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奈良町とつよつよ女性

奈良町というエリアがあります。

奈良の主要駅・近鉄奈良駅から徒歩で行ける場所で、昔ながらの町家が残り、可愛い雑貨屋さんやカフェなどが沢山あり、細い路地が入り組んでいて散策するのにとてもいい場所です。

2024年2月24日土曜日に、ここを散策するツアーをしたのですが、表向きは奈良町と奈良町のお寺でふだん入れないところをぶらっとする。

裏テーマは「つよつよ女性」です。

奈良町にはその時代、その時代を精一杯生き抜いた女性たちの足跡が多く残り、特に中将姫の伝説が多いところです。

中将姫とは、奈良時代に蓮の繊維で織った極楽浄土の曼荼羅を発願したと伝わる女性です。

当時大きな力を持っていた藤原氏。その一族の娘として生まれ、何不自由ない暮らしをしていましたが、亡くなった母の後妻に入った女性にいじめられて、最終的には殺されそうになり、そこから逃れたのち、極楽浄土に往生することを願います。せめてその様子を一目見たいと願っていたことろ、極楽浄土の阿弥陀如来はその願いを聞き届け、観音様をつかわし、蓮の繊維でもって極楽を描いた曼荼羅を作ってくれました。

中将姫は極楽浄土を目にして、そして自身も極楽に往生したという物語です。

そしてこの時織られた曼荼羅が當麻寺に残っており、現存最古の綴織曼荼羅として国宝に指定されています。

この中将姫の生家が奈良町にあるということで、奈良町には中将姫の足跡が沢山あるのです。

今でこそ中将姫の物語はそんなにメジャーじゃないですけど、歌舞伎や文楽で繰り返し上演されました。

中将姫だけでなく、奈良町には北条政子の伝説や、名もなき遊女たちなど沢山の女性たちの物語が詰まっています。

どの時代も女性にとって過酷なことが多かったでしょうから、境遇だけ聞くととても悲しい物語ですけど、でも彼女たちは何かしら自分の目指すところへ向かって逞しく生きて、進んで、死んでいったのです。

奈良は掘れば掘るほど面白い。

ぐっと深堀りして、奈良町の面白さを広げてもらえたらと思います。

またやりますので、ぜひつよつよ女性を探しに奈良町にいらして下さい。



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