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[絶景]墓守の枝垂れ桜(大分県竹田市)

ども、ならなすおです。

きょうび、墓守といえばウェザエモンですが、彼もせっちゃんもいなくても、そこは、心奪われる感動スポットでした。
(上記、「シャングリラ・フロンティア」参照です。)

今回は、大分県竹田市の「墓守の枝垂れ(しだれ)桜」に寄り道してきました。

往路

知人のSNSで、枝垂れ桜に目を奪われた。
「これは、行かねば」
フリーランスの特権、行動を即決し、大分市から小一時間の竹田市に車を走らせる。

映えスポット巡りは、現地もいいが、そこに赴くまでの時間がたまらなく楽しい。
インフルエンサーの投稿では、主に視覚情報を楽しめるが、実際のスポットでは、風の香り、川や木々や生き物たちが発する音、空気の肌触り、特産物の味など、場を包む感覚たちを存分に堪能できる。
それらを想像するだけで、心が躍る。

墓地が醸す厳かさと、それと溶け込みつつ流麗に人々に語りかける枝垂れ桜、、、
往々にして、現地に着く前にブログが一本書ける。
だが、現地で得る五感は、毎回想像とは全く異なる。
行かなければ、わからない。
だから寄り道は、楽しい。

さて、車は目的地に近づき、カーナビによれば、車を停める予定の「黄牛(あめうし)の滝駐車場」が間近に迫ってきた。
だがしかし、焦りは禁物。
方向音痴な筆者、現地の人に行き方を聞けるのであれば聞いておきたい。

近くにあった「道の駅竹田」にお邪魔した。
売店のスタッフさんが、丁寧に目的地までの道のりを教えてくれた。
その節は、ありがとうございました。

道の駅竹田

(2024.4.1 ならなすお撮影)

[道の駅竹田公式サイト]

[黄牛の滝駐車場情報(竹田市観光ツーリズム協会サイト)]

墓守の枝垂れ桜

山里に佇む神々しき霊木

方向音痴とは、「道を聞いても、地図を持っていても目的地にたどり着けない者」だ。
筆者、例によって30分ほど彷徨い歩いた。
方向音痴あるある。
「最初に進む方向が逆」
以下、読者のために正解を記す。
(駐車場から先は徒歩です。)
黄牛の滝駐車場から、「滝への降り口」の方に歩を進め、滝には降りずに直進すると、左手に「小さめの枝垂れ桜」が見える。
左折して、そこの道に入る。
しばらく歩くと、右手の丘に、大きな桜が見える。
(彷徨わなければ徒歩10分)

あれだ。
一目でわかる。
遠目にも、今回の寄り道が大成功であることが確定した。
大きさだけではない。
その場から放射する圧倒的な包容力。
彼女(枝垂れ桜)に抱かれ、見守られる魂たちとの協奏か。

彼女は、逆光をものともせず、筆者を迎え入れてくれた。
(道から桜の木まで少し急こう配を登ります。ご高齢の方はご注意ください。)

墓守の枝垂れ桜

(2024.4.1 ならなすお撮影。以下同じ)

彼女は主張などしない

筆者、桜を撮るのは苦手だ。
花びらだとミクロ過ぎ、並木だとマクロ過ぎるから。
どこにフォーカスしてよいか迷い、往々にして対象が持つ美の本質を見失う。

だが、「墓守の枝垂れ桜」は違った。
全ての構図が、なぜかはわからないが、成立しているように感じられる。
彼女と墓標を中心に、その場を構成する他のものたちが、風さえもが協力して、一枚の絵を作り上げているかのようだった。

墓標を彼女が包み、地に満開の菜の花を配したその場所は、色彩とは対照的に、しんと澄んだ趣を醸す。
温かさとは、異なる。
荘厳とも、異なる。
強いて言えば、清涼か。
春の季節感にはそぐわない語彙だが、あえて使おう。

彼女は自分からは主張しない。
ただ静かで、清々しかった。
高潔に、その場で、そうあり続ける。
そよ風の香りも、まばらに聞こえる鳥のさえずりも、然り。
それらを愛で集まる人間の興味関心や感傷とは全く異なる位相で、その場は淡々と時の流れに溶け込んでいた。

お昼ごはん

竹田市には、唐揚げの名店「丸福」をはじめ、和牛、トウモロコシ、トマト、ミルク(ガンジー種)などの名産があり、美味しい食事処には事欠かないが、筆者が選んだのは、竹田市中心部「岡城址」至近の「ホテルつちや」の「ナポリタン大盛り」。

実は筆者、20代の頃3年ほど竹田に住んでいた。
つちやのナポリタン大盛りは、いわばソウルフード。
ソウルフードの評価軸は、美味い、不味いではない。
「あの頃」の味がする。
代わりは、ない。

つちやのナポリタン大盛り

(2024.4.1 ならなすお撮影)

[ホテルつちや公式サイト]

その他の竹田スポット

竹田市は、岡城という城を中心とした城下町に、自然豊かな近隣の町が合併した、ドライブしたくなる観光地だ。
割と有名な「長湯温泉」も竹田市。
枝垂れ桜の開花時期は2週間程度だと思うが、他にも楽しめるスポットは多い。

黄牛の滝

今回車を停めた場所。
映え映えの滝だ。
滝というと、「駐車場からめっちゃ歩く」のを想像する方もいらっしゃると思うが、ここはそんなに長時間歩かなくても着く。
お子さんや彼女さんを連れていくと最強の構図が出来上がるようになっている(行けばわかる)ので、是非行ってみてほしい。
(駐車場から滝まで、かなり高低差があるので、ご高齢の方はご注意ください。)

黄牛の滝

(2019.9.1 ならなすお撮影)

[竹田市観光ツーリズム協会サイト]

岡城跡

城壁のみ残された城跡。国指定史跡。
天守はないが、雰囲気が良く、高台なので眺めもいい。
桜の時期、紅葉の時期など、楽しめる。
日本の音楽史に残る名曲「荒城の月」の作曲者である瀧廉太郎は、岡城跡から同曲のインスピレーションを得たとされる。
一方、作詞者の土井晩翠は、会津の鶴ヶ城跡(天守復活前)から詞の着想を得たらしい。
おんなじものをイメージしなくても、名作はできるんだなー。

岡城跡

(2019.11.11 ならなすお撮影)

[岡城跡公式サイト]

復路

今回は、道に迷って彷徨ったダメージがあったので、つちやで食事した後すぐ帰路についた。

帰りの道すがら、大分市野津原(のつはる)というところに、饅頭、お稲荷さん、きんぴらなどを扱う有名な惣菜店「若妻の店」がある。

イメクラではない。
若妻も、いない。
(スタッフさんごめんなさい。)
ただ、具沢山の炊き込みご飯がぎっしり入ったお稲荷さんは、マジでうまい。

若妻の店でおいなりさん、などというと、「変態仮面」を想像する方もいるかもしれないが、若妻の店云々のくだりを語らなければいいだけの話で、土産に買って帰ると喜ばれること間違いなしだ。

[若妻の店(大分市観光ナビサイトより)]

総合所見

桜は、盛りが短い。
無常を尊ぶ日本人が愛するのも納得だ。

だが今回、身に染みて得心した。
墓守の枝垂れ桜に、教えられた。

盛りなど、関係ない。

自分らしく、そこに在ること。
その日々こそが、場を深め、趣を醸す。

今度、花など全く関係ない時期に、立ち寄ってみよう。
おそらく彼女は、何も変わらず、筆者を迎えてくれるだろう。

人も、かくありたいものだ。

2024年4月1日 ならなすお

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