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アロマテラピー検定1級 非公式問題集|アロマテラピーの歴史(古代)

スマホで見れるアロマテラピー検定の非公式問題集です。歴史分野はアロマテラピー検定 公式テキストに従って、古代・中世・近世〜近代・現代の4回に分けて作成しています。

今回の問題(古代)は全12問。オンライン試験は1問30秒ペースですから6分を目安にチャレンジしてください。

独学で勉強している方に検定前の習熟度チェックなどに使っていただけると嬉しいです。


この記事の問題・解説は、最新版(2020年6月改定版)のアロマテラピー検定 公式テキスト 1級・2級、アロマテラピー検定 公式問題集 1級・2級に準拠しています。


▼アロマテラピー検定 公式問題集

▼アロマテラピー検定1発合格セット
アロマテラピー検定の独学には、公式テキスト+公式問題集+香りテスト対象の17精油が全てパッケージされた「1発合格セット」が便利です。


▼アロマセラピー検定1級 非公式問題集シリーズ
精油のプロフィール(抽出部位と精油抽出法)全50問
https://note.com/naozou/n/n3d287901e819
アロマテラピーの歴史(中世)全6問
https://note.com/naozou/n/nfd13d19891bd


それでは、どうぞ。


【問1】香料や香水を表す言葉で、ラテン語の「煙を通して」という意味の言葉に由来するものとして正しいものを1つ選びなさい。

A perfume
B Ayurveda
C Eau de cologne
D Thermae

ヒント:ラテン語の「per(~を通して)」+「fumum(煙)」に由来

【正解】 A perfume
perfume(香水)の語源が「煙」とは意外ですが、香水などの化粧品として使われるよりも先に、もともと神とつながるための宗教儀式で薫香などの香りが使われていたという歴史を理解すると納得できます。

豆知識:古代エジプトで薫香として用いられたのはフランキンセンス(乳香)やミルラ(没薬)などの樹脂でした。エジプトでは産出されず周辺国との交易で調達していたため高価で貴重なものだったそうです。

金沢の香り専門店さんがフランキンセンス(乳香)の樹脂を焚いてくれる動画です。もくもくと焚き上がる「薫香」の煙と香りを見ると、ラテン語の「per(~を通して)」+「fumum(煙)」に由来することを感じることができます。

(´_ゝ`)  Oh! perfume...

フランキンセンスを焚くまでの準備時間が長いので、お急ぎの方は4分45秒から5分59秒までをさくっとどうぞ。

いかがでしたでしょうか。お店の火災報知器が作動しないか心配になるほどのすごい煙でしたね。おかげで「per(~を通して)」+「fumum(煙)」のイメージが記憶にしっかり定着しました。



【問2】古代エジプトの神事や王の葬儀で用いられたとされる上等な焚香料を1つ選びなさい。

A キティ
B ベティ
C ルフィ
D キフィ

ヒント:無関係なキャラが多数まじっております・・・。猫キャラさんの名前と間違えてないようにご注意🐱

【正解】 D キフィ
世界最初の調香師と呼ばれる古代エジプトの神官達が作った幻の香りキフィ。クレオパトラが好んだ香りともいわれます。アロマテラピー検定公式テキスト本文では太字記載の割に短くあっさり説明されるキフィですが、再現レシピのコラムも掲載されているので、キフィについて出題されることもありそうです。

こちらはキティの香り。芯まで温めポカポカ続く。



【問3】古代エジプト人がミイラ作りに使用しミイラの語源ともなったという説があるものを1つ選びなさい。

A ベチバー
B オレンジスイート
C レモングラス
D ミルラ

宗教儀式で使われた薫香と同じく浄化に使われたんですね。

【正解】 D ミルラ
遺体から内臓を取り出した後、没薬を使った香油で清めて殺菌し、他の樹脂や植物とともに防腐剤として体内に納められたそうです。



【問4】西洋医学の基礎を築き「医学の父」と呼ばれる古代ギリシアの医学者を1つ選びなさい。

A ヒポクラテス(紀元前460~377)
B アダム・スミス(1723~1790)
C アルベルト・アインシュタイン(1879~1955)
D ヘロドトス(生没年不詳)

ヒント:経済学の父と現代物理学の父と歴史の父が混ざっています

【正解】 A ヒポクラテス

「ヒポクラテスの誓い」は医療従事者の倫理や任務ついて神へ宣誓するもので、現代でも医療倫理の根幹を為すものです。お医者さん、看護師さんにとっては常識ですね。ヒポクラテスはマッサージの重要性を説き、医学を志す者に対してはマッサージ技術の習得を奨励していたそうです。

古代ギリシャでは各地に医神アスクレピオスをまつる神殿が数多く建てられ、病気や怪我を治すために神殿にこもって神官などから呪術的な治療を受けていました。ヒポクラテスは無神論者ではありませんが、こうした呪術的な医療を否定し、科学的な医療の基礎を作ったことで「医学の父」と呼ばれます。



【問5】テオフラストスの説明として正しいものを1つ選びなさい。

A 「植物誌」を著し「植物学の祖」と呼ばれる
B 送別会の参加者に手を振らす仕事をした
C 様々な手をフラスコに入れてみる実験をした
D ラジオ体操の「大きく手を振らす運動」を発案した

ヒント:植物を科学的な分類や系統について研究を行いました。

【正解】 A 「植物誌」を著し「植物学の祖」と呼ばれる

テオフラストス(BC371年頃−BC287年頃)は古代ギリシアの哲学者です。アリストテレスの弟子で後継者となりました。著書「植物誌」では500種以上の植物を記載し、香料の調合や製造・使用法についても触れています。

豆知識:同じ古代ギリシア人のヒポクラテスと混同しがち。テオフラストスの覚え方については「4コマで分かるアロマテラピー」も是非ご覧ください。
https://illust-aroma.com/?p=479

テオフラストスの著作「植物誌」はAmazonで日本語版を入手できます。



【問6】古代ローマの医学者ディオスコリデスが著した植物薬学の重要な古典を1つ選びなさい。

A 『植物誌』
B 『マテリア・メディカ(薬物誌)』
C 『神農本草経』
D 『博物誌』

ヒント:ローマ帝国の皇帝ネロの軍医として各地へ遠征したギリシア人医学者ディオスコリデス(西暦40〜90年)は、自ら観察して得た知識を書物にまとめました。

【正解】 B 『マテリア・メディカ(薬物誌)』
ローマ帝国の皇帝ネロの軍医として各地へ遠征したギリシア人医学者ディオスコリデスは、自ら観察して得た植物や薬物の知識を書物にまとめました。多くの写本が作られた中でも西ローマ帝国の皇女に捧げるために製作された「ウィーン写本」は有名で、美しい大文字体で書かれ多くの彩色図が収められています。現在はウィーンにあるオーストリア国立図書館に収蔵されているそうです。



【問7】古代ローマの学者プリニウスが著した全37巻の大作で、自然に関する知識を広く収め、植物や植物薬剤についても言及されている書物を1つ選びなさい。

A 『植物誌』
B 『マテリア・メディカ(薬物誌)』
C 『神農本草経』
D 『博物誌』

【正解】 D 『博物誌』
全37巻のうち、植物(第12~19巻)と薬草(第20~27巻)について、かなりのボリュームで収録されています。

実在する生物に混じって、ペガサス、スフィンクス、サラマンダーといった非科学的な生命体も多く含まれているのが素敵。
参考:Wikipedia「博物誌」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%9A%E7%89%A9%E8%AA%8C



【問8】ギリシャ人医学者のガレノスと深く関連するものを1つ選びなさい。

A ガレノス製剤
B アリの巣コロリ
C 鳥の巣あたま
D 横浜F・マリノス

ガレノスと関連するもの選ぶ設問の選択肢にストレートに「ガレノス製剤」って書いてあると「え、ひっかけ問題・・・?」と考えてしまいますが、アロマテラピー検定にひっかけ問題はありません。素直に回答してヨシ!

【正解】 A ガレノス
ガレノス(129年頃〜199年)は古代ローマのギリシャ人医学者。ローマ帝国時代にヒポクラテスの医学を基礎として体系的な医学を確立しました。ガレノスの医学はその後ルネサンス期まで1000年以上にわたりヨーロッパにおいて支配的な医療となり、アラビア医学にも影響を与えました。

豆知識:
ガレノスはコールドクリームなど製剤法の創始者です。現代ではコールドクリーム=化粧品のイメージですが、当時は(軟膏のように)塗り薬として使われたようです。肌につけると水分が蒸発し冷たく感じることからコールドクリームと呼ばれます。ガレノスのコールドクリームは現在も使われているクリームの元祖となりました。

参考:第一三共ヘルスケア
皮膚用薬の「軟膏」と「クリーム」、何が違うの?
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/qa/difference_zaikei/

ガレノス製剤のひとつとして挙げられるコールドクリームは、ミツロウを乳化剤として植物油と水を乳化させてクリームをつくったそうです。(本来まざらない油と水をまぜて乳化する技術が画期的なことらしい)

参考:ガレノスのコールドクリーム

参考:ちふれのコールドクリーム



【問9】古代ギリシャの都市に建設された公衆浴場を表すものとして正しいものを1つ選びなさい。

A Ayurveda
B Eau de cologne
C Thermae
D Aromatherapie

ヒント:阿部寛さん主演の映画やヤマザキマリさんの原作を読んだ方には楽勝の問題です。

【正解】 C Thermae
Thermae=テルマエ=公衆浴場です。マッサージやあかすり儀式などの際に、香り高い香油が使用されたそうです。

ヤマザキマリさんの「テルマエ・ロマエ」は古代ローマへの近道。古代ローマのイメージが湧かない方はぜひ読んでみてください。ローマ人は特にローズの香りを熱狂的に好んだそうですが、テルマエ・ロマエの中にローズの酒やローズの香油を身体に塗ったりするシーンなかったかな。


【問10】サンスクリット語の「Ayus(生命)」と「Veda(知識)」を組み合わせた造語で、現在もインドやスリランカに受け継がれている伝統療法を1つ選びなさい。

A アロマテラピー
B テルマエ
C アーユルヴェーダ
D マテリア・メディカ

ヒント:
今から3,000年以上も前に誕生したインド・スリランカ発祥の伝統療法。

【正解】 C アーユルヴェーダ
アーユルヴェーダは医学だけでなく宇宙観や自然観を説く哲学でもあり、植物の活用、食事、呼吸、ヨガなど具体的な生活方法の教えも含む医学体系です。まさに「生命(Ayus)の知識(Veda)」ですね。

豆知識:
・サンスクリット語はインドなどで用いられた古代語です。仏教経典の多くがサンスクリット語で記されています。
・生活の木「アーユルヴェーダ」
https://www.treeoflife.co.jp/ayurveda/


【問11】西洋の『マテリア・メディカ』と並んで有名な古代中国の薬草学書を1つ選びなさい。

A 植物誌
B 博物誌
C 神農本草経
D ヒポクラテス全集

ヒント:中国では古くから薬草の研究が行われており、薬物について書かれた本を「本草書」といいました。

【正解】 C 神農本草経
神農とは中国の神話にある農業神・医薬神。人身牛首の伝説上の神です。医療と農耕の知識を古代の人々に広めた存在として伝えられ、漢方薬や医療の従事者に広く信仰されています。
中国最古の薬物学書とされる神農本草経では、365種の生薬(漢方薬)を上品(無毒で長期服用が可能な養命薬)・中品(毒にもなる養性薬)・下品(毒が強く長期服用が不可能な治病薬)に分類し解説しています。


【問12】5世紀末に「神農本草経」を「神農本草経集注」として再編さんした人物を選びなさい。

A 孫悟空
B 陶弘景
C 劉備玄徳
D 河了貂

漢方医学における薬学の祖と呼ばれています

【正解】 B 陶弘景

陶弘景(456年〜536年)は前漢時代に記されていた中国最古の薬学書「神農本草経」を整理し「神農本草経集注(しんのうほんぞうきょうしっちゅう)」として再編さんしました。解説する生薬(漢方薬)の数を元の365種から730種あまりに倍増させるとともに、薬物の性質などをもとにした新たな分類法を考案。現在でもこの分類法は使われており、陶弘景は漢方医学における薬学の祖と呼ばれています。



この非公式問題集でアロマ検定の歴史分野(古代)は安心!

この非公式問題集をしっかり反復すれば、アロマテラピー検定の歴史分野(古代)は安心です。まだまだ不安だなという方は、アロマテラピー検定の当日まで、ぜひ繰り返しこの非公式問題集を解いて覚えてください。

最後に:検定を受けるなら公式問題集を

AEAJが発行している公式問題集には、アロマテラピー検定1級(70問)の練習問題(模擬テスト)が3回分、アロマテラピー検定2級(55問)の練習問題(模擬テスト)が3回分あります。

公式問題集は持ち歩いて勉強するには不向きですが、問題文の内容や出題傾向、時間配分、香りテストの選択肢など、事前に経験しておくことで不安が解消できます。

特に、独学で勉強している方には、検定を受ける前の模擬試験として公式問題集を解いておくことを強くお勧めします。公式テキストしか買っていないという方もいるようですが、なるべく早めに最新版の公式問題集を入手してぜひ力試しをしてください。

その際、公式問題集の巻末にあるマークシートをコピーして、時間を測りながら解いてみましょう。解答ペースが把握できて安心できます。当日も平常心で臨めるはずです。

1級の試験範囲には2級の知識が含まれるので、一気に1級合格を目指す人でも2級の問題をやっておいて無駄にはなりません。(1級のテストと比べて精油の選択肢や出題範囲が限られているので全問正解を目指してください)

▼アロマテラピー検定 公式問題集 1級・2級 2020年6月改定


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