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善意の値札

お疲れ様です。総務部総務課マモたろうです。

「おもてなし」という言葉が象徴とされているように、日本のサービスが世界的に称賛されている記事をよく見かけます。善意は素晴らしいものだと感じます。

組織において「善意」に対し、善意から「手当化」することがあります。
しかし「善意」に値札をつけることは、組織を弱くする可能性があります。

ハーズバーグの二要因理論というものがあります。耳にした方も多いでしょうが、あらためてchatGPTの解説です。

ハーズバーグの二要因理論は、労働満足と労働不満に影響を与える要因を二つのカテゴリーに分類する理論です。これは、フレデリック・ハーズバーグによって提唱され、モチベーション・衛生理論とも呼ばれます。ハーズバーグは、労働満足と労働不満が異なる要因によって引き起こされるという仮説を立てました。

1. **モチベーション要因(満足の原因)**:
- 仕事自体から生じる満足感や達成感など、仕事に関連する要因です。
- 例: 成果の認識、成長の機会、責任の感覚、仕事の興味深さ、業務への挑戦、昇進の機会など。

2. **衛生要因(不満の原因)**:
- 仕事の環境や条件から生じる不満やストレスなど、仕事外の要因です。
- 例: 職場の給与水準、労働条件、会社のポリシーと管理、同僚や上司との関係、職場の文化、仕事の安全性など。

この理論は、労働者のモチベーションや満足度を向上させるために、組織がモチベーション要因を重視し、同時に衛生要因も改善する必要があると主張します。ハーズバーグは、衛生要因を改善しても労働者のモチベーションが向上するわけではないと考えました。代わりに、モチベーション要因を充実させることが、労働者の満足度と生産性を向上させる鍵であると主張しました。

chatGPTの解説

ハーズバーグが「給与」を衛生要因にしたことには深い洞察を感じます。

例え話です。
あなたは職場を快適にするために毎朝掃除をしています。
自主的にやっていることですが、それが職場全員に良い影響を与え、たまに感謝もされます。
これの掃除は「善意」といって良いでしょう。

そんなあなたに報いるために、人事は毎朝の掃除を手当として支給するように提案しました。あなたはこれを良いことだと思いますか?
少し考えてみてください。


いかがでしたでしょうか。諸手を挙げ賛成とまではいかずとも悪いことではないと思う方は多いのではないでしょうか。

次にその善意に値札をつけてください。月の手当として、いくらが妥当でしょうか?
10,000円、5,000円、2,000円、1,000円、500円……。

どうでしょうか、500円~2,000円が妥当でしょうか。
間をとって1,000円と値札をつけます。

あなたの毎朝の掃除は月に1,000円の価値です。
月に営業日が20日あれば、1日50円です。

どう感じますでしょうか。はじめは喜ぶかもしれません。
ですが、これからは1日50円の報酬のために掃除をすることになるのです。

そして周りも思います。いままであなたの善意に感謝していた人が、
1,000円の手当支給しているのだから「あたりまえ」だと。

どうでしょうか。人のために善意を行えるあなたの性格に影を落としたでしょうか。

アンダーマイニング効果というものがあります。chatGPTの解説を引用します。

アンダーマイニング効果(Undermining Effect)は、報酬や外部的な報酬が、個人の内発的な動機付けや意欲を減少させる現象を指します。この効果は、心理学や経済学の分野で研究されています。

通常、人々は自発的に行動することに満足感や充実感を感じます。これを内発的動機付けと呼びます。しかし、ある行動に対する外部的な報酬(例:金銭的な報酬、称賛、評価など)が与えられると、人々はその報酬を目的として行動するようになります。この外部的報酬が内発的な動機付けを取って代わり、行動の原動力としての内発的な興味や意欲が減少してしまう現象がアンダーマイニング効果です。

アンダーマイニング効果の典型的な例は、子どもにお小遣いをあげて家の雑用をさせる場合です。最初は雑用を楽しんでやっていた子どもが、お小遣いが報酬として与えられるようになると、雑用を行う動機付けが外部的報酬に移行し、雑用に対する内発的な意欲が低下する可能性があります。

アンダーマイニング効果は、組織の報酬制度やモチベーション戦略を設計する際に考慮すべき重要な要素です。外部的報酬が内発的な動機付けを弱める可能性があるため、組織は報酬を適切に設計し、内発的な動機付けを促進するよう努める必要があります。

chatGPTの解説

善意に値をつけようとすると安く見積もられる可能性が高いです。「ちょっとでも増えるのなら良い」という考えは捨てたほうがよいと思います。
逆に高すぎると、まわりから不満がでます。
太鼓持ちが出世したときの感覚に近いでしょうか。

善意の値札は、やる気を削ぎ、その人の善意自体を蝕む恐れがあります。

さらに「私だけが、はずれを引いた」「私は、こんなに頑張っているのに」と心に隙間ができると、そこに魔が差すこともあります。これは、あなた自身が善意に値札をつけたことともいえます。

善意に値札をつけることは、慎重にすることをおすすめします。
(人事評価と報酬制度でも同じようなことがおきますが……)

人事総務に関わる人は、給与はあくまでも「衛生要因」だということ、アンダーマイニング効果というものがある、と覚えてください。

お読みくださりありがとうございます。



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