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「へぇイギリスで生まれ育ったんだ。良いな。海外旅行行くと全てが美味しいね」というジョーク

1か月ほど日本に戻っていた。
やはり日本は食べ物が美味しい。
特にイギリスに1年滞在してから日本に戻ると、より一層感じる。

イギリスジョークを思いついた。
「へぇーイギリスで生まれ育ったんだ。良いな。海外旅行行くと全てが美味しいね」
イギリス人との会話で使えるかもしれないが、相手を選ばないとちょっとあぶない。

イギリスは不味い国とよくいわれる。
確かに不味い。美味しいお店もあるが、全体的なレベルで言うと、壊滅的といえる。日本ではどこでも基本美味い”街の中華料理屋さん”も、イギリスの”街の中華料理屋さん”は、なぜか美味くなくなる節がある。

聞いたところによると、20年前や30年前に比べればイギリスの味は良くなったらしい。果たしてイギリス料理が美味しくなったのか、それとも色々な国籍の料理が食べられるようになったから美味しくなったのかは分からないが、もしそうならば、逆に30年前を食べてみたい。しかし時代を遡れないので残念だ。もはやレシピ云々の話ではない気がする。

イギリスは日本と同じ島国。距離的には離れているが、両国ともユーラシア大陸を挟んでいる点は同じ。だからこそ、ここまで食レベルに差が開いているのは面白い。

どうやら一説によると、土壌的な部分が根本的にわるいため、イギリスの地では豊かな農作物がとれず、そのせいで長い歴史の中で食に疎い国民が生まれ、今でもそれが続いているといわれている。

今イギリスにいるので、ユーラシア大陸を西から東へ横断し、日本まで旅したいと思っているが、もしかしたら東に行けば行くほど、その道程で食のレベルが上がっていき、美味しく感じるのだろうか。

でもドーバー海峡を渡ればそこはもうフランス。いわゆるフレンチな料理は興味ないが、クロワッサンやバゲットや各種スイーツなど一つ一つのものはとても美味しいことだろう。
また、ぼくはビール飲みではないしジャガイモジャガイモした料理にも興味はないのでドイツの飲食文化には大して惹かれないが、スイスではチョコレートやチーズ、イタリアではスパゲッティやティラミスやラザニアやピザなどの美味しい夢が見られる。イタリアはパッと思いつくだけでもこれだけの独自の料理を生み出している国。イギリスはフィッシュアンドチップスのカタカナ12文字1料理で終わる。またソレ自体も中々のものだ。イギリスには他にも伝統的な料理があることは1年いたので知ってはいるが、書きたいという気持ちにはならない。


ぼくは幸運にも日本という地で生まれたので、美味しい料理を食べてくることができたが、逆に海外に行った際に、食で苦労する。そんな日本人は多いはずだ。
かといって、イギリスの地で生まれて、食にこだわらないように育ち、逆に海外に行くと美味しいものだらけ!、の方が良いかと問われると、それは違うと考えてしまう。基準値が低いことで幸福感を得られやすくなったとしても、もはや美味しいものを知っているので、イギリスの地で生まれたいとは思うのは難しい。
他の国の人はどう思うのだろうか。

食に対する意識は、生まれ育った環境が大きいと思う。
何をもって美味しいかと感じるのは、人によって違う。
食は科学だともいわれるが、それならイギリスこそなぜ食文化が発展しなかったのか。


分からないので、今からアジア系の食品のお店に行って、納豆でも買ってきて食べながら考えよう。

30年前のロンドンでは、納豆を手に入れることはできたのだろうか。
そういう意味でありがたい時代に生まれたのは確かだ。

小泉成文

大好きな横浜名物シウマイ弁当を食べる時、人生であと何回食べられるんだろう。。と考えます