ユーザーが求めるリアルなコンテンツとは?

Web業界には2種類のウソつきがいます。

ステマ詐欺とコピペ詐欺です。

ステマ詐欺

ステマとは、商品やサービスの広告を記事スタイルにして、広告である旨を表示しないステルスマーケティングの略称です。ユーザーはそのメディアが好きになって信頼するからこそ、ファンになって記事を読んでくれるわけですが、そのユーザーの信頼を担保に、商品やサービスを広告と明示しないでこっそり売り込む行為です。これは企業にお金をもらっていながら、公平さや客観性・中立性を保ったかのようにその商品・サービスの提灯記事を書くわけですから、お金をもらってユーザーを騙す、詐欺行為です。

ステマは倫理的・法的に問題があるから良くない、というだけではなく、それ以上にコンテンツに対するユーザーの信頼を失う行為なので、ステマ詐欺はその代償が高くつくことを覚悟すべきでしょう。短期的に騙すことができても、長期的には企業にもメディアにも何もメリットを生まない自滅行為です。

昨年は心ないPR会社が営業資料にステマをやる旨、堂々と明記していたことが発覚して騒ぎになりましたが、このようなステマを推奨する企業やPR会社・広告代理店が蔓延ると、ユーザーはますますどのコンテンツを信じればいいのかわからなくなり、コンテンツへの信頼は失われていくしかないのです。

コピペ詐欺

コンテンツ作成において「質」ではなく「量」を重視している企業は、往々にしてコピペして寄せ集めた二次情報に頼りがちになります。すると同じ業界・同じジャンルで同じような記事が氾濫することになります。これはユーザーが本当にほしい情報を探しても、根拠や信頼性に乏しいコンテンツしか見つからない、という状況を招きます。このコピペ詐欺をしたがる企業の関心は、googleの検索でいかに上位表示され、いかに集客するかということに向いていて、決してユーザーのためという視点には立ってはいないのです。

このようにユーザーの利益をおざなりにするコンテンツを粗製濫造する企業は、やがて情報発信をする自身にダメージを与え、コンテンツへの信頼を失っていく道しか残っていないのです。

大海原のgoogleと生簀のinstagram

3月に開催されたイベント「B Dash Camp 2016 Spring in Fukuoka」で、人気インスタグラマーのGENKINGの「GoogleはSEO対策されていてリアルじゃない」という発言が話題になりましたが、ネットユーザーの間ではそういう空気を感じている人が多いのかもしれません。もちろん、GENKINGが「instagramでもステマの誘いがあった」と言うように、instagramにもステマ詐欺やコピペ詐欺はいるのでしょうが、まだ絶対数が少なく、リアルな体験を求める若いユーザーの多くが、googleの検索結果をあてにしなくなってきているという現実は直視すべきでしょう。 

googleが膨大な情報にあふれた未知の大海原だとすれば、instagramは純度と濃度が高い生簀、あるいはモールやテーマパークのようなプラットフォームだとも言えます。もちろん、instagramがgoogleの代替となっているわけではありません。そもそも利用する目的が違うので、若いユーザーがgoogleを利用する機会がない、あるいはその必要がないと感じているだけとも言えます。 

ただ、googleの検索機能は日々進化をしているとはいえ、ステマ記事や根拠や信頼性に欠けるコピペの二次情報が増え続ける限り、純度と濃度の高いリアルなコンテンツを求めるユーザーのgoogle離れは加速していくに違いありません。

instagramも若いユーザーが集まる市場となった時点で、ステマ詐欺やコピペ詐欺によって一気に粗製濫造された薄っぺらいコンテンツで埋まる可能性は十分あるのです。プラットフォームの違いで、利用するユーザーが異なるのは当然です。しかし、そのプラットフォームが大海原であろうと生簀であろうと、求めていない魚しか釣れないのであればユーザーは離れていってしまいます。GENKINGが「GoogleはSEO対策されていてリアルじゃない」と言う肌感覚は無視できないのです。

企業が生き残るためには、小手先のSEO対策やコピペ記事の大量生産、ステマに頼るのではなく、ユーザー視点のリアルなコンテンツを地道かつ真摯に発信していくしかないのです。

リアルなコンテンツとは?

では、リアルなコンテンツとは何でしょう? ステマ詐欺とコピペ詐欺が介在しないことはもちろんですが、それは「コンテンツの質の計り方」でも指摘したオリジナル(自分の足を使って書く)とオピニオン(自分の専門分野を独自の切り口で書く)のコンテンツと言っていいでしょう。そして、ユーザーの役に立ち、楽しめて、共感でき、ユーザーが自分ゴト化できるオンリーワンなコンテンツであることです。

かつてブログの黎明期、眞鍋かをりが「ブログの女王」と呼ばれ、彼女のブログがほかのアイドルやタレントと一線を画して人気を得たのは、多くのタレントが仕事のプロモーションに終始していたのに対し、眞鍋かをりはリアルな日常を赤裸々に綴った点に尽きます。ユーザーは遠い世界に住むはずのアイドル(偶像)の素顔を見ることで身近に感じ、まるで隣にいるような親近感を覚えたのです。ブログの登場はテレビに依存するしかなかったタレント活動のあり方までをも変えました。

最近ではブログに代わってinstagramを活用するタレントが増えていますが、中でも人気の高いタレントといえば渡辺直美木下優樹菜ローラなどが有名です。

彼女たちはみな、テレビとは違ったイメージをセルフプロデュースし、新たなマーケティング戦略を展開しています。前出のGENKINGが「1枚の写真を投稿するのに800枚の写真を撮る」と語っているように、ユーザーは発信者の「熱意」「真摯さ」「正直さ」「本気度」「高品質」に心を動かされ、共感し、ファンになってくれるのです。

眞鍋かをりや渡辺直美、木下優樹菜、ローラがユーザーに届けるコンテンツは、まさに「オリジナル」と「オピニオン」を包括したリアルなコンテンツなのです。,

人気タレントですら、オリジナリティに欠けるおざなりのコンテンツを発信しているだけでは、ファンはついてきません。そこには「コンテンツの大量生産」でSEO対策をする発想はありません。企業がコピペで集めた二次情報を大量生産して、仮にSEO的に効果を出して集客ができたとしても、そこからユーザーがファン化することはないのです。 

(文・成田幸久)

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narita.yukihisa@gmail.com


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