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あらゆるきっかけが、そこにありうる

2022年もclusterで多くの時間を過ごしたので、そのバーチャル生活をまとめてみます。もしも、読んでくれた人の中にまだメタバースやバーチャル(特にVRのSNS)に手を出していない人がいたら、一歩踏み出すその背中を押せれば嬉しいですね。

僕がclusterを使い始めて2年半弱。2020年8月から現在にかけていろいろあっていろいろありすぎましたが、みずから進んで動き出すことでこんなにも豊かで実りある時間を得られるとは思ってもいませんでした。

特に2022年は僕にとって別格の1年で、人生を一変させる出来事がありました。何度も書いてはきましたが、音楽と再遭遇し、作曲を始めたことです。いまやトラックメイカーを名乗り、clusterで週1のDJイベントを開催しているほどです。

自分の人生には縁がないもの、遠くから見ているだけで触れようとすらしないもの。僕にとって作曲とはそういう感覚の存在でしたが、バーチャルの世界ではそうした「遠きもの」がいきなり目の前に現れて、手を掴まれ、ぐいっと沼へと引き込まれる瞬間が訪れます。

※具体的には、自分で作った曲でDJをやりたいと言いながら全然行動に移さない咲夜くんという高校生に業を煮やし、「じゃあ一緒に作曲を始めて発表会をしよう」と提案したのがきっかけです。この提案には、僕も作曲に関心があってでも自分には無理そうだな~と諦めていたという背景が。過去には作曲ソフトを開いたことはありましたが、わけが分からずすぐやめてしまっていました。

それに抵抗することもできますし、甘んじて足を踏み入れることもできます。どちらを選ぶにしろ、そもそも抵抗するも甘受するもなかった「遠きもの」に触れるきっかけが信じがたいタイミングでやってくる――かもしれないのがバーチャルの世界です。

そこにはいろんな場所・業界・分野からさまざまな年代・属性の人たちが集まってくるので、話を聞くだけでも未知の世界を垣間見ることができ、ともすればその世界へのめり込むことになります。

あらゆるきっかけが、そこにはありえます。


11月に、僕は友人のでんこさんの生誕祭を企画・開催しました。誕生日パーティとかいう催し、clusterで開催されているのを見に行くくらいはありましたが、リアルでは10年どころではないレベルで縁遠かったですし、ましてや他人の誕生日パーティを主催するなんて、ねぇ?

きっかけはいつもの日常会話の中でなんとなく尋ねた「今年は生誕祭やるんですか?」という一言でした(上掲の記事にも散々訊かれたとありますね)。それに対してでんこさんが「謎部さんやってくださいよ」と言ったので、僕は「いいですよ」と返していました。何の構想もなかったですが、その場で考えてまあなんとかなるやろ、と(実際の会話はもう少し紆余曲折があったような記憶がありますが忘れました)。

バーチャルの世界にはこういうきっかけが至るところに潜んでいて、そこに手を突っ込むか知らんぷりするかはその人次第。しかし、人生を楽しくするには自分から行動するしかない、というのが、僕が2年半弱で見出した最も大事な教訓です。

なにより、リアルと比べてバーチャルはなぜかいろんなことに手を突っ込みやすいんですよね。生身ではなくアバターを使っているからかな?


6月、9月、11月には気合いの入ったイベントにDJとして出演しました。正直に言って、当時の僕はDJをほとんどやっておらず、2022年は6月までに2回しか回していない死に体。そんな僕をDJ(ができる人)として認識している人がまだいてくれたことに驚きつつ、さらに大事なイベントに呼んでくれたことに感謝しつつ。

6月と11月の出演イベントは熊猫土竜さんのパリピ銭湯です。火星のローマ風呂をテーマにした会場で、何もかも忘れてただただパリピになって踊るイベントですね。凝りに凝ったパーティクルによる会場演出など、熊猫土竜さんの持ち味が最大限に活かされていました。

9月の出演イベントはsakagutiさんのNEO CRAFT CLUBです。clusterのワールドクラフト機能で作られた会場で、小さなトラブルはあったんですが、(現状は派手なパーティクルが使えないにもかかわらず)キラキラ感を出しうるワールドクラフトの可能性を見たイベントとなりました。

両名が僕をDJとして認識してくれていたのは、僕がclusterにおいてDJイベント黎明期を作った1人だと思ってくれていたからでしょう。たしかにそれは一抹の事実ではありますが、もはや遠い遠い昔。2020年末から2021年前半くらいにかけてのことです。

2022年にはclusterで数多くのDJイベントが開催され、数えきれないくらいのDJが誕生しました。その中で、僕のことをそのように認識してくれていたのは、これはもうとても嬉しくて舞い上がります。

いまはDJとしてもやっていこうと開き直ったので、またいろんなイベントにお声がけいただけるように精進していきたいですね。


時期の記憶があやふやなんですが、6月から8月にかけて、clusterでLife in Progressというプロジェクトを主催していました。

参加メンバーが各々の「目的と目標」を進行・管理するプロジェクトで、3か月ほどで終了してしまいましたが、それなりにいい結果が生まれました。何人かはこのプロジェクトがきっかけで新しいことを始め、継続するようになってくれたそうです。僕自身も作曲と筋トレがそうですね。

そもそもは、clusterに飽きる理由の1つとして「目的と目標がないこと」が大きいのではという推測からLife in Progressを始めたのでした。また、定期的に集まって進捗報告をすることで、clusterにインする理由にしてもらおうとも考えていました(これが終了したことでclusterで見かけることが少なくなった人もいて、それはちょっと申し訳ないなと思いつつ)。

僕自身がこれを必要としなくなったことが終了の大きな要因ですが、「目的を持って目標を立てて進捗管理をする」+「誰かと進捗と結果を共有する」ということは仕事でも趣味でも役立つことなので、超少人数で再開してもいいかなとほんのり思案しています。


そういえば、6月と7月は艦隊戦ゲームの『Feindliche Flotte』にハマっていました。ガルペノさんが作ったゲームワールドで、リニューアルを経てさらに面白くなっています。

ただ、僕はいまは上述した音楽の活動が楽しくて仕方なく、ほぼすべての時間をそこに注ぎ込んでいます。そのため、ゲームと名がつく娯楽はclusterだけでなくSteamやスマホも含めてまったくプレイできていません。

「eスポーツになる」なんて大言壮語したわりにそんなことになってしまい、作者のガルペノさんと監修のびすまるくさんには多少申し訳ない気持ちもありますが、それまで1秒も存在しなかった「自分の創作活動に時間を割きたいと心の底から強く思うフェーズ」が来てしまったのでどうしようもありません。

あと、純粋に「楽しい」という理由でゲームを遊べるのは初期だけで、それ以上の目的や目標がないと以降はただ惰性でプレイすることになり、なかなか時間を割くのは難しいですね(例えば対戦ゲームならランク上げや大会などが「目的や目標」に相当します)。いまは潰す暇すらありません。

ゲーム自体は本当にすばらしい出来で、もっと遊ばれてほしいと思いますが、僕自身が本格的にプレイするなら「自分の作品を作ること」以上またはそれに並ぶ価値をこのゲームをプレイすることに見出せないとって感じです(ほかのゲームも全然プレイしていませんし)。


3月から4月にかけては、僕はまだ作曲に出会っておらず、clusterで何をしようかと模索していた頃でした。clusterの友人との映画鑑賞会にも参加していました(僕は実施日の都合が悪いので現在は参加できていませんが、会はいまも続いています)。

カジノバー「幸甚亭」の運営を終えてうろうろしていたんですが、どうもclusterで行なわれる会話の多くが「ターン制自分語り」ばっかりで、他人に興味を持ってしっかり話を聞く、テーマについて考えながら対話する、というコミュニケーションがほとんど行なわれていないことに気がつきました。

そこで出てきたのが「要談」という言葉です。

これは雑談と対比される言葉で、雑談が「話題をあっちこっちしながらとりとめのない話をすること」だとすると、要談は「テーマを決めて時間をかけてじっくり話すこと」だと言えます。

別に「さあ要談しよう」というノリではないので、これを主たる活動にするのはおかしいんですよね。というより、その場その場でのコミュニケーションの姿勢と言ったほうが適切です。

なので、僕は誰かと話すときは基本的には要談の姿勢でいますし、雑談の輪に入っていくのは苦手なままです。皆さんも、よかったら自分がいる場でどんな会話が行なわれているか考えてみてください。楽しく会話ができているように見えて、実は誰も他人に興味がなく、それぞれが順番に自分語りをしているだけかもしれませんよ。


2月~3月は僕にとってclusterでの活動が一段落してしばらく経った頃で、気分的にもふわ~っとしていました。

活動の総括として下掲の記事を書き、要談を始め何かしらやりたいなと考えていましたね。

clusterなりVRSNS(バーチャルSNS、ソーシャルVR)なりをどう捉えて利用するかは人によってだいぶ異なりますが、僕はどちらかというと何かやる場だという認識が強いです。もちろん、友達を作ってお喋りするのも大切ですが。

しかしやはり、「何もしていない」って人として極めて面白くない状態だし、自分がそうあるのは嫌です。何もしていない人と一緒にいたり話したりしても面白いことになる可能性はかなり低いし、そういう人を求めるのは同じく何もしていない人であり、何もしていないことを共有して安心感を得る場合です(何もしなくていいよね的な)。

何もしないこと、何も持っていないこと(消極的事実)をアイデンティティにしてしまう青春ヘラな人もいると思いますが、端的に、僕はそうありたくないですね。ほかの人がどうかは知りません。

だから翻って、何かに挑戦したり試行錯誤したりしている人は応援したくなるし、友達になりたいと思います。我々1人1人の世界って結局は類友で構成されているので、YouTuberの友達はYouTuberであり、視聴者ではないんですよね。面白い人と友達になりたければ、自分が面白いことをやっていないといけません。


ということで、おおざっぱに2022年を振り返ってきました。clusterで幸甚亭というバーチャルバーを始めた2020年よりもはるかに人生に大きな影響を及ぼすことになった本年。

何が起きるか分からない……というか、リアルよりもなぜか前に踏み込みやすいバーチャルの世界にはそこかしこにきっかけが転がっているので、傍観せず冷笑せず、勝手に熱くなっていろいろやってみると、思わぬ可能性が拓けていくかもしれません。

2023年はどんな1年になるか、楽しみですね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます! もしよかったらスキやフォローをよろしくお願いします。