父へ

先程弟から着信があって起こされた。

「さっき病院から連絡あって親父が亡くなった」

そうか。

1年前の5月5日子供の日。

まだ世間はコロナで行動制限もあったりで、ゴールデンウィークは兄弟だれも実家に帰省はしていなかった。

5月5日の朝に母親から連絡で親父が倒れて急遽搬送されて意識不明だと。

実家の駐車場の屋根の掃除をしようと屋根に登っている時に倒れて屋根から落ちたと。

落ちた衝動で脳に損傷を受けたのと、倒れる要因になったものとが合わさり集中治療室に入ることになった。

結果、兄弟全員がその日に実家で集まる事になった。
ふと、子供の日に子供たちを集めるのに何こんな事になってるんだよと。

結局意識が戻る事なく1年が経ち、今年のゴールデンウィークは帰省して家族が揃い、コロナも明けて、1日2人と言う制限もあるけど父親と面会が出来た。

酸素注入され呼吸は落ち着いているけど、痩せた父親を見ても、この父親だから一度は意識戻って喋ってくれるのではと言う淡い期待を抱いてはいた。

ただ冷静に意識不明になって約1年ちょっとの間、生命を繋ぎ止めた父親はやっぱり強かった。自分の知ってる強い父親の姿が意識不明の中でも戦って生命を繋ぎ止めたという事は紛れもない事実だ。

この一年は何かと家族のこと、これまでの父親と過ごした事など色々考える1年だった。
これがもしかしたら親父から子供たちへの最後のメッセージだったのかもしれない。

男は強くあれ。常に母親を大切にして守ってあげろ。男は母親が亡くなる時以外涙流すな。

そんな事を子供の頃から言っていた父。

この一年戦う姿、強さ見せてもらったよ。

最後まで強い父親であってくれてありがとう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?