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薬師寺花会式 薬師如来様のお名前を呼ぶこと

薬師寺の花会式。

お昼間の法要に伺うと、花会式とは知らずに訪れた観光客の方も多くいらして、金堂の中は人でいっぱいになります。

入る場所、出る場所が決まっているので、係の人が立っているのですが、たまたま僧侶の方が誘導係になっていました。

なんとなくその周囲をうろうろしていると、誰にも声掛けしていない時、その僧侶の方は中で唱えられているお経と同じ文句を口ずさんでいたのです。


薬師如来様は、薬師如来さまとなられる時、12の願いを掲げたといいます。

人々が飢えないように、乾かないように。命ある限り精一杯生きられるように。そして薬師如来という名前を聞いたものはもれなく病気が取り除かれ救われるように。

花会式の法要の時は、扉を開け放していらっしゃるのですが、これは「薬師如来」というお名前を周囲に、世界に聞こえるようにしているのではないかと個人的に思っています。

行をしているお坊さんだけでなく、すべての人が声に出して薬師如来さまを称えれば、その力はあまねく広まります。

お寺にお参りすると、お姿を見ることが主たる目的になりがちですが、そのお名前を呼ぶこと、聞くことにも大きな意味がありそうです。

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