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エシカルデザインの概況

エシカルデザインとは

エシカル(ethical)は「倫理的な」という意味。「エシカルデザイン」とは「倫理的なデザイン」というコンセプトです。

まだ明確な定義はなされていないと思われますが、海外に目を向けるといくつかの組織やデザイナーたちが、"エシカル"というキーワードを掲げて、その取りくみについて宣言をしている様子が見受けられます。

参照:https://2017.ind.ie/ethical-design/

ソーシャルメディアのエシカルデザイン

ソーシャルメディアにおける「エシカルデザイン」について、こちらの動画がわかりやすいです。

ソーシャルメディアは、すでに人々の生活に深く入り込んでいるからこそ、その振る舞いには「倫理」が求められます。ユーザーが本質的に何を望んでいるのか、見失わないようにしなければなりません。

カームテクノロジー

近接した領域のワードとしてカームテクノロジー(Calm Technology)があります。提唱しているAmber Caseさんは「誰もがすでにサイボーグだ」と警鐘を鳴らします。

ウェアラブルデバイスの通知機能には「さり気なさ」が求められますし、お掃除ロボットが壁にぶつかるたびにアラート音を出していたら、うるさくて使えたものじゃありません。技術に人が使わされるのではなく、人が人らしくあるために技術が使われるべきだ、という考え方です。

エシカルファッション

"エシカル"というアプローチは、ファッションデザインの文脈で10年ほど前から語られるようになりました。「エシカルファッション」とは、環境問題、労働問題、などの社会的課題に配慮した素材の選定、生産、販売をしているファッションブランドを身に纏うことを指します。

The Ethical Fashion Forumにおいて、「エシカルファッション」について下記の10の要件がまとめられています。

1. 衣料品を短いサイクルで大量生産する手法に対抗している
2. 公正な賃金、労働環境、労働者の権利を擁護している
3. 地球環境にやさしいサステイナブル(持続可能)な生活を支持している
4. 有毒な農薬や化学品の使用に対する問題提起をしている
5. エコフレンドリーな布や材料を使用・生産している
6. 水の使用を最低限に抑えている
7. リサイクルを行っており、エネルギーの効率化や無駄をなくす取り組みをしている
8. ファッション界におけるサステイナビリティ(持続可能度)を促進・広める活動をしている
9. 資源を提供している、育成をおこなっている、そして/または問題提起をしている
10. 動物の権利を尊重している
参照:https://front-row.jp/_ct/17074327

例えば【STELLA McCARTNEY】は、「エシカルファッション」の代表格とされています。

これらのファッション業界における先行事例からも、「エシカルデザイン」を考えるヒントを得ることができそうです。

エシカルデザインとこれからのわたし

わたしたちデザイナーは、世の中にまだないサービス/プロダクトを生み出すという、崇高かつ複雑で厄介な使命を担っていると言えます。それらが一時的な経済活動のためだけではなく、多くの利用する人々、周囲の関わる人々にとって、持続的な幸福につながるよう、強く意識した"エシカル"なデザイン活動を行っていくことは責務だと考えます。

ここまで、「エシカルデザイン」についてかんたんに情報をまとめてみましたが、まだまだ勉強不足です。ご意見などありましたら、ぜひコメントいただければ幸いです。その具体的な手法は確立されていませんが、少しずつ探究しようと思います。また、目の前に横たわるデザイン業務においても、地道に一歩ずつ取り組んでいきたいです。

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