竹の粉

里山は非常な勢いで竹が増えている。

静岡では茶畑を侵してきていきなり足元からタケノコが頭をもたげてくる。放っておくと1日に20cmも伸びて硬くなり簡単には除去できない。しかも地中潜行すると10mくらいはザラで、はるか離れた畑に突如として生えてくる。栄養を奪い日光をさえぎり、2年で成竹になるからあっと言う間に侵略されて風景が変わる。パンダを放し飼いにして食べさせれば良いかもしれないが、他に竹を食べるのは人間くらいしか思い当たらない。まことにやっかいな代物である。
 

かつては、道具類は竹を使っていた。建材にもなった。新しい素材の便利さと価格の安さに押されて竹製品は趣味の世界に残っている程度だが、放置竹林が反撃に転じているあんばいである。各地の自治体も対策に頭を傷めているが、竹を細かく粉砕すると「針状」になってしまい突き刺さる特徴がどうしてもネックになっている。

宝角合金という会社が作ったバンブーミル(竹粉製造装置)は従来の粉砕機の欠点を補う画期的なもののようだ。30マイクロメートルのサイズにまで粉砕して棘をなくし、食べても腸壁に刺さらないようだ。家畜の飼料にしたり、土壌の改良剤にもなり、用途はいろいろありそうだ。サンプルを取り寄せてみたが、小麦粉まではゆかないがオカラよりは細かい。もう一桁微細にできれば何か新しいものが生まれそうだと感じた。ちなみにこの機械は60kg/分の能力である。


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