諦めたらそこで試合終了なのよ
THE FIRST SLAM DUNKを観てきたので、早速感想を書いていく。
前情報、ネタバレ一切無し
観に行ったパートナーや知人がSNSなどで、めちゃくちゃ良かったと言っているのを聞いたのみだった。
ちなみにスラムダンクは漫画もアニメも通っていますが、かなり昔の話なので、うろ覚えだ。(わたしみたいなこういう人のことを、うろ覚え勢と表記しよう)
これから観に行く人、ネタバレ怖い人は読まないでください。
ネタバレしないでこの興奮を文字にするのは至難の業なので。
あくまで、スラムダンクうろ覚え勢が、THE FIRST SLAM DUNKを見た感想です。スラムダンクガチ勢の皆様からすると失礼な表現も多々あるかもしれませんが、承知おきを。
まず一言。
かっこいいなんてもんじゃない
かっこよかったなんて薄っぺらい言葉では表現し難い。
ああ、この感動をなんて表現したらいいのだろう。
まずわたしは皆に問いたい。
あなたは、かっこいいものを見て涙を流したことはありますか?
美しい、悲しい、嬉しい、、、
このような対象物に涙が溢れたことはあるはず。わたしもそう。
しかし、今回かっこいいという感情で自然と涙が出る不思議な経験だった。
スラムダンクは漫画もアニメも通ってきたが、私はバスケを学校の体育の授業でしか経験ないので、ちょいちょい出てくる用語なんかもようわからん。
あの時の花道の決死のダンクがなんで無効になったのかも全然わからん。
バスケやったことがない人間でも、これだけ感動するんだから、バスケ好きがみたら失神するんじゃないか?ってくらいの「かっこいい」を、バスケット✖︎山王✖︎湘北というフィルターを通して表現していると思った。
まず、りょーちんが主人公なんよ。
スラムダンクでいうと、花道、流川、三井、ゴリの次に目立つ存在だったし、幼少期ストーリーも語られてたかな?ってくらいの存在。
スラムダンクわかってる風の人が一番推してたのも、りょーちんだったような気がする(失礼)
※大体こういう人ってミッチーとかルカワ好きな人をミーハー呼ばわりする
背が低くてピアスして野菜みたいな髪型しててたしかマネージャーのあやこさんとラブになってたよなぁ〜くらいの記憶しかなかった。
そのりょーちんが、今回大優勝してる。
この映画のストーリーが、原作にもあったとしたら、人気ランキングはルカワとかミッチーを抜いてダントツ一位になってるでしょってくらい。
最初にりょーちんの兄「そうちゃん」が水難事故で亡くなる描写。
「もう一生帰ってくんな」大好きなはずの兄にかけた最後の言葉を後悔するりょーちん。
お母さんのために、そうちゃんの代わりになろうとするりょーちんと、そうちゃんの遺品を捨てて前に進もうとするお母さんの葛藤。
このストーリーが、視聴者の「りょーちんを応援したいっ!!」という心に火をつける。
今回の山王戦。
前半圧倒的な強さを見せつけられながらもなんとか互角にもちこむのだが、湘北レギュラーメンバーは試合中に、心のブロックを抱えていた。
(但し花道を除く)
後半からゴリもミッチーもルカワも動きが全部読まれおり、りょーちんはマークされたりと、速さ、高さ、瞬発力、センス共に圧倒的な壁のようにたち憚るのだ。
わたし、だいぶストーリーを忘れていたので、序盤にこのやまおう戦(←)は一旦負けるんだったっけ?って思いながら見ていた。(全国のスラムダンクガチ勢の皆様すみません)
確か漫画だと山王戦の後はあっさり負けた、みたいなストーリーだったと思ったので、そのあっさり負けたやつをフォーカスしていて、ここはサラッと終わって次の試合を描くのかな?とか思ってた。(全国のスラムダンクガチ勢の皆様すみません)
かなりうろ覚え勢だ。
うろ覚え勢は絶対、山王強すぎるからここは一旦負けるんかな?思っていたと思う。(全国のスラムダンクガチ勢の皆様すみません)
何度も見ているガチ勢ですら、もしかして今回は完全なオリジナルストーリーで、山王戦に敗れるルートを描くんじゃ?と視聴者に思わせるくらい、山王は本当に強かったってこと。
なにかすごいかって、バスケのことようわからんわたしですら、山王の9番はまじでバケモノだというのが伝わってきたからね。
こいつは将来NBAいって黒人たちの中でプレイする人材だわ。
と、バスケわからんなりに思ったからね。←ラスト本当にそうなってた
山王全員謎の丸刈りと角刈りの中間みたいな髪型(おそろ)だったけど、9番だけはあの髪型でもイケメンだったし。(失礼)
見ていて思ったのが、花道と安西先生のマインドは近いんだなぁってこと。70対36点くらいまで離されてた時にも、花道と安西先生は勝てるって思ってるの。
そこの二人が通じ合ってるのがすごくて。鳥肌立つ。
花道が安西監督にふつーに「オヤジ」って呼んでるのがウケるし(笑)
「おいオヤジが活躍した栄光はいつだ?俺は今だ」
ってところしびれたなぁ。
花道はいつでも、いまここなの。
恐怖が1ミリもないところがすごいの。
一番下っ端でバスケ初めて4ヶ月でルールも分かってないのに、「天才がいるからこのチームは大丈夫」って本気で思ってるの。
安西先生は花道の「マインド」を買っているんじゃないかな、そう思った。
そして湘北レギュラーメンバーたちも肌ではそれをわかっている。
みんなバスケの才能があるけど、花道にはなれないから。
あきらめたらそこで試合終了ですよ
安西先生の名台詞にもあるけど、スポーツは気持ちが負けたらそこで試合終了。気持ちで勝つことがだいじよね。
わたしも中学校の時女子バレー部だったので、すごいわかる。
大幅な点差で勝っていると、心に余裕と言う名の「隙」ができて、そこを敵に突かれて、びっくりして、心がぽきっと折れると、トントンと点を返されて、逆転されて負ける、みたいなこともよくあった。
しかし山王には、そういった「隙」もなかったように見えた。
勝っていても山王の監督は作戦の手を緩めなかった。
本当に強いチームだ。敵なのに、敬意を払いたくなるんです。
花道は感覚で動いていて、「計算」を一切していない。
でも頭がいい。
読解力と吸収力が自然と備わっていて、安西先生がぽつりと発する一言を何十倍のエネルギーにして返すという特殊能力があるのだ。
序盤の会場は山王の圧倒的な強さ、応援の統一感に巻き込まれ、山王を応援している。もう湘北に勝ち目はないから次の試合の話までし出す。
周りの雰囲気に巻き込まれ、湘北はアウェーのやりずらい会場でバスケをやらなければならなかった。
体力は消耗し、意気消沈する。点はどんどん開いていく。
そこには「絶望」の二文字しかなかった。
その絶望エネルギーにメスを入れたのは、桜木花道だ。
退場ギリギリのことをするし、会場もブーイングなんだけど、これが後々ボディブローのように効いてくるんだなぁ。数分後には会場全員が湘北のファンになってるから驚きだ。
人は自分の想像の範囲を超える出来事に感動するのだ。
強いチームが試合に勝つ。
これは普通のことだ。
山王が勝つだろうな〜と思っていて、想像の範囲で勝つ。
特に感動は起こらない。
あの選手がすごかったよね
とか、あの時のファインプレーはすごい
とかたかだかそういう話だろう。
しかし、自分が弱いと思っていて、赤い髪のヤンキーみたいなやつはハチャメチャやってて、このチーム弱いくせにやべーやついる最悪って思って見下していたチームが、
後半30点くらいの差をみるみる縮めていって、
10点差になり、6点差になっていくたびに、
「えっ、勝てるかもしれない?」
「やるじゃん湘北、ちょっと見直した」
「せっかくならこのまま逆転してほしい」
というマインドに変化するのである。
想像の範囲の沸点を超えると、人は感動し、興奮しだすのだ。
ここですごいのは、さんざんこの後の結果がどうなるかわかっている(うろ覚え勢を除く)全国スラムダンクガチ勢の皆様の想像を超えてきた、ということだ。
りょーちんのオリジナルストーリーを挟み込んだり、
各メンバーの心のブロックをわかりやすく表現したり、
あの名シーンの何秒間かを完全無音にしたり、
数えきれない細かい仕掛けと、ファンが唸るファインプレーの数々。
りょーちんのお兄ちゃんが立ちたかった舞台で、りょーちんが活躍し、しかも勝つ。お兄ちゃんと一緒に掴んだ勝利。
これはもう途中から涙腺崩壊ですわね。(←ずっと泣いてた)
山王が負けた後の描写にも泣いた。
無敗だったからね。初めて負けたんですよ。しかも絶対勝てるって思っていた相手に。
でも「負けたという経験」が彼らを強くするだろう(←誰?)
山王9番の沢北くんが初詣で「今までにない経験をさせてください」と願っていた。
今までにない経験=負ける経験
彼はハッとしていた。
大丈夫、君はNBAに行ける逸材だから。強くなれよ
と、彼にエールを送った(←誰?)
今何かに負けそうな人や、無理かもっていう壁に直面している人にも響きそうな内容でした。
原作はもちろん、今回の映画の監督・脚本も井上雄彦先生。
スラムダンクを一番愛している人が作った最高傑作なのではないでしょうか。スラムダンクへの愛がたくさんたくさん詰まった作品です。
まだ観てないのについつい最後まで読んでしまった・・・
という方は今すぐ劇場に足をお運びください!(←誰)
という感じでTHE FIRST SLAM DUNKの感想をお送りしました。
ぜひみなさんの感想もコメント欄で教えてください(長文大歓迎)
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