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安い日本(プア・ジャパン)~「値上げ」して賃上げでなく、「規制・既得権益撤廃」して賃上げ

最近は、日本の賃金が上がっておらず、「相対的」に世界的に物価も給料も低い国になってきたと報道されています。

そして、「値上げをして賃金をあげる」ということが全ての解のような報道も見受けられます。

ここ最近の物価高は原料や物流費・エネルギー費用の高騰や円安に起因するものが大半であるので、それをカバーするための値上げです。つまり、賃上げする原資のための値上げではないと思います。

政府は、賃上げをした企業に法人税を減額する「賃上げ促進税制」を2013年から導入しており、それを2024年度の税制改正で拡充しようとしていますが、それほど効果は出ていないという記事が日経新聞の2023年10月14日に出ていました。

その主な原因は、2021年度の財務省の統計によると大企業の26%、中小企業(資本金1億円以下)の62%は、赤字企業なので税優遇の恩恵が及ばないということです。

なので、賃上げするには、たんなる商品の値上げではなく、十分に利益がとれるような付加価値のある商品をつくるということになります。つまり「イノベーション」が必要ということでしょう。

なので、政府は賃上げしたら補助するというのではなく、企業がイノベーションを起こすような支援が必要だと思います。

2023年9月に野口悠紀雄先生がまた過激なタイトルの本を出版されました。

バブルがはじけた1990年代中盤からかれこれ30年「失われた30年」と言われ、今もまだ続いています。

原因は、少子高齢化に伴う人口減や既得権益固持による規制などにいろんな構造的な問題があり、解決策がないという状況です。イノベーションを起こさないといけないですが、それがおこると困る勢力が政治家を支持していると政治家も規制撤廃には動かないという構図がずっと続いており、今からも続くのだと思います。ハンコがいままでずっと続いていたのがいい例ですね。

野口先生の本で気が付きましたが、東京大学にはコンピューターサイエンス学部がなく、いまだに農学部が幅を利かせています。新しい分野の学部を増やすと既存の学部を減らさないといけないからだそうです。

20世紀末に日本が製造業で破竹の勢いで米国市場を席捲した時に、アメリカの大学が「象牙の塔」になっていて産業に何も貢献してないと非難され、改革がされてスタンフォード大などと産学一体になりシリコンバレーが形成されました。

まさに今の日本がこの改革をやらないといけないのでしょう。

もう10年後には、コンピューターが人間の脳を超えるシンギュラリティがやってきます。チャットなどの単機能に特化したAIは、AGIとなり進化していきます。6Gのサービスも予定されています。

「値上げ」して賃上げでなく、「規制・既得権益撤廃」して賃上げということです。



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