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ポッケからするめいか81

夏といえば花火。

昔は今ほど世間もうるさくなく、
家の周りで花火をしている家庭がよくありました。

手持ち花火だけでなく、

ロケット花火や爆竹、打ち上げ花火。

毎年夏の夜になると、

パンッ!パーンっ!!と花火をする音が近所から聞こえたものです。


しょうさん家も同じ。


子供たちが小さかった頃は、

子供たちよりもはりきってしょうさんが花火をたくさん買っていました。


しょうさんが好きなのは手持ち花火ではなく、


爆竹やロケット花火。


買うのは一袋じゃありません。


バラエティパックを2、3個。

バラ売りで爆竹やロケット花火も買っていました。


派手好きなしょうさんは、これを一晩で全部やります。


家の目の前が空き地で、家の周りには民家がないため、

何の気兼ねもなく花火はやりたい放題でした。

子供たちは最初に手持ち花火を楽しみすが、

そのすぐそばでしょうさんはどんどんロケット花火を空き地に向けて飛ばしていきます。

ヒュ〜〜ンッッ……パンッ!!

ヒュ〜〜ンッッ……パンッ!!

何度も何度も飛ばすとまたすぐに爆竹に点火。


一箱全部に火をつけるので、

事件でも起きたかのような
なかなか鳴り止まない爆発の連続。
上がる白い煙はまるで霧のよう。


本当は地面に置いて点火する打ち上げ花火も、

しょうさんは手で持って打ち上げ、

庭の鉄棒には何個もヒモの花火吊り下げて点火、

ネズミ花火は子供たちが逃げ惑うほど数を一度に点火。


子供たちを喜ばせたい。
そんな思いよりも、はるかにしょうさんが楽しんでいたかのような気がします。


今、

毎夏、そんなふうに花火を楽しんでる家庭はあるだろうか?

公園での花火は禁止、
川や土手沿いでの花火も禁止、
打ち上げ花火?ロケット花火?
民家でやるなんて言語道断。

例えやるとしても派手に音の鳴らない、
手持ち花火を静かにやっているような気がします。

もしかしたらもっと自然の多い田舎では周りを気にせず今でも派手にやっているところがあるのかもしれませんが。


しょうさんはいつも、

確実に子供たちの記に残ることをたくさんしてきてくれました。


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