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名品スキンケアブランド「アスタリフト」は写真フィルムの研究から誕生した?🤔 最強エイジングケア技術の開発ストーリーがすごい!

こんにちは!テクニカルディレクターが集まり、テクニカルディレクションを提供するベースドラムのテックプロマネ、naruminです。
私は趣味として美容がとてもとてもすごく好きです。
美容業界では最新のテクノロジーが様々なかたちでサービス・プロダクト化されています。そんな日々成長する美容テックについて発信したい!と思い、noteに向かって筆を取りました。
今回は富士フィルムの最強エイジングケア化粧品「アスタリフト」が、実は写真フィルムの研究から誕生したという面白い技術応用のお話をします!


アスタリフトとは

富士フィルムが開発した、高機能美容液シリーズ。 大人向けの深い肌悩みにアプローチした、エイジングケア系のスキンケアアイテムです。アイテムには富士フィルムが設立当時より研究を重ねてきた写真フィルムの品質保持のために開発されたナノ化技術抗酸化技術が搭載されています。

なぜ写真フィルムの技術がスキンケアアイテムになったのか?

写真フィルムの品質向上・保持技術と、機能的な化粧品開発を実現する上で必要な技術にたくさんの共通点が発見され、写真フィルムメーカーの富士フィルムはスキンケアアイテムを開発しました。

写真と肌の共通点の発見

写真フィルムの構成成分の50%を占めるコラーゲンは、肌の主成分(真皮の70%を構成するもの)と同じなので、写真フィルムへのアプローチは肌へのアプローチとしての親和性が高いです。
また、写真フィルムの薄さは、肌の角層と同じ約20マイクロメートルという共通点もありました。
美肌の文脈で「コラーゲン」という言葉はよく耳にしますが、写真フィルムの半分がコラーゲンって知って驚く方は多いのではないでしょうか。

美しい写真のために追求された高レベルのナノ化技術

薄い写真の中に光の反射や色素・発色の機能もった粒子を配置することで写真ができあがります。
決められた位置に決められた粒子を安定して配置することが写真のクオリティにそのまま寄与するため、富士フィルムは長い年月をかけてナノ化技術(微粒子のコントロール技術)を開発してきました。
この微粒子をコントロールするという点が、スキンケア成分を肌に有効なかたちで届けるという技術に転用されました。
優れたスキンケア成分はたくさん存在しますが、その成分を実際に肌に浸透させ、機能させるためには、成分を微小化し、途中で壊れたりせず安定したかたちで、効果が実感できる濃度で配合する技術が適用されなければなりません。
高度なナノ技術によって、写真における粒子の配置のように、スキンケア成分を肌の角層深くまで浸透させ、必要な場所へ届けることができます。

写真の”色あせ”を防ぐ抗酸化技術がエイジングケア技術に

写真の”色あせ”は「活性酸素による色素の酸化」が原因です。
肌のエイジングサイン(うるおいやハリが減少したように感じる、シワやシミが増えたように感じる)のも、肌が紫外線などのダメージによって活性酸素が発生すること、つまり酸化することが大きな原因とされています。
富士フイルムは、紫外線によって写真が色あせてしまうことを防ぐ抗酸化技術を研究してきました。研究の中でこれまでに発見された成分は4000種類もあるようです。すごいですね。
このようにして発見された抗酸化成分の中で、肌のエイジングケアに有効なものを選別し、スキンケア商品としてアイテム化しました。

事業転換の成功の代表例

富士フィルムが写真だけでなく化粧品事業で成功した上記の話は、事業転換の成功例を挙げる際に思いつく方が多いと思います。
1988年に世界初のデジタルカメラを開発した富士フィルムは、日本にとどまらず世界の写真業界をリードしてきた存在です。
デジタルカメラが誕生したことで、フィルムの需要が激減し、主要事業に危機が訪れたところでこれまで培った技術を応用し、大きな事業転換を成功させました。
アスタリフト開発責任者の中村善貞さんがインタビューでハッとする言葉を残されていたので引用します。

事業には寿命があるが、技術には寿命がない

【富士フイルム】写真技術で女性の肌を美しく

高速度で複雑に変わっていく社会に対して、事業の寿命は年々短くなっているように感じます。流行や社会の変化で事業が衰えても、その事業のもとになった技術まで一緒に廃れたとは必ずしも言えません。
富士フィルムの例は、発想の転換・着眼点次第で、全く想定しなかった分野で技術が活きる可能性があるという気づきを与える事例だと思います。

最後に

今回のnote記事では「富士フィルムの最強エイジングケア化粧品「アスタリフト」が、実は写真フィルムの研究から誕生した」という技術応用・事業転換の話を紹介させていただきました。
ある分野に特化されて行われた研究が、全く想像もできなかった分野で応用された話はとても面白いですよね。
新しい技術を知ったとき、その技術が誕生した土壌や文脈とは異なった分野だったらどんなふうに使えるだろう?と想像することの中にイノベーションは隠されているのかと思いました。

今後も美容やメイク、スキンケア、ボディメイク、フェムテックに関する情報を発信していきたいと思っているので、よかったらいいねとフォローもよろしくお願いします😊
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BASSDRUMは、テクニカルディレクターが中心に集まった組織です。さまざまなものづくりに関するプロジェクトにおいて、コアメンバーとして参画し、技術的な側面から寄与していくテクニカルディレクターに質問・相談がありましたら hello@bassdrum.org までお問い合わせください。
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