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転職は「自分の選択を正解にする」覚悟があるかだと思った話

──ワクワクできる自分でありたかった。それを作れるのは悩んで決断した自分だけだと思った。

去年の12月に転職をしました。

最終的に決断に踏み切ったきっかけは、明確に言語化ができない「ワクワク感」。
自分がそこの会社で活躍している未来に胸が高鳴った。

転職先は、好きだったクラフトビールのメーカーである、「ヤッホーブルーイング」

決断するにあたり、たくさん悩んで、たくさんたくさん考えました。将来ありたい自分の姿はなんだろうか。どういう人生を作りたいのかと。

悩んでも答えが出ない日々を過ごして、やっと生み出した自分だけの答えが「転職」でした。

この記事で触れるのは、そんな当時の私の葛藤の気持ち。そして覚悟です。
同じように転職に迷っていたり、なにか大きな決断をしようと考えている人にとって、後悔ない選択をするための背中の後押しになったら嬉しいです。

ふと、キャリアチェンジを考えた社会人4年目

今回、クラフトビールのメーカーに転職をした私ですが、前職は広告代理店。多くのクライアントさまと協力しながら企画を考えたり、施策を実行する役割を担っていました。

そんな中でだんだんと生まれていたのが「いつかはメーカーで働いてみたいなあ」という思い。2年目ぐらいのときにはすでに、心のどこかでそう思い始めていました。

前職では、化粧品、自動車、不動産、食品など本当にいろんなジャンルのクライアントさまを担当しました。最初は知らなかった製品やサービスなんかのことも、担当するにつれて好きになるし、面白さを知ってのめり込んでました。

代理店の仕事は、多くの企業と関係を築きながら進行できるもので、それはそれでやりがいがあります。一方で、代理店業を続けている中で、自社事業を行う際の目線やその喜びも知りたいと感じるようになっていたんです。

代理店にいると、一つの製品と長く向き合いたいと願っても難しい瞬間があります。限られた時間の中では「ここまでやりたいのに!」というラインまで届かなくて、理想と現実との間にギャップが生まれることもありました。

なんとかクライアントさまと同じ熱量で向き合いたいと思っても、現実問題、働いているすべての時間を自社製品と向き合っているクライアントさまの想いに届かないと感じて悔しくなったりもしました。自分の熱量をすべて一つの製品に込められたら良いのに、と。

また、会社のメンバーと同じ方向に向かって走れる喜びもメーカーならではのものかもしれないと思うことがありました。もちろん代理店も一つの組織なので共通の方向に向かっているはずなのですが、業務スタイル上、どうしても熱量の差を感じてしまったり、仲間と同じ方向を向くまでに時間を要したりすることもあり、少しの切なさが生まれることもあったと思います。

そうして、今までは代理店の立場で広い視野と知見を持って働く機会を得ていたけれど、メーカーで体験できることはまた異なるだろうなと考え、だんだんと興味を持つようになっていました。

ただ、私の働いていた代理店は急成長している最中でした。2年目ということもあり自分のスキルがだんだんと付いてきてできる仕事も増えてきた。任される仕事も多くなって、組織も成長していて。とっても楽しかったんです。

だから、当時抱いていた「いつかはメーカーで」という思いは「いつか」の夢に過ぎず、目の前に迫っているものではありませんでした。

そんな風に「いつか」の願いを胸の奥底に閉まっていた私は、昨年で新卒4年目を迎えていました。気づいたら周囲には同世代でキャリアに悩んでいる人、キャリアチェンジを始める人が現れるようになっていて、なんだか少しずつ影響を受けるように。

一昨年くらいまでは転職だなんて考えてもいなかったのに、同世代の影響って意外にも大きなものなんですね。気がついたら、そうして人生の道筋を描いていく同世代の仲間を横目に、私も自分の生き方について考えるようになっていたのでした。

たった一社を目指した転職活動記

そうして、同世代たちの影響を受けて多少なりとも自分自身のキャリアについて考えるようになっていたある日。私はなんとなく覗いたWantedlyで気になるキャッチコピーを見つけました。

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※ この募集は現在終了しております。

惹かれたのは言葉だけではなく、募集記事に使用されていた写真。

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見慣れたクラフトビールでした。「おっ」と思ったときにはすでに募集要項を熱心に読んでいる自分がいて、気づいたら「話を聞きに行きたい」をクリックしていました。

以前から製品が好きだったことはもちろん、マーケティング業界では名の知れた企業で注目していたりもしたので、私の中での興味は津々。それに加えて、前述していた通りいつかメーカーに入りたいと考えていたんですから、注目してしまうのも無理はありません。

これまで培ってきた経験を活かして、さらなるスキルアップを目指せる環境だろうなと直感的に思いました。

と、こうして始まった私の転職活動。いわゆる転職活動とは異なり、目指したのは唯一この会社のみ。他を検討することもなく「よし、ここだ」と意気揚々と応募していました。

応募したばかりのときは、まさかこんなにも転職が悩みを抱えるものだとは思いもしなかったのです。「内定をいただけたら良いな」というワクワクした気持ちと、「人気企業だからどうだろうか」という不安なんかが、浮かんでは泡沫のように消えていきました。

その後は、エントリーシートを制作したり、面談をしたり、会社の見学にお邪魔したり。幾度か人事や部署の方と話をする機会をいただき、無事内定をいただきました。

これまでの自分の積み重ねてきたことを棚卸ししながら見つめることができる、とても貴重な体験だったなあと思います。

「どんな自分でいたいのか」と考え抜いて選んだ道

ご縁もあって内定をいただけたものの、実はここから悩みの日々が始まりました。もう言葉にするのが難しいくらいには悩んで悩んで悩みまくりました。。なぜなら、前職も急成長しているタイミングだったから。

(回答を待ってくださったり、面談の時間をくださった人事の方には本当に頭が上がりません。ありがとうございました。)

私の場合、今回の転職は前職に対する不満を解消するために行ったとか、早く退職したい思いがあって行ったとか、そういうものではありません。

むしろ、前職もどんどん社員数が増えて、売上が大きくなってと成長している環境だったので、転職せずに残っても面白い未来が待っているかもしれないなと(実際、昨年末にオフィス移転があったのですが、体感4倍くらいの規模には成長している感があった)。

ほぼ新卒のときに入社した会社なので、やっぱり愛着もあるし、気心知れている人もいるので居心地は良い。新しいチャレンジも、前職の中でもできただろうと思います。

でももちろん、どうして転職しようと考えたのかといえば、新しい未知なる環境で腕を振るいたいと思ったから。形の違うワクワク感を天秤に乗せては、ゆらゆら眺めて頭を抱えていたのです……。

こういう悩みって、理性的に考えるだけでは案外こたえが出ません。どこかのタイミングで「えいや」と覚悟を決めることが必要になる。

私の場合は、その覚悟を「どんな自分でいたいのか」を軸に決めました。具体的には、前職に残る自分と、転職する自分、どちらが自分を成長させられるのかという観点です。

私は自分が組織にいることで会社の成長に寄与できることが、自分の喜びであり、自身の成長だと捉えています。けれど、前職は組織が随分と大きくなってきていた。結果として、「自分が会社に成長させてもらっているのでは」と感じるようになっていた面がありました。

このままだと、自分のキャリアの幅も会社の成長度合いや成長する方向に委ねる必要すらあるかもしれない。もしかしたら、受動的に生きる自分になってしまうかもしれない。未来を想像したとき、自分の望まない自分になってしまう可能性があると考えたんです。

その考えが頭に浮かび上がったとき、私は環境を変えることを決めました。新しい環境に移ることで自分にかかる負荷は大きいかもしれないけれど、自分の人生の舵取りを諦めることは絶対にないと思えたから。


自分は、なりたい自分になる。

すべて「自分の選択を正解にする」という覚悟次第

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ヤッホーブルーイングに転職して、約4ヶ月が経過しました。転職前に感じていた会社一丸となってミッション・ビジョンに向かい、カルチャー・バリューを体現するという雰囲気を感じられる今の環境はとても楽しいです。

入社初期は研修期間としてさまざまなプログラムを受講しましたが、そこでのミッション・ビジョンの共有やカルチャー・バリューの体現方法のシェアまで実に手厚い。同じ方向に向かって歩める組織ってこういうものなのか、と今までは知らなかった発見ばかりです。

けれど、その転職の喜びの傍らで、前職に残っていたらどうなっていたのかなと思う自分もいたりします。少なくとも、急成長している前職を外から見て悔しがる未来はもうすぐそこまで見えている。

3年半という決して短くない時間を過ごしてきたからこそ、前職はこれからも絶対に成長を止めないってわかるから。


何が正解の決断かなんて、後にならないとわからない。

自分の選択が合っているのだろうかと思いながらも、未来の私が「正解だった」と朗らかに笑って言えるように、堂々と生きていくしかないんです。自分の決断を正解にできるのは、自分しかいないんです。

これから先、転職したことで生まれるつらさもあるでしょうし、高い壁を前に途方に暮れる日もあることでしょう。苦い顔をしながら働くような時間だってきっとあると思います。


それでも、大丈夫。

ーこの会社で自分の選択を正解だったというこたえを作る。
という強い覚悟が私にはあるから。

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