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【小説】玉手箱製作所③

「大変です。乙姫様!」
「なにかなぁ?ヒラメちゃぁん」
「先日帰宅された浦島八十五郎様からクレームが入っています!」
「どんなのぉ?」
「玉手箱を開けたら、謎の煙と白髪のヅラが入っていたと」
「・・・・・!なぁぁぁあに!」
「おい。ヒラメ。乗り込むぞ!」
「え?」

部下を100匹連れ、玉手箱製作所を襲撃。
「おい!開けろ!」
入り口の前に立つと音もなく自動ドアが開く。
玉手箱製作所CEO表島は、一番奥の豪華な部屋にいる。
廊下を走り抜け、
漆塗りの神々しい扉を蹴り開け、
「おい!表島!どこにいる!」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
突然の大きな声にびっくりしたのか、そこにいた赤ん坊が泣きだした。
「おぎゃぁ。おぎゃぁ。」
「な、なんじゃ???」
一歩踏み出した乙姫は自分の着物の裾につまづき。
後ろを振り向くと見知らぬ100匹の稚魚がぴちぴちと。