「日本的M&A推進財団」のメルマガに投稿しました

こんにちは。社会保険労務士の町田です。

私が会員になっている一般財団法人日本的M&A推進財団【社労士部会】のメルマガに、「「年収の壁・支援強化パッケージ」(106万の壁・130万の壁対策)について」というタイトルで投稿しました。


パート従業員が、配偶者の扶養の範囲で働くために勤務時間を抑制することは長い間多くの企業で見受けられている現象です。
年々最低賃金が引き上げられているため、さらに時間抑制が必要となり、
人手不足が加速する事態が発生しています。

この状態を解消したい厚生労働省は、パート・アルバイトで働く人が「年収の壁」を意識せずに働ける環境づくりを後押しすることを目的として
「年収の壁・支援強化パッケージ」を打ち出しました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html

※所得税における扶養控除の「103万の壁」とは別です。
本内容はあくまでも社会保険上の扶養に関するものとなります。

「130万の壁」は、年収が130万円を超えたら健康保険・厚生年金に加入
しなくてはならないという、従来からの要件です。

「106万の壁」は、平成28年10月から、「週20時間以上働き、所定内賃金が
88,000円以上」等を満たすパート従業員について、社会保険の適用拡大が進む中で生じました。
「88,000円」×12=1,056,000円≒106万というところから「106万の壁」と
呼ばれています。

「年収の壁・支援強化パッケージ」には、3点の対策が含まれています。

1.「106万円の壁」対策
パート従業員が社会保険加入をしても、手取収入が減らないように取組を
実施する企業に対して支援を行う。1人あたり最大50万円。

手取り収入が減らないような取組の例として、
標準報酬月額に含まなくても良いとされる「社会保険適用促進手当」の支給
賃上げによる基本給の増額
所定労働時間の延長、が挙げられています。

厚生労働省が、このような取り組みを実施する企業に行う支援として
「キャリアアップ助成金」へのコース追加が行われています。

2.「130万の壁」対策
収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、
引き続き被扶養者として認定されることが可能となる仕組みを作る。

3.配偶者手当への対応
パート従業員が収入を抑制する理由の一つとして、配偶者に支給されている
「家族手当」も大きいです。
夫に「家族手当」が支給されているので、自分が働き過ぎてカットされたく
ない、ということです。

その対策として、「このような手順で、配偶者手当を基本給や他の手当に
振り替えていきましょう」という内容が公表されています。

打ち出された3つの対策によって、人手不足がどれだけ解消していくのか、
いずれにしても時間がかかりそうです。

働く人の「細かいことはよくわからないけれど、配偶者の扶養でいることが
一番得」という概念は根強いものがあると感じています。


本日は以上です。

最後までお読み下さいまして、ありがとうございました。

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