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なんにもない

自分は何者なんだと最近思う。

映画化されたどこかの小説家の小説のタイトルみたいで月並みな表現だなあと小っ恥ずかしくなるが、ここ最近自分が何者なのか問う時間が本当に多くなった。

そちらの世界から離れて自分を纏っていた色々なものが剥がされたことと、こちらの世界に入ってほぼ全てのことが白紙から始まったからだろうか。

身包み剥がされた自分はまだ何も知らずまだ何も成し遂げることができず、早く肩書きや信頼が欲しくて焦る日々。

「焦らず地道に着実に進んでいけばいいじゃないか。」
そう楽観的に思う自分もいるが、そうも言ってられなくなった。

今年一番(人生を大きく変えたであろうから恐らく人生で一番)の私の決断を、他人は「すごいね」と言う。
褒め言葉なのか変わった子だねという意味の言葉なのかは気にしないことにして、少し前までの自分はその言葉に酔いしれていた。

しかし結局自分はまだ何者でもないから、全くすごくないと気づいた。遅い。
行動したことがゴールになっていて情けない。

どれほどそちらの世界がキラキラして楽しそうに見えても、自分はそこを離れてここで頑張ると決めたのだ。

いつかこの孤独や喪失感が自分の糧になると信じてやまない。


ところでムッシュかまやつの「やつらの足音のバラード」はいい歌だ。

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