〜に似てる!/〜ぽい!という言葉は、作家にとって得しかない。

第四回目の記事のタイトルはこちら!
「〜に似てる!/〜ぽい!発言は作家にとって得しかない。」です!

まずはこちらの画像を見てください。


これは、冨樫さんぽさあると言われて喜んでいる私と、
こういうことは気軽につぶやいてくれ!と懇願している私です。
実際私は富樫さんの漫画にかなり影響を受けています。



そう。
この「〜に似ている」「〜っぽい」
こういった発言が、作家である私にとっていかに有意義な情報であるかを
綴っていこうと思います。



まず最初に話しておきたい前提として、
私は言われたくない側の人間でした。

作家の中には小学校〜中学校の時代から絵に目覚めて、
いわゆる美術や漫画アニメetcに精通しない一般的な生徒たちがいるクラスの中で絵を描いていた方も多いのではないでしょうか?

そんな同級生が投げかけてくる何気ない「似てる!」「みたいだね!」「ぽいね!」「〇〇描いてるの?」の一言に傷つく/腹立つ経験をしているのではないかと思います。


ある時は、
「誰描いてるの?わかった!初○ミクでしょ〜!」

緑のロングヘアのオリジナルキャラを描いていたら、必ず言われました。

心の中で、(お前が初○ミクしか知らんだけで、
緑髪のキャラが何人いると思ってんだ……!)と毒づきました。
ちなみに私は初○ミクちゃん大好きです。

オリジナルキャラを描くときは、こんなキャラいなかったんじゃないか!?
と思いながら描いているので、似ているものを上げられるとすごいショックを受けたものです。


またある時は、
「これ、あれだね。〇〇の〇〇ってキャラに似てるね!」

と全く知らない漫画やゲームのキャラクターを上げられて反応に困ったり…

影響を受けていないものすら影響を受けたように決め付けられると、
ムッとしましたね。
それを真似したって言いたいんだな!?って思いました。
不機嫌になってしまって、でもこれくらいで怒るのは良くないという二つの葛藤の末に、「へえ〜〜〜!果たしてそうかな!?」くらいしか答えられませんでした。

今では笑い話です。



何を思って絵を描いているか、それは人によってさまざまですが…

とりわけ、私は小学生時代から
「自分の好きだけを詰め込んだ、自分だけの世界を作りたい」
と思って絵を描いてきました。
それこそが自分の絵の個性だと信じて。

その世界を既存の何者かに「似てる」と言われてしまうということは、
私の個性の崩壊を意味しました…大げさかもしれませんが。


自分の創作を最高だと信じているからこそ描き続けているわけで、
それなりに自信とプライドを持っているので、既存のすでに普及している何かに「似てる/ぽい」と言われた瞬間に自分の創作は一番を失い、
うん番煎じにも下落する…
プライドがズタズタになる感覚を味わう…そして血反吐を吐きながら結局描くということはやめられない。

私を含め私と似たような作家さんがもしいたらば、
彼らはそういう生き物なので、仕方ないんです。


そんな「似てる/ぽい」の発言に傷つく作家のほとんどが
”似てる” の部分にショックを受けてしまいがちですが、



重要なのはそこではありません。

「〇〇に」の部分です。



以下、

受け取る姿勢を変えるだけで、自分にとってどんどんプラスになっていく、

私流・「似てる/ぽい」の受け止め方を紹介します。



↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


◉「〜〜に似てる」「〜〜ぽい」と言われて絶対にするべきこと



体験話をします。

以前私が芸術祭に作品を出した時のことです。

母くらいの世代の女性同士が私の作品を指差して話しているのを発見し、
こっそり聞き耳を立てました。すると、

「あら、ねえ、これ!何だっけ、何かに似てると思わない??」
「あらほんと!何だったかしらね…」

とのやり取りが聞こえてきました。



この時されたやり取りこそが、私が尊敬するイラストレーター、また漫画家でもある江口寿史さんを知るきっかけとなったやり取りです。


「思い出した!ほら、ひばりくんの絵の女の子にそっくり!」
「あ〜〜〜ほんとね〜〜!影響受けたのかしら…」


”ひばりくん” とは一体!?

似てると言われることには結構慣れていたので、言われてももう気にならなくなっていて、それよりも今までに聞いたことのないワード
「ひばりくん」が一体何なのか?
ということへの好奇心の方が勝ったんです。


私は即、携帯でひばりくんを調べ、
「最高の美少女を描くんだ!」と言いながらこの作品と作者をノーマークだった自分のつめの甘さにものすごい衝撃を受けました。


芸祭終わりに図書館で大量に画集を借りて、
食い入るように眺めたものでした。

そのあと特に気に入ったものをコンビニで大量にコピーして、
自分用資料の一つとしてファイリングするに至りました。

顔や、構図や品の良さなど、今でも参考にしている面が多々あります。








また大学が始まってすぐ、
教授に自主制作の美少女の絵を見せに行ったことがあります。
その時に言われた一言が

「なんか、あれだね、桂正和っぽいね。」


桂正和とは!?
ここでも私は話が終わると即、携帯で桂正和を調べ、
あまりに自分好みだったので「電影少女」を買い、
勢いで画集まで買いました。
今も本棚にあります。最高です。










そう、ズバリ何が言いたいかというと、

好きを詰め込んだに等しい自分の作品に触れて

「似てる/ぽい」と言われる瞬間、これは



「自分好みな情報を一番得られるかもしれないタイミング」

なんです。



だから耳慣れない言葉を聞いたら絶対にその言葉「〇〇に」の部分を
一度は調べてみてください。


もしかしたら、
あなたの作風すら変える最高のものに出会えるかもしれません。




つぎに、
◉似ているものに出会って出来る有意義なこと



創作の一環として
私は美少女について研究していますが、日々情報に飢えています。

ある時は美少女俳優を調べたり、
美少女関連の作品に触れたり、
美少女関連の書物を読んだり、

しかしそれも、序盤のうちはしやすいのですが、
美少女を研究したいならこれを知っとけ系のものを見尽くしてからは
自分好みの作品をなかなか見つけるのが難しくなってくるんです。

加えて、どんなに頑張っても自分の視点での調べものなのでは
自分が持っている知識の中でしかものを探すことはできません。

だからこそ

自分以外の客観的な目線で「何に似ているか」を言ってもらえると
自分の知識では探せなかった新しいものに出会えるかもしれないんです。



そして何故私はこうまでして似てるものに触れたいのか?
ということですが、


それは、

「知れば自分の作品の扱い方がわかる」

「知らなければ何とも差別化を図れない」

というのが私の持論だからです。





例えば私が人から
似てる、もしくは作品を見て好きそうだと言われた作家を上げましょう。


「伊藤潤二」
「楳図かずお」
「丸尾末広」
「古屋兎丸」
「山本タカト」


どうでしょうか?
私の絵を好きな人の中にも好きな人は多いと思います。


これらの情報を活かして考えられることをいくつか出すと、


・画集を出版した時、本屋で上記の作家がよく置かれているようなスペースに置いたら効果的かもしれない

・自分の立ち位置はどちらかといえばアンダーグラウンド寄りと推測できる

・彼らの画集のデザインを参考にすれば、自分にあったデザインが作れるかもしれない

・彼らのアプローチを研究し、自分のアプローチの方法としていいとこ取りが出来るかもしれない。

・彼らが受かってるコンペティションがあれば、似てると言われる自分も受かりやすいかもしれない

・彼らが展示しているギャラリーの情報を調べて出展すれば、私の作品を好んでくれるファンを獲得できるかもしれない。

・私の作品がコアな人たちから好かれるとしたら、展示場所はあまり公すぎない方がいいかもしれない

etc様々なことを考えることができます。
ものすごく有意義な情報です。



この上で、彼らに似ていると思われたくないのであれば、
彼らの作品をきちんとチェックした上で
じゃあ私は

・もう少しアンダーグラウンドでない立ち位置が理想的だ
→少し普遍的な世界に寄せ、アンダーグラウンドなモチーフを控えよう。

・もう少し今の若い世代に好んでもらいたい
→顔を今の人にも好まれる造形に少しだけ寄せよう。
→少女に着せる服を今の人でも抵抗のないデザインに落とし込もう。

・人間みのない美しさでありつつ、もう少し健康的な少女を描きたい
→血や、猟奇的な世界観で表現をすることを控えよう。



このように、
その人たちが右に向かっていると分かった上で少しでも左に行く

”あえて違う方向に変えていく”

じゃんけんで言うところの、後出しにも近いかもしれません。



似ているものをまず知っておくからこそ
それは自分のオリジナリティを模索して差別化を図る
材料にもなるんです。




最後に、
◉似た作品の情報は実は意外と得られない。


この、小中高と言われたくない言葉No1だった「似てる/ぽい」
という言葉…
それが今や…


喉から手が出るほど欲しい情報です。


私がこれらの情報を集めようとすると…



・ギャラリーに定期的に何時間か在廊し続けてファンを観察したり、

・作品をRTした人全員のプロフィールに飛んで、逐一確認しに行く。
(バズった日も見れる限り見に行きます。タブがものすごくなって毎回死にそうになります。)

・私の作家名で必ずエゴサーチする(頻度は三日に一度くらいです)

・リプライや、コメント欄を確認する。(毎日です)

・お題箱、質問箱など全文読む
(ほぼ全文、プリントアウトしてファイリング、付箋貼りしてあります)



気が遠くなりますね、一体どのくらい時間と労力を使うんでしょうか。
これくらい動いて初めて2ヶ月に1件…半年に1件見つかるかどうか…?
そのくらいです。


すごく少ないんです。


いや…唯一無二を目指す画家としてむしろ喜ぶべきことでもあると思う…
とても嬉しいです!
しかし本当に少ないんです。



それこそtwitterで「私の好きそうな作品を何か教えて欲しい…!」と
呼びかけても、

もしかしたらもう知ってるかも…?
今更言うのもアレかも…?
もし好きじゃなかったら…?
という気遣いであまりリプライが来ない昨今、


自分以外の第三者が言ってくれる何気ないこの言葉は、
自分にとってものすごく有意義な情報を提供してくれる言葉なんです。




だから作家の皆様
一言一句聞き逃さないようにしてください。
そして知らないものであったら一度調べてください。

それを知ることであなたはたくさんの情報を得られるかもしれない。
その結果飛躍的に成長ができるかもしれないし、
自分がつまづいていた創作への何か解決の糸口が掴めるかもしれない。

実はあなたが知らなかった、
人生を変えるような衝撃を受ける作品が知れるかもしれません…!



どうでしょうか?
「〜に似てる/〜ぽい」発言を受けた作家さんのダメージが
少しでも軽減しつつ、得した〜と思えるようになることを願い、
今回はこの記事を書かせていただきました。




これを読んだら、

似てるって、
ちょっとだけ言われたくなってきませんか…?






もしよかったらこちらも
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

第一回目「コミュ障がデザイン科に進んだら詰みますか?」
第二回目「(雑記)ひたすら少女漫画を避けて生きてきた。」
第三回目「意識しておかないと、欲は死んでいく。」



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細川成美 Narumi Hosokawa
美少女画作家兼、イラストレーター
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細川成美

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コメント5件

ノート拝見しました。
先ず、私が何かを“否定するすもりはないこと”を前提にお読みいただきたいのですが、正直に申しますと、細川さんのような画風の作品は苦手です。

自分でもなぜ苦手なのか分からなくて、これを機に少し考えてみて、浮かんだのは“ビスクドール”や“日本人形”に似ているからかなと思いました。
二次元の静止画ないしは動力源を持たない三次元のものに、魂が宿り自ら動き出しそうな、その感じが“怖い”からです。
そういう意味では肖像画なども怖かったですし、人物の写真やポスターも苦手で、泊まりに行った友人の部屋に芸能人のポスターが貼ってあった時は、その前で着替えるのも恥ずかしかった記憶があります。
振り返ってみると、子供の頃我が家に飾られていた雛人形も苦手でした。
ちなみに、見た目にリアリティを求めていない“可愛い”ものは、怖くないので平気です。

“怖い”と表現してしまいましたが、それは逆に言えばそれくらい美しく、生身の人間に近いからなのであって、それだけ質の高い作品だと言えるとおもいます。
これが答えかは分かりませんが、今のところはそういう結論になりました。
(続きます)
重ねて申しますが、私は美少女画・ビスクドール・日本人形、及びそれを愛する方々を否定するつもりはありません。美しいなと心から思いますし、その美しさを愛する人がいるのは当然だと思っています。どうぞご理解下さい。

それから、HPのトップに書かれていた

男性から見て、
性的に消費する対象でなく、
女性から見て、
男性への反骨でも媚びでもない。
より質の高い
正統派美少女を描く。

というこの言葉はとてもカッコいいなと思いました。

次に、このコラム自体の感想ですが、まさに“目から鱗”でした。
私は歌を歌うことが好きで、歌い方や声が誰かに似ているというのはまさに傷つく言葉第一位でした
だから“こんな捉え方が出来るんだ”とすごく驚いたし、一気に視界が広がったように思います。
今度からは、誰かに似てると言われたら“ありがとう”と言えそうです。

たくさんの気付きを与えて下さってありがとうございました!
また時間のあるときに他のnoteも読ませていただきます。
なるほど。
あなた自分の作品にちょっと構図が似てる作品を見つけると自分から指摘しに行ってましたよね?
今回のノートと少し矛盾していませんか?

それからあなたにとって「〜に似てる」は積極的に言ってほしいワードだそうですが、それを失礼だと感じる人の考え方を否定するのはやめてください。
「〜のパク」「〜のn番煎じ」なんて言われて喜ぶ人って本当にいるんでしょうか?
中には悪意からその言葉をぶつけてくる人もいます。
あなたにとってはプラスに捉えられる言葉なんでしょうけど、他の人もそう考えるべきというのは傲慢がすぎると思います。

あなたが自分とギャラリーの力で今の地位までのし上がったのは素晴らしいことだと思いますが、この頃の成美さんの押し付けがましく偉そうな口ぶりにはあまり好感を持てません。
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