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メンバー発表直前の、あのホームランがきっと彼の自信をつないでくれる。

わりと平然とした顔で帰ってきました。

ふてくされることもなく

悔しがるわけでもなく。
 

「メンバー発表のとき、名前呼ばれなかった」

が、帰宅後の第一声でした。

高校三年生になった長男。今シーズンなかなか思うような結果が出ず、Bチームで春大会のメンバー発表を迎えることになりました。

それでも、直前で呼ばれた練習試合では、唯一のホームランを放ち、上機嫌で帰ってきた長男。

一本だけですぐにメンバー入りするほど甘いものではありませんでした。



昨秋はギリギリ、ベンチ入りを果たし、背番号をもらえましたが、この春はスタンドから、メガホンを叩いて試合にのぞみます。

昨秋、長男が背番号をもらった陰では、悔しい想いをした選手が何人もいたはずで、彼らも「この春こそは」と奮起していたに違いありません。二三年生だけで五十人以上いる部員の中で、メンバーに入るのは、まさに狭き門。

春大会、支部予選のメンバーには入れませんでしたが、勝ち進めば、入れ替えのチャンスもあるだろうし、まだ、最後の夏もあります。

今日からの練習は、明らかにメンバー中心に切り替わるはずです。長男は呼ばれていないはずですが、朝練に出かけて行きました。

ふてくされることもなく、悔しがるわけでもなく、平然とした顔で今日も出かけていきました。

送り出したあと、リビングに飾ってあるホームランボールが、前よりも輝いて見えました。



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