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ACIDMAN 2nd ALBUM Loop 再現 Tour "re:Loop" @Zepp Nagoya

「深く考える前に行ってしまえ」の精神で、ライブの予定を詰め込みまくった上半期。衝動が落ち着きつつある現在から考えるとよくわからない選択肢ではあるのだけれど、とあるダンスタイムとの兼ね合いにより、大阪ではなく愛知に向かうことになってしまっている。図らずもツアーファイナル。個人的なライブ行脚の旅もここらで一旦締めくくりといった気分だ。

どこからか新譜を追えなくなってしまっているので、良いファンとはとても言い難いのだけれど、こと『Loop』に関しては魂の根っこに突き刺さっているので、付き合いとしてはとても長い。2003年のリリースから20年。ライブ中の大木さんのMCの影響もあってか、「生きたなあ」という感じがする。むしろ随分と生き過ぎてしまっている気さえする。けれど、安心してください。私は今、幸せです。隣の人を呼び止めて言えなかったので、今言っておこう。MCネタはさておき、あの頃に出会ったものを今の視点で再確認できるというのは間違いなく幸福な部類に入る。

浮世研で、「私を構成する42枚」について話した。

なんだか全体的に色味の薄い42枚

42枚の中にはACIDMAN『創』も入れている。浮世研ではaiko『秋、そばにいるよ』、スピッツ『三日月ロック』を音楽的自我の目覚めとして話しているけれど、実は『創』も同じく2002年リリースとなっている。こちらもまた個人的な音楽観への影響は測り知れない。そりゃ『Loop』も魂に刺さろうというものである。ついでに言えば、深夜アニメとの邂逅として何度か挙げている『ちょびっツ』も2002年放送であり、『ちょびっツ』が放送されていた「アニメシャワー」という枠のオープニングを飾っていたのが何を隠そうACIDMAN『赤橙』であるからして、個人史におけるエポックメイキングな出来事が暴れ倒している年なのだった。

だから、こうして真正面から体重を乗せて「再現ツアー」に参加できるのは本当に稀有な機会だと感じている。こちら側にせよ、あちら側にせよ、変わらないものも変わってしまったものも当然ある中で、あの頃の自分と一緒に変わらないものを確かめられている。繰り出される曲に対してはどれも頭よりも先に体が反応していた。参加するライブに対して決まっていつも「予習」が必要な今の自分に代わって、今より遥かに純度高く音楽を吸収していた過去の自分が飛び跳ねている。

『愛を両手に』の「幸せだったかい?」という問いかけを前にして、流れた20年の時に思いを馳せる。昨年末に予見した通りにというか、今年はいろいろな物をずっと清算し続けている。ずっと。だから、この「re:Loop」はそうした自分のテーマに対しても誂えたように必要なものが詰まったライブで、多少無理してでも参加できてよかった。

どうにもならないことはたぶんこの先も絶えないだろうけれど、なんとなく、後悔はしなくて済みそうな気がしている。


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