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睡魔とスイマセン

睡魔せん。地下鉄に乗って二駅ほどを過ぎた辺りからだろうか隣の女性が僕の右肩で眠っている。ヘッドホンステレオからはビートルズの『ミシェル』が流れている。ある種の緊張感をはらんだ時間が過ぎ去った。降りる予定の駅まであと一駅。

『スイマセン。オリマスネ。』

『スイマセン。シツレイシマス。』

睡魔とスイマセン。いったい何と声をかけてよいものかさっぱり見当もつかなくなってきていた。

相手に気を遣わせない様なスマートな一言を考えていたが裏腹に僕とは反対の肩に安らぎを見つけた様だ。
イタリアの三流の娯楽映画に出てきそうなジョークだ。
とにかく睡魔についての話は、これで終わりだ。

村上春樹風。

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