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哲学教室 [小学生の部] (5月14日実施)

ナラナラ・スクール事務局の矢口ゆりです。
各教室の様子を個人的な感想と共にお伝えします。

https://narranarra-school.myportfolio.com/


5月14日(日)に哲学教室(小学生の部)を実施しました。
世界中で読み親しまれている『ガリバー旅行記』(ジョナサン・スウィフト 作、柴田元幸 訳)を読みながら、自由に語り合う教室です。


◉『ガリバー旅行記』第2部のまとめ、第3部第2章までの内容等
5/14に確認した内容:
・スウィフトは作家であり、言葉の魔術師のような天才的詩人でもあった
・先日亡くなった坂本龍一は日本を代表する作曲家
・ピアノ音楽は右利き用に作られているが、スウィフトと同時代人のバッハは両手が同量活躍する曲を作っており、左利きの坂本龍一はバッハの曲に自由を感じ、音楽家の道に進んだ
・ブロブディングナグ国に軍隊はあるが、爆弾は持っていない
・人類が火薬を用いて世界を支配していくことが如何に馬鹿げているかということを、『ガリバー旅行記』が発行された17、18世紀の時点でスウィフトは訴えており、実際に人類はその方向に向かってしまっている
・宮崎駿の『天空の城ラピュタ』と『ガリバー旅行記』には多くの類似点がある

語り合った内容、意見等:
・大人になると楽しく様々に言葉遊びができる感覚がなくなってしまうのは何故か
・詩人の持つ才能の一つに駄洒落がある
・国語が一番重要な科目であると言われており、国語ができなくなると他教科も成績が下がる
・国語ができるようになると駄洒落ができなくなる、頭が固くなってしまう
・今のうちに駄洒落をたくさん作って欲しい
・人類は進歩しているのか
・世界を変えた武器として挙げられるものは何か、原始時代の武器は何か
・火薬が発明された後で世界は変わったと言われている

次回実施予定日:5月18日(木)




ここからは私の個人的な感想をお伝えしますね。

最初に、参加者さんが自作の詩を朗読してくださいました。
巧みに言葉遊びを取り入れておられて、絶妙な音の響きと言葉選びのセンスが素晴らしかったです。
楽しく言葉で遊べる感覚が大人になるとなくなってしまう、という中村の発言に大きく頷いてしまいました。
掛詞のような同音異義語による言葉遊びなのに、駄洒落には若干マイナスイメージが伴うのは何故なのでしょうね。
参加者さんの仰る通り、駄洒落は親父ギャグの代名詞的存在になってしまっているような気がします。
頭の回転が早く柔軟だからこそ駄洒落を生み出せる、それは才能豊かな証拠だと思うのですが、マイナスイメージの理由は駄洒落の内容にあるのでしょうか。

中村が挿絵を提示し、前回の内容を振り返りながら進行していきました。
甲冑を装備したブロブディングナグ兵の挿絵に、参加者さんが「兜の形が違うけど、武田信玄みたい」と発言されていました。
「世界を変えた兵器は何か」という中村の質問に対しても、参加者さんが次々と回答されていました。
弓、火薬、大砲、火縄銃、機関銃、毒ガス、アサルトライフル、戦車、飛行機(戦闘機)、原子爆弾…
世界にはこれだけたくさんの兵器があるということですよね。
少し考えてしまいます。

後半では、今後読み進めていく第3部の内容について中村が紹介していました。
宮崎駿の『天空の城ラピュタ』との類似点を説明していましたが、ロボットの目の位置やラピュタの構造も含めて、宮崎駿がいかに『天空の城ラピュタ』を参考にしていたかについて理解できました。
ガリバーが家族と住んでいた場所についても中村が説明していましたが、宮崎駿がロケハンを行なった場所に限りなく近いという点も驚きでした。
『ガリバー旅行記』を読んだ後で『天空の城ラピュタ』を再度観てみると、また色々な発見があって面白いかもしれないと思いました。

今回も興味深く拝見いたしましたが、参加者さん自作の詩が素敵で特に印象に残りました。
次回の内容も楽しみです。
皆様、お疲れ様でした。

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