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悪循環!!【パナソニック人事抗争史】読書感想

お疲れ様です。総務部総務課マモたろうです。

今回は【ドキュメント パナソニック人事抗争史】の読書感想です。

経営の神様である松下幸之助氏のあと4代目社長のころからパナソニック社は人事抗争におちいり経営不振となっていきます。
どんなことが起き、どう経営不振へ繋がっていったのか、迫力のある本です。

「まえがき」から一部引用します。

やがてふたりの対立は、経営の主導権をめぐる”人事抗争”にまで発展していったのである。この時点では思いもしなかったことだが、人事抗争の後遺症は、とめどない悪循環を生みだし、その後、約20年にわたって経営の足を引っ張り続けることになった。

【ドキュメント パナソニック人事抗争史 まえがき】

見事に悪循環を生み出しています。
「この時点では思いもしなかった」というのは考えさせられます。

少し話はそれますが当社は中小企業です。
人事対応において、その時はその人に寄り添った特別対応が、いつのまにか「前例」に化けていることがあります。
「前例」はとてもパワーがあり人事制度をどんどん蝕んでいく可能性を隠し持っています。
(逆に、前例が無いと却下されることも多々ありますが)

当時のパナソニック社に、人事として私がいたらどうだろうと考えると胃が痛くなりました。たぶん何もできなかっただろうと思います……。

人事は難しいです。理論も制度も複雑になりやすく、時代によって変遷もしなければなりません。人事権を握りたいというパワーに対応を迫られることもあります。
考えれば考えるほど、漏れをなくそうとすればするほど、複雑に陥ります。

私は成功例よりも失敗例のほうが「気づき」が多いと感じています。
特に人事がもつべき「人」に対する洞察力は経験だけではカバーが難しく、歴史や本書のような事例から学ばなくてはならないと感じます。

あの経営の神様でも「事業承継」は難しいものなのかと考えさせられる一冊でした。

お読みいただきありがとうございます。

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