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Kawasaki Robostage(東京都港区・東京テレポート駅)

お台場エリアというとフジテレビをはじめとして多くのテーマパークが立ち並んだレジャー目的のエリアとしてよく知られている。時間の読みを間違えればどこも行列に巻き込まれるという覚悟も必要になるほど、魅力的なコンテンツが多くあると考えられるだろう。しかしテーマパークだけに捉われていると大事なものを見失う、ということでここはテーマパークに目もくれずミュージアムに行こうじゃないか、とデックス東京ビーチの真向かいにあるトレードピアお台場1階にあるKawasaki Robostageを訪問。

その名称から想像できるように川崎重工業株式会社のロボットビジネスセンターが主催しているロボットのショールームとして、川崎重工が持つロボット分野の最先端技術を紹介している施設である。なんだかんだでミュージアムというよりもエンタテインメント施設に近いかもしれない。陸海空はもとより深海や宇宙へとそのフィールドを広げている川崎重工業の最新鋭のロボットを体感できる。

もはやSFの世界

川崎重工業という社名の由来となったのは創業者である川崎正蔵から取られている。江戸時代の薩摩藩で生まれ、長崎へ出て貿易に従事した経験をもって大阪で貿易商を営み巨益を得た川崎は早くから郵便航路の必要性を考え、やがて念願であった造船所として1878年に東京で川崎築地造船所を開設した。これがのちの川崎重工業へと発展することになる。明治時代の当時、日本の美術品が海外へ流出する事態が発生していたことを受け、それを防ぐ想いで美術品を収集しやがて日本初の私設美術館である川崎美術館を設立するが、最終的にこのコレクションの多くは川崎の死後に金融恐慌で川崎家が危機に陥った際に売却されている。

VR体験もできる

川崎重工業は1968年に国産初となる産業用ロボットである川崎ユニメート2000を生産した企業で、自動車の生産ラインにこのユニメートを導入したことによって「きつい・きたない・きけん」の3K労働を担うことで日本の自動車業界は爆発的な発展を遂げたとされる。もちろん危険がつきものであるこうした産業用ロボットだが、次第に国内でのロボットのあり方が3K労働を補うことから人手不足を補うことへとシフトして行く中で、人間と同じライン上に並んで安全柵なしで働ける協働ロボットduAroを開発、これからの産業の発展に期待できる戦力となっている。

duAroは絵も描ける優れもの

会場ではこのduAroによる似顔絵コーナーや、ROBORIDEというVR映像とロボットアームの動きを融合した体験型アトラクションができるほか、医療向けロボットのMC004NやMS005Nの動作の見学、東京大学と合同で研究開発をおこなっているヒューマノイドロボットのKaleidoの実物を見ることもできる。行列必須のお台場エリアにおいてスムースに楽しめる貴重な施設である。トイレはなし。

ずっと見とれちゃうロボットの動き


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