「塩造りマイスター」(天日干し塩)

1月2日、黒潮町佐賀上灘山で奥さんと塩造りをしている浜田哲男さん(69歳)を山中の仕事場に訪ねた。

浜田さんは、54歳の時、入院し、体力の衰えを感じて、土方から塩造りマイスターに転じた。セルフメイドの設備に「2000万かかったが、人に頼めば3000万はかかったやろ。しかし、操業が遅れたので、どっちが賢かったかは、わからん」と言う。

「今年は、太陽の照る日が少なかったので、生産量は例年になく少なかった。需要に供給が追いつかない。異常気象で、予定を立てにくい時代になったな」と語った。

帰り際に「1袋買わせてください」と言うと、浜田さんは、「やる!」と言った。言い出したら聞かない「いごっそう」と見たので、ありがたくいただくことにした。お礼に成川自然農園の卵を1パック(10個)差し上げた。とても喜んでくださった。

軽トラで海から運び上げた海水は、塩分濃度3%。まず地下の水槽に貯蔵しておく。

3%の海水を水槽からポンプで吸い上げて、ここで循環させつつ太陽光に当て、18%の濃度まで高める。

18%まで濃度を高めた海水をポンプでくみ上げ、このタンクに貯蔵する。

落差を利用して、18%の海水をタンクからここに導き、ここで30%にまで濃度を高める。

洗濯機の脱水機能を利用して、30%の濃度の海水を塩と「にがり」に分離する。浜田さんの後ろのプラスチックのタンクは、「にがり」を貯蔵するためのものである。「にがり」も商品なのである。

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