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[起業体験記03]法務局手続(定款作成など)

ども、ならなすおです。

起業体験記、「はよ書けー!こちとら急いでんのよ!」的なご要望を1件だけ頂きましたので(ありがとうございます)、ようやく重い腰を上げ、「法務局に法人設立を届け出る段」を書いていきたいと思います。

私のケースでは、オンラインで、1人会社の、合同会社を設立しました。
株式会社を作る方や、最初から従業員がいる方は、もしかするとやり方がたいぶ違うかも知れませんのでご了承ください。

少しでも、これから起業する方の参考になれば幸いです。
2024年3月31日現在の情報です。

なお、私は中小企業診断士で、司法書士さん、税理士さん、社会保険労務士さん、行政書士さんのように、特定分野の手続を代行する法的な権限はないので、本稿は「ただの個人の感想」です。
ご承知おきください。

では、本編スタート!


(1)大まかなコスト・所要時間

①コスト感
合同会社のオンライン設立、10万円前後(+資本金)ですね。
・印鑑が2万円くらい
・登録免許税が6万円
・電子署名用のAdobe Acrobatが1.8万円くらい
・電子署名用のカードリーダーが0.3万円くらい
・各種手数料が0.2万円くらい
・弊社資本金は31万円

オンラインでない場合(定款を法務局に紙で出す場合)、「定款に貼る収入印紙代」というのがかかります。4万円です。

また、株式会社だと、登録免許税が15万円になります。
(「その他」に登録免許税を安くする方法を載せてますのでご覧あれ!)
んで、定款認証手数料というのが追加で3万円かかります。

②所要時間
2週間ですね。

・印鑑の納品まで1週間くらい
・法務局のオンライン手続に1週間くらい

(2)まずは印鑑を作った

法務局さんとの関係では印鑑の登記(届出)は任意なのですが、銀行に口座を作ったりする際に必要なので、私は印鑑を最初に作りました。

法人の印鑑は、代表者印(丸印)、社印(角印)、銀行印(これも丸)の3点セットです。
ネットで頼むと、ピンキリですが、安いのだと1万円くらいであります。
代表者印ですが、合同会社の代表者は、「代表社員」と言います。株式会社の代表者は「代表取締役」です。
合同会社で、「合同会社○○代表取締役之印」と作らないよう注意しましょう。

注文してお金を入れてから、一週間もせずに納品されると思います。

(3)法務局のオンライン申請準備

次に、法務局にオンライン申請をするための準備を整えます。
大きく2つ、「申請書総合ソフト」というのをダウンロードするのと、定款などに電子署名をするための「公的個人認証サービス」の利用準備です。

①法務省サイト、超丁寧です
まず、法務省のサイトで、「一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!」というリンクを踏みます。

ここに、「一人合同会社の登記すべき事項」とかが書いてあります。
そして、「添付書面作成例」まで付いとるんです。
このサイトは、マジ神です。

②申請様式
念のため、法務省の「法人登記の申請書の様式ひな形」のリンクを付けておきます。
「様式がないなー」と思ったら、ここに大体あります。

③AdobeのAcrobatを入れておく
オンライン申請時に必要な「電子署名」に、AdobeのAcrobat(有料)が必要なので、先に購入してパソコンに入れておきます。
私はAcrobat Standardというのを入れました。

④「申請書総合ソフト」をダウンロード
オンライン申請に使うソフトをダウンロードしておきます。

⑤電子署名用のICカードリーダーを準備
「電子署名」は、マイナンバーカードをカードリーダーで読み取り、「公的個人認証サービス電子証明書」というサービスを使って、自分が作った定款に電子署名を付けます。
この時、書類をPDFにして署名をつけるために、Adobe Acorobatが必要、という訳です。
カードリーダーは、「公的個人認証サービス」に使えるやつを買っておきます。

で、公的個人認証サービスのリンク(下記)を参考に、パソコンに環境をダウンロードして準備しておきます。

公的個人認証サービス公式サイトより
https://www.jpki.go.jp/

なお、マイナンバーには、2種類の「電子証明書」(パスワード)がついていて、電子署名には、6桁~16桁の方のパスワードを使うんですが、私、それを忘れちゃってました。
・利用者証明用(4桁)
・署名用電子証明書用(6~16桁)

んで、しょうがないんで地元の市役所に行って、教えてもらいました、、、
全てをオンラインで完結させるつもりだったのに、台無しです。

(4)定款とかを作ります

法務省の「一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!」リンクの中に、「添付書面作成例」というリンクがあり、必要書類のひな形はそこからダウンロードできます。

法務省サイトより抜粋
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00117.html

基本的には、作成例に示されたとおりに作っていけばいいです。
留意点は、下記の通り。

①定款第2条「目的」
定款のひな形は「作成例」に付いているんですが、「何をする会社か」は自分で書きます。
私の会社の「目的」を画像で付けてます。
ポイントは、「将来やりそうなことも書いとく」という事かな。
弊社、ネット販売とかをやるのはだいぶ先ですが、その時に「定款変更」をするのはめんどくさいので、既に書いてます。

弊社(合同会社それがし)の定款より抜粋

②定款第4条「公告の方法」
会社の大事な事柄を関係者にお知らせすることを「公告」と言い、その方法を定款に書いておく必要があります。
合同会社の場合、毎年の決算を公告する必要がないので、めったなことがないと公告する機会がないです。
公告には、「官報」「広告掲載」「電子公告」といった方法がありますが、弊社は最も安価な「官報」を選択しました。

③資本金の額
弊社は、31万円にしました(私は素数好きです)。
弊社の場合、役員報酬(自分の給料)は2期目から払おうと思ってたので、設立初期の支出は、税理士費用、アドビとかChatGPTとかのサブスク経費かな、と想定していました。
売上が立つまでの間のそういった支出が大体30万くらいかな、と読んで、資本金を31万円にしました。
ちなみに、会社のお金が足りなくなったら、代表者の貯金から会社に貸付をしたりできますので、「やば、資本金少なすぎた」とかいうのは、後でなんとかなります。

④資本金払込証明
決定した資本金の額を、自分が自分の口座に振り込んだ通帳の写しを添付する必要があします。

⑤印鑑の届出
法務局さんの「作成例」にはないのですが、法人の銀行口座を作る時に印鑑証明が必要になるので、私は設立登記申請と同じタイミングで、「印鑑届書」というのを作って出しました。

(5)申請書総合ソフトのガイドに沿って書類を作ります

申請書作成、ファイル添付、署名付与など、最初は戸惑うかもしれませんが、ゆっくりやってみてください。
使用できる時間が、平日の8:30~21:00までです。
土日に使えないので、注意してください。

(6)登録免許税の納付

一通り申請が終わると、ソフトの中で、「登録免許税を納付してね」というメニューがに入れるようになります。
ここに納付番号とかが出てくるので、銀行ATM等で「ペイジー」というサービスを使ってお金を払います。
納付期限が3日ぐらいで、結構短いので注意してください。

納付が終わると、総合ソフトの画面で「納付済み」という表示が出ます。
それが出たら、手続き完了。

その後、総合ソフトから、「履歴事項全部証明書」(登記簿謄本というやつ)や、印鑑証明の交付申請が出せるようになり、税務署や銀行に書類を提出できます。

(7)その他

①法人設立ワンストップサービス
私がやったのは「法務局オンリー」の手続だったのですが、マイナポータルにある「法人設立ワンストップサービス」というのを使うと、法務局と税務署と県税と市税の手続が一緒にできるらしいです。
以下のサイトを参考にしてみてください。

②特定創業支援事業
国(経済産業省中小企業等)が、産業競争力強化法という法律に基づいて、会社設立時の登録免許税を半減させる素晴らしい制度を運用中です。
会社設立地の市町村が行う「創業塾」とか「創業セミナー」を受講して証明書をもらい、登録免許税納付の時にその証明を添付すると、登録免許税が半額になる、という制度です。

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/registration-license-tax/index.html

詳細は、お住いの市町村に、「特定創業支援事業に該当するセミナーはあるか」と聞いていただくのが一番確実です。
タイミングが合うセミナーが受けられれば、登録免許税が半額になり、株式会社だと7.5万円、合同会社だと3万円浮きます。

③株式会社の方の定款認証
本稿では全く触れませんでしたが、株式会社を作る場合には「定款を公証役場で認証してもらう件」という厄介事が追加で発生します。
面倒なだけでなくお金もかかります。
この面倒事を軽減すべく、法務省さんが動いてくれているようです。
下記サイトをご参照ください。
・法務省サイト

・日本公証人連合会サイト

(8)終わりのことば

起業関連の諸々の手続の中で、割とめんどくさいのが最初の設立登記です。
定款の作り方とかいう中味の話ではなく、「申請書総合ソフト」とか、「電子署名」とかの環境構築が面倒
でも、ここで作った電子署名の環境、あとあと「イータックス」「エルタックス」なんかでも使えます。

心に余裕を持ち、ゆっくりやってください
お菓子でも食べながら。
つまづいたら、私にぼやいてください。
フォロワーさんの悩みであれば、なんなりとお付き合いします。

今回も、長々お付き合いいただき、ありがとうございました。

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