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NTT技術史料館(東京都武蔵野市・東伏見駅)

NTTに関連するミュージアムといえば、東京オペラシティ内にあるICCと両国のNTTドコモ歴史展示スクエアが知られているところ。エンタテインメント色の強いICCに対し、NTTドコモ歴史展示スクエアはNTTドコモの携帯電話に特化し、歴代の携帯電話が展示されているという博物館である。ではNTTの歴史や技術を紹介するミュージアムはないのか、という当然の疑問に答えられる施設がこのNTT技術史料館である。

NTTドコモだけでなくNTTグループ全体の歴史をはじめ、その技術を網羅している科学技術館で、同業他社でいえば多摩センターのKDDIミュージアムがその形態に近いと言える。国内における通信分野を担ってきたNTTの歴史を紐解くことで現代につながる通信の歴史を垣間見ることができる。入り口で可愛いロボットSotaがお出迎え。声がおじさん。導入部からモールス電信初号機、銀座最後の電柱、丹頂型公衆電話ボックスなど歴史的な展示物が並ぶ。

歴史的な遺構が残されている

順路は地下1階の1800年台半ば、ペリーによって日本にもたらされた電信機から、NTTの前身となる日本電信電話公社が発足するまでの電気通信事業の夜明けに始まり、その後の戦後復興と経済成長に合わせて発展したサービスへと続き、1階の高度成長期における技術革新、2階でデジタル技術とマルチメディア、3階で試験衛星のモデル展示といったふうに時代の変遷を紹介しており、人々のニーズに合わせたNTTの発展を知ることができる。

電話の歴史が学べるよ

さらに1階から3階までは技術面におけるかなり専門的な技術の紹介をしている。歴史の展示は一般でもある程度わかりやすいものであるのに比べ、正直なところ技術の展示に関しては専門的な知識が要求される場所でもあるかもしれない。基本的に平日しか開館しておらず週末や祝日は休館日となっていることからもそれは窺えて、どちらかというと企業の専門職に向けた展示紹介と言える。素人が見てもはっきりいって圧倒されるばかり。ノード、オペレーション、トランスミッション、ファシリティ、アクセス系システムといったあたりで既に雲行きは怪しく、VAD法、DIPSといった専門用語には戸惑うしかない。

ここら辺を見ると安心する

とは言いながらも今回は年間に4回だけある公開展示ともあって、そういった専門職だけでなく一般にも解放されている日。見学者には親子連れもちらほらと見受けられ、館の方でもスタンプラリーやクイズなど、一般向けのレクレーションを開催していて実は時間たっぷりに楽しめるようにしている。トイレはウォシュレット式。ちなみにアンケートに答えるとオリジナルの卓上電話機ペーパークラフトがもらえる。組み立てまで大人で80分かかるらしい。それは苦行。

通信好きなら1日中いられるボリュームである 資料の数が圧倒的


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