こころの梅雨と目の前の梅雨

梅雨入りしたらしい。

今のところ一日中雨の日はほとんどない。それでも、水分がたっぷりと含まれた空気は肌にまとわりつき、心身を少しずつ重くする。

沈みきる前に、外へ出る。
夕方になって出てきた太陽がわたしを照らす。風もわずかに吹いていた。さっきまでの鬱陶しさが、徐々にかたちを変える。

こころに描いていた梅雨と、いま目の前にある梅雨の違いに気づく。

ときどき見せる空の青さ。若葉から成長し深く色づいた木々たち。相変わらずに見える常緑樹も負けじと茂る。

ともすると飲み込まれそうなくらいに枝葉を伸ばす自然が、少し恐ろしかった。隙さえあれば生きようとする自然の姿が美しかった。

こころの梅雨に喰われるな。
季節の波にのって耐えて、蓄えて、味わいなさい。

木々や草花に梅雨の過ごし方を教えてもらった気がする。

20220613 Written by NARUKURU

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