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調布市郷土博物館(東京都調布市・京王多摩川駅)

東京都内の郷土博物館めぐりは区内から市へと順調に移行している。その中で調布市の郷土博物館としての機能を有しているのが調布市郷土博物館。多摩川競輪で知られる東京オーヴァル京王閣の最寄である京王多摩川駅から北進して住宅街を歩いて行くと突如として現れてくる。

入口からさっそく出迎えるのが新選組の局長である近藤勇の坐像。新選組というと多くの隊士が日野出身で、日野市では隊士にまつわるミュージアムも多数あるのだけれど、近藤勇の出身地はこちらの調布ということもあって、調布市では近藤勇を全面に押して紹介している。なお各展示は子供向けを意識してなのかキャプションが丁寧なのも特徴的である。

局長 怖そうである

常設展示室は2階。土器と石棒と板碑という郷土博物館おなじみのアイテムが出揃っているのは安心である。旧石器時代に始まり、縄文弥生を経て古代まで歴史順に展示されている。下布田遺跡というのが調布市を代表する遺跡である。奈良時代には仏教の伝播によって寺社が多く建てられ、調布エリアの代表的な寺院である深大寺はこの時期に建立されている。つづいて中世になれば五街道のうち甲州道中の宿場町となったが、実際には甲州道中は人の往来がそう多くなかったという。

2階の常設展示室

展示室の中央には近藤勇の生家である宮川家の模型がある。宮川家の三男として生まれ、15歳で近藤家の養子となり試衛館へ入った勇は、そこで土方歳三や沖田総司、山南敬助ら多くの戦友と出会い、やがて訪れる幕末の動乱の中で彼らと共に強烈な光を放って行くこととなる。ただしこの生家は調布飛行場の建設によって破却されており現在は産湯を使った井戸と神社が残っているのみである。

今は残っていない さびしい

展示室の中で特に目を引くのは海保オルガンだろうか。日本に現存しているのはここを含めて3台しかないという貴重なオルガンだそうで、稀に演奏会も開かれているという。他にも昭和初期の一般家庭を再現したジオラマがあったりと楽しめる要素は一通り揃っているため割とスタンダードな郷土博物館と言える。トイレはウォシュレット式。

動くんだぜこれ


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