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内発と自律のすゝめ

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【概要】SDGs大賞を受賞した北海道下川町で役場職員、NPO法人ファウンダー、議会議員、2児の父と様々な立ち位置を経験してきた奈須憲一郎が硬軟織り交ぜて記します。【想定している読… もっと読む
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記事一覧

【町民代表の折衷案、議会議員と審議会委員の融合/議員の成り手不足解消への試論その4】

その3の続きです。そろそろ収束させたいところですが……どうなることやら。 前回「議会とは別な民意の反映手段である、各種審議会(例:総合計画審議会)のあり方も変わってくるような気がする」と書きました。 議会の例と同じく DX(デジタルトランスフォーメーション)によって、各種審議会の情報公開と参画の機会の提供は、進めようと思えば今までとは別次元で、それこそ乗り物がロボットに変身しちゃうぐらいのトランスフォーメーションできちゃいますよね。 そんなこんなも踏まえて「議会と各種審

「偏りの少ない民意の反映」のための議員定数【増】が軸、自治体DXを前提にメタバース議会へ!?/議員の成り手不足解消への試論その3

その2の続きです。 議員の成り手不足解消に向けて、現行制度でもできる改善策について思案をめぐらせてみようと思います。 結論から言うと、ざっくりとした方向性としては、議員報酬は減らし、議員定数は増やした方がいい(ただし定数は奇数に)のではないかと考えています。 ただし、自治体DXなどいくつかの前提を満たした上で、というのが条件になります。 実は、以前は真逆で、報酬【増】・定数【減】の(そして議会事務局職員は役場職員の異動ではなく専属の)少数精鋭議会を念頭に置いていました

偶数議会の方必読……二元代表制が引き起こす政治的混乱/議員の成り手不足解消への試論その2

その1の続きです。 今回は二元代表制のどこに限界を感じてこんな試論を始めたのかについて書いてみます。 下川町議会議員として2期目に突入した時、私は自ら志願して議会運営委員長になりました。とても活発な議会になったこともあり、議員のバイブルとも言える『議員必携』を隅から隅まで読み漁りました。 その結果、あることに気づいてしまいました。 議長は議場で議案の賛否を決める採決に加われないため(例外はあります)、定数が偶数の議会で議長を含まない半数が結託すれば、下川町議会を例にし

【追悼】私にとっての民主主義の学校は下川町であり、校長は安斎さんでした

前下川町長の安斎保さんがお亡くなりになりました。「地方自治は民主主義の学校である」という言葉を間に受け下川町に入学した私にとって、最も長く教えを受けた校長でした。 若気の至りで全力でぶつかっていった私を真正面から受け止め、時には全力で跳ね返してくれた……もうあぁいう熱のあるやり取りができないと思うと淋しい……。 短腹(北海道弁で「短気」の意)な性格で直に話している時はかっとなり否定されることも多かったのですが、実はしっかり受け止めてくれていて後で反映してくれることもありま

【追悼】坂本龍一さんと変イ長調の森

坂本龍一さんがお亡くなりになりました。哀悼の意を込めて、ここに坂本さんと私とのご縁を綴っておきたいと思います。 初めてお会いしたのは2009年4月24日、私の暮らす下川町で。坂本さんは森林保全団体 一般社団法人 moretrees の代表として来町され、私はNPO法人森の生活の代表として取り組みを紹介する機会を得ました。その時の様子をブログに記しています。 ちなみに、このブログ記事のコメント欄に変イ長調の曲を調べて紹介してくださった方がいて、それ以来、この森をガイドする時

\まちがまるごと博物館/ しもかわ森林文化ミュージアム くらしごと博覧会

こちらではご無沙汰していました。わがまち下川もご多分に漏れず人材不足でして、それをなんとかしようという事業の担当になって半年。 ようやく取っ掛かりができてきたので、お披露目のイベントです。 下川ってチャレンジを応援する気風があって、起業型の人たちがメディアでよく紹介されているのですが、いやいやどうして、勤め人の方々も多彩で面白い。 今回は5人の方々に仕事と暮らし=くらしごとをご紹介いただきます。 合わせて「森林文化ミュージアム」とは何ぞや? ということも特設サイトの紹

逃げるは恥だが声に出す……やりがい搾取を感じた時

「逃げるは恥だが役に立つ」のDVDを借りて家で観てる人がいたので嫌でも目に入ってチラチラ見てたら、めちゃくちゃ面白いじゃないですか。恋ダンスが流行ってる時、流行り物に乗りたくなくて観ずに損した気分。 そして やりがい搾取 好きの搾取 なんて言葉も出てきて それなー! それ今一番言いたいやつー!! と大共感の嵐。てゆーかストーム。北大OBですから(今の北大生もストームやるのでしょうか)。 といっても家事に対して言いたいわけじゃなく、地域づくりに対して。 地域づ

それは豚に対して失礼なのかもしれない

「女性を豚に例えるなんてありえない」という発言には「豚=醜い」という前提が当然のようにあって、それは豚に対して失礼なのかもしれない。 豚に対して好意的な文化の人たちにはどう聞こえているだろう。 ボードゲーム界ではぶたは愛らしいキャラとして扱われていることが多い印象。 ボードゲームのメッカ、ドイツでは豚が幸運の象徴とされているからだろう。 日本のボードゲーム・ブランドでも社名・ロゴがぶた由来だったり。 そういえば、下川でペットとしてぶたを飼ってた家あったなぁ……巨大化

方位磁針が北を指さない時代には

ボードゲームのアジトからスタートした「あそべや」という場所について、これからどうしていくつもりなんですか、とかビジョンのようなものを聞かれることが多いんですが、ビジョンがないのがビジョンです、と半分遊びで答えていまして。 昨日はこんな話しをしました。 -- 方位磁針が北を指さない時代 磁場が乱れて目指す方角がわからなくなった時代 そんな時代には大きなビジョンを敢えて描かない ゴールからのバックキャスティングで最短ルートを進むよりも 今いる場所でそこに居合わせた人

北海道下川町 SDGs オンラインツアーやってみた

ご縁があって、小林製薬さんのオンライン社内研修「サステナビリティMeetUp! Vol.6」のゲストスピーカーとしてお声かけいただきました。 当初は、普通にスライドを使った講演方式でやるつもりでした。 が いざスライドを作り始めると こんなご時世で出社さえままならならない社員さんたちに 北海道へ視察旅行に行った気分になってもらいたいなぁ…… という気持ちが強くなり、文字ベースのスライド作りが捗りません。 その時、ボードゲームをテーマに Google Earth

小さな成果が自信を育て、見える景色も変わるはず

一期学舎での自習のはじめに、今日の目標的なものをポストイットに書いて貼り出してもらっているのですが 先週は「化合物」という言葉が重なっていたので聞いてみたところ、小テストがあるとのこと。 「こんなの覚えられない〜」という悲鳴も聞こえてきます。 機械的に暗記するのは非効率なので、原子と分子をテーマにしたボードゲームを引っ張り出してきて(なにしろ下川共室は入り口がボードゲームショップになっているのでボードゲームは売るほどあります) 記憶の手がかりになる基本的な考え方を伝え

雑談ルールのクセがスゴイ

↓こちらの記事でも書いた雑談に対して 一期学舎の下川自習室でルール決めを提案してみました。 みんな目的があってここに来ているので 例えば勉強していてわからないところを聞いて、それに答えて、というのは雑談じゃないから OK で ここに来ている目的に沿わない話は雑談なので NG とか 雑談 NG で集中する時間を決めて、その合間に休憩時間を設けて、その時は雑談 OK にするとか ここにいるみんなでルールを決めてはどうだろう、と。 すると、15分集中して30分休憩、と

なりたい職業は、ありたい自分への入り口

一期学舎では、ありたい自分に近づいていくこと(自己マスタリー)の支援を活動の柱にしています。 「自己マスタリー」シートを開発し、このシートを起点に個人ビジョンや今の現実などにアプローチします。 スタートした下川自習室では、自己マスタリー支援の手始めに、将来の夢などについて聞き取りをしています。 聞き取りの最初に出てくる職業などを入り口に なぜその職業なのか、動機は何か その職業をどう理解しているか その職業のどこに喜びを感じると思うか  モノづくりなどの行為その

『あなたの人生』という名のボードゲームは、ゴールを設定することで動き始める

一期学舎の活動に関わってくれるチームで自己マスタリー練習をしました。 その時に使ったワークシート2枚のうちの1枚がこちら。 一期学舎の活動の中でボードゲームを活用していくこともあり、ゲームから着想を得て開発しました。 ゲームで遊ぶ時、最初に自分のキャラクターの初期設定をすることがありますよね。 今回は、初期設定ではなく、逆にゲームのゴールにたどり着いた時の設定を考えてみることから始めました。 そして、そのゲームは、自分の人生をテーマにしたゲーム。 自分の人生をテー