これ言ったら元も子もないけど、
 普通に麻婆とカレーのあいがけにしたらいいんじゃないか?


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