ゴーン、ゴーン……鐘の音色が伝えるもの

8月6日の朝に、近所のお寺から鐘の音が聞こえてきたら、そのあと日本人は何を想うか。

当たり前のことだと思っていたけれど、私の当たり前が共通感覚にならない世代が、会話の成り立つ社会人にもどんどん増えてきている。
小学生ならまだ知らないかな、中学生でも知らない子はいるよ、高校生なら……

その繰り返しのうちに、知らないままで驚かれることもない世代のほうが多数になりつつあるような気がした。

子を育てる親でもないし、教師でもないけれど、この国に生きるものとして伝えることの役目は持っているはずだ。
折に触れて忘れないこと。戦争も災害も、そのほかの楽しかったことも誇らしかったことも。

そんなことを朝の涼しい空気の中に、ゴーン……と響く音を聞きながら、改めて思い返した。
伝えるチカラは小さくても、たったひとりにでも伝えること、自分が忘れないこと、正しく学ぶこと、知ること。

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