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The Life in Tanauan, Leyte #2

2015.11.06

【小学校でアートワークショップ】

レイテ島のタナワン市の小学校では2日間、ワークショップをやりました。私はアーティストのPaulの助手をしました。3、4年生のクラスを1日に2クラス、午前と午後に分けてクラスを持ちました。朝、Field Trip Project Asiaのメンバーがそれぞれのワークショップの準備をしています。

左はPaul,色つきの粘土をマニラから持ってきました。右、Daisukeは毛糸を一定の感覚で切っています。その前はホテルから学校までを歩きその道のりでいろいろと拾ってきたようです。Daisukeさんの考えは外から持ってきた物質で何かをやらせてあげるのではなく、現地にあるもの、石や、その辺に落ちているものでも何かになる、何かにできる、こんな風な体験をアートを通して生み出すというものです。持続可能な体験をさせ、現地の子供たちがものがない状況でも自信を持てるようにする事が大事だと考えています。この点では、カラフルな粘土を持ってきたPaulやカラフルな毛糸を持ち込んだAzeと違っているようです。もう1人のアーティストJasonは竹細工でワークショップをやるようです。アーティストそれぞれに個性があっておもしろい。私はPaulの助手だったのでここからの記述は粘土のクラスがメインになります。

8時になり、いよいよクラスに向かいます。

Paulがタガログ語で自己紹介。私の紹介もしてくれました。私の名前、Narumiはタガログ語では「汚い」という意味があるので、名前をNamiに変えて紹介してもらいました。笑

みんな、初めて触るカラフルな粘土に喜びながら、自分の好きな形を作っていきます。はじめはPaulや私が作った形を見よう見まねで作っていますが、¥そこからどんどん違うものを想像していってました。タガログ語はわからないけど、「What is this?」と聞くと、恥ずかしがりながら「Cake」とかって答えてくれます。そしてにこにこ。きっと珍しくて私自身にもすごく興味があるのでしょうか、休み時間になるとみんなに取り囲まれ、じっと見られました。みんなかわいいなぁ。目があうと、ちょっと恥ずかしがりながらこんなふうに笑います。

校舎はまだまだ建設中で、授業の後ろでお兄さんがコンクリートを作っていました。(下の写真。)よく見ると先生の机も、ありあわせの木で作られていました。ものがないなかで進もうとしている被災地。

クラスの後半は創ったものの中でお気に入りのひとつだけ残してカラフルな粘土を回収します。次のクラスでも使うためにまた同じ色同士で集めます。このクラスのテーマ、Paulが伝えたいメッセージのひとつが「Helping and Shearing」でした。1人1個かならず絵の具道具を持ってる小学校でどれくらいあるんだろう。大学まで教育費0円のスウェーデンでは、教育費の節約のため、1人1人の絵の具道具を買うとかリコーダーを買うとかということがなくて、それを初めて知ったときにびっくりしたのを覚えています。日本では買って持ってるのが普通だけど、冷静に考えて、本当にそんなに必要なんだろうか。ー

ピンクで塗られた教卓も、よく見るとありあわせの木で手作りしたもの。

あと、ひとつ気がついたこと、次の授業のために黒板を消す、ということはないようです。

クラスの後半では本物の粘土を使って造形をしました。興味津々の子供たち。カラフルな粘土と全く違う、重くて湿っぽい手触りに「おー!!」と叫んだり、遊んだり。

1日目の午後のクラスでは午後の時間にミサが入りました。みんなで学校の教会に行って台風で亡くなった14人の同級生のために祈りました。

カラフルな粘土と本物の粘土とあわせて3時間くらいのクラス。これを4クラスでやって小学校での2日間はあっという間に過ぎて行きました。プロジェクトメンバーのお昼ごはんや休憩の軽食などはすべて学校の先生たちが手作りをしてくださって、本当に幸せでした。下の写真、右奥が校長先生です。

最終日のワークショップが終了した後はほかのメンバーが終わるまで職員室で待っていました。するとみたクラスの子達が来てPaulと私に手紙を持ってきてくれました。ほとんどが2人に向けて書かれたもの。先生がみんなに書いてもらったのでしょう。すごくかわいい!なんか自分何も大したことしてないのに、すごくありがたがれ、好かれて、なんかこちらこそ本当にありがとうって思いました。感動しすぎてぶわーって泣いてしまったら今までにこにこして近寄ってきた子達が困惑して後ずさり、2m先くらいからじっとこっちを見ていました。そこである先生が私は嬉しくて泣いてるんだよ、と説明してくれて,子ども達も安心したみたいです。下の写真、個人的にもらえた手紙!嬉しい!

職員室でプロジェクトメンバーに向けたお礼の会みたいなものが開かれました。そこで先生たちがスライドを流し、台風前と台風後、復興の今をふりかえっていきます。そして、校長先生の感謝の言葉をいただいたあと、子供たちが来て練習をしたダンスを披露してくれました。しかも超かっこいいダンスチューンです。聞くところによると生徒の親御さんの一人が振り付けしなのだとか。すごい!そしてかわいい!

暗くてよく写らなかったけどこんな感じです。

この後は合唱も披露してくれました。みんな、ありがとう!

見守る先生たち。

終わりに差し掛かって先生たちと記念撮影。先生の一人はランドセルアートの展示を見て「私これがすごく好きー!娘がアニメで見てるから知っていたのよ」と言って、展示がなくなるのを本当に惜しがっていました。

片付けている最中にBiancaちゃんという女の子が近寄ってきて「ティーチャーナミ。これ、絵を描いたよ」と言って渡してくれました!それがこれ!こんなに嬉しかったこと久しぶりです。こちらこそ、本当にありがとう。

ホテルに帰った皆さん。満足感と疲労感でいっぱいのようです。Daisukeさんは今回のワークショップはとくによかったと言ってました。まず、受け入れ先の学校、市長までもが暖かく迎えてくれて、協力してくれて本当に最後のグルーブ感は一番良かったと言っていました。(写真、お疲れの皆さん)

最後におまけ写真。バンドを組んでいるというPaulがどうしても歌いたくなり、レストランで歌っていたボーカルに頼んで歌い始めました。そこに便乗するLaya。みなさん本当にお疲れ様です。


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