Natalie

2017年春に出会い、夏に恋人となった人はいつの間に夫になった。わたしたちの宝物である…

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2017年春に出会い、夏に恋人となった人はいつの間に夫になった。わたしたちの宝物である男の子と3人で暮らしている。日常はピアニストと歌手。夫はソムリエの落語家で、料理上手。

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「胎内記憶 両親 セックス」検索

昨夜は今までになく体調が悪く、恋人に心配をかけたくはなかったが腹部の痛みで泣くほどだった。 その様子を見た彼は、次の日の自分の落語の稽古と夜中からの仕事を休んで病院へ付き添ったり一緒に居たいと言ったが、彼のペースを崩すことの申し訳無さでますます涙が。 泣く必要は全くない、稽古や仕事との優先順位では比べ物にならないほどわたしとお腹の子が上だよと説得されたが、痛みで精神的にも不安定になり、涙と鼻水を流しながらいつのまに恋人の腕の中で眠ってしまった。 朝、二人でいつものクリニッ

    • キスは人生の種、あるいは綿帽子 - 同居生活の始まり -

      明け方になると、恋人が必ずわたしに甘えて胸に顔を埋めてくる時間がある。 出産後母乳が出やすいようにと最近始めたセルフマッサージの効果で胸は以前よりも柔らかいし、出産に備えたホルモンバランスの変化でサイズも上がっているので、我ながらこれに顔を埋めたらたいそう気持ち良さそうだと思う。 子よりも一足先にマッサージの効果の恩恵に預かる恋人。 でもそのあと「鼾がうるさい!」と、わたしからの迫害を受けた恋人は、「ごめんね…」と言ってベッドを抜け出してリビングの床で寝ていたから、柔らかい

      • 生命体として愛してる派

        恋人と数えきれないほどのセックスを重ねてきて、初めてコンドームを使用した。 もうすぐ妊娠も後期に差し掛かるので、感染症予防をしようと言うことになったのだ。 (本来初期からすべきだったが、恥ずかしいことにわたしたちはその辺りのことに無知だった。) 恋人とお付き合いし始めた頃、念のためにと思ってわたしが用意した一箱が、開封さえされずにクローゼットに眠っていた。 初めてコンドームを使用して、わたしたちは学生のように初々しいセックスをした。夫婦になっても「初めて」という事柄は、意外

        • さようなら、恋人の小さなアパート

          大きなお腹をした女性たちに混ざって母親学級になど参加していると、出産の日が徐々に近付いて来ていることを実感する。 お産のイメージトレーニング中に、助産師の先生に「気持ちの良かったことを思い浮かべてください。例えば、青空に向かっての深呼吸などです」と言われた時、わたしが思い浮かべていたのは、恋人とのエンドレス・カンパリオレンジ・ナイトだし、「安らぐものを思い浮かべてください、草原などですよ」と言われた時、わたしが真っ先に思い浮かべたのは、恋人の裸だった。 例に挙げられたよう

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        • 2018年10月
          1本
        • 2018年8月
          4本
        • 2018年7月
          1本
        • 2018年6月
          2本
        • 2018年5月
          2本
        • 2018年4月
          4本

        記事

          わたしの魂は何度でも必ず、恋人に出会えるから。

          友人や家族や親戚とたくさん過ごした数日だったけれど、今日は久々に恋人と二人で、ゆっくり家で食事をすることができた。 相変わらず、妊婦のわたしのために良い栄養バランスを考えた思いやりの溢れるごはん、ありがとう。 今、寝落ちした彼の顔を見ている。 どんなに爆睡していても、わたしがキスすると最後の意識を振り絞って若干唇を突き出して応答するの可愛いすぎるし、健気だし、愛らしいから、好き。 あと、爆睡中にほっぺにキスすると、精一杯の応答なのか頷くのも、ほんとに可愛らしいと思う。

          わたしの魂は何度でも必ず、恋人に出会えるから。

          「結婚しまして、妻になりました。」

          この世界に対しての恐れは、恋人が死んでしまわないかだけ。 素晴らしい人は、早く死ぬ気がする。根拠のない不安を取り除けないわたしは、とても弱虫だ。 できるだけ長生きしてもらって、一緒に子供の成長を見守りたい。毎日祈っている願い事はそのひとつだけです。 他にはもう、本当に何も要らない。 そう思うと、わたしたちのお酒好きも大概にしなければね(妊婦であるわたしは断酒中だけれど)。 恋人が深酒をした時の酒癖はひとつ、「感動的に語る」。 今夜は別々に過ごしているけれど、先ほどから恋人の

          「結婚しまして、妻になりました。」

          白い蘭と黄色い花

          恋人は今、自分の家の家事とうちの家事とを、ダブルでやっている。 妊婦とはいえ体調は良いのだが、恋人は心配してわたしを甘やかしている。来月一緒に住んでからは負担が減るね…。 (少しはお前がやれよという自分への突っ込みが凄まじい。) 仕事後の深夜にうちにやって来た彼は、わたしの食事の作り置きやその他の家事を一通り終えると、くたびれたようで爆睡している。帽子もかぶったままという姿で。 申し訳なくて起こせないな。そしてなにより、愛おしいな。 何故だか明確にはわからないが、今ま

          白い蘭と黄色い花

          きっと夢だ。だって、幸せすぎるもの。

          隣に座っている恋人がわたしのお腹を撫で、そのあとに頭を撫でながら、「いろんなこと我慢しながらがんばってくれてて、本当にありがとうね」と言ってくれるが、この人に我慢させられていることなんて、ただのひとつも見当たらない。 恋人の肌の匂いが大好きだ。恋人もまた、わたしの肌に対してそうらしい(汗をかいていたり不衛生な時であっても好きらしい)。 五感の中でも、嗅覚によって惹かれ合うのは遺伝子レベルのものであると聞いたことがあるし、きっと多くのカップルがそうなのだろうと思う。 まったく

          きっと夢だ。だって、幸せすぎるもの。

          I gave my love of a cherry

          部屋で音楽を聴いていたら、「久しぶりに●●さん(わたしの名)のアルバムが聴きたい」と、恋人が言った。 昨年発表した、わたしのオリジナル曲収録のCDだ。通しで聴くと1時間以上かかるのだが聴くことに。 前半はしゃべりながらまったり過ごしていたが、アルバムの後半になるにつれ、恋人が感情移入して泣き始める。 『隣に与えられたのが貴方だから 言葉で言えないほど人生を気に入る』という箇所の歌詞で感極まり、号泣。 わたしは笑いながら、彼の美しい涙を拭いた。 彼はアルバムが終わってもしばら

          I gave my love of a cherry

          世にも可愛い「手足パタパタ」

          わたしがうんと若い頃から仕事を支え続けてくれていて、一番の理解者である、ニックネームが「守り神」のMさん。 彼女に、「報告があるの。今までで一番びっくりさせることだと思う。あのね…、赤ちゃんができちゃった!!」と告げると、さすがMさん。 いつも通りの様子で穏やかに、「あれまあ、それは楽しい」だって! Mさんほど、わたしの心を落ち着かせてくれる人はいないよ。Mさんはあなたをたくさんたくさん守ってくれると思うよ。 守り神でありながら、子守神にもなってくれるね。 201

          世にも可愛い「手足パタパタ」

          三日月 と 三ミリの命

          公園の、橋の上に来たよ。 あなたのパパとの思い出はたくさんあるけれど、ここは特に大切な思い出の場所のひとつなの。 あなたのパパがわたしにくれたあたたかな思い出のひとつひとつを、あなたに聞いてもらうのが楽しみだよ。 すごくお腹が空いたし疲れているけれど、ごはんを作る! 今までみたいに適当な外食をしたり、買い食いをしたりせずにね。今、ごはんはあなたの体をつくる大切なもの。 自分のためだけじゃないから、がんばれるんだね。 あと、今までのわたしはダイエットのために辛い食事

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          Du Ring an meinem Finger 〜女の愛と生涯〜

          天才的なイタリアンのシェフである数年来の大切な友人が、中目黒に『Megriva』をオープンし、お祝いに恋人と友人と三人で来店した。 次々に出される夢のように美味しいお料理とイタリアワイン、さりげなくもお洒落で素敵なインテリア、束の間交わすシェフとの会話。 その間、指に目を落とす度に、南フランス地方のロゼワインの色(ピンクフレープフルーツにラベンダーを溶かしたような薔薇色と、わたしは考えている)をした指輪が、控えめに輝きながらわたしに微笑みかけている。 恋人から、生涯の宝

          Du Ring an meinem Finger 〜女の愛と生涯〜

          入籍記念日

          入籍前夜、静かに抱き合いながらいくつかの約束をした。 ・呼び方は「夫婦」になるけれど、恋人であり親友であり戦友であり、子供の親であり、いくつもの素敵な関係をふたりで築いていこう ・何があっても一生守るから、何も心配しないで ・どんな時も、ずっとそばにいる ・心から愛してる ありふれた言葉かも知れないが、それらを真剣に発し合うこの瞬間は、わたしの人生の中でもう二度と訪れない特別な瞬間だ。 「本当に出会えて良かったね」と言い合い、涙が溢れた。 婚姻届けを提出しに行く明日は朝

          入籍記念日

          C'est si bon ! 〜 独身最後の日〜

          入籍も間近という時期になり、青山の和食店の個室を借りて、恋人とわたしと互いの両親で会食をした。 親たちは始めこそ少々緊張モードではあったが、同年代ということで話題も豊富にありすぐに打ち解け、次第に誰もがリラックスして飲んだり食べたりした。 肝心のわたしは、雨という天候とつわりの症状の一つである頭痛で体調が優れなかったのだけれど、そんなこともいつの間に忘れるくらい、とても和やかな一時を過ごすことができた。 これからも彼らと、数えきれないほどこのような時間を重ねて行くのだろう。

          C'est si bon ! 〜 独身最後の日〜

          神のなさることは、すべて時にかなって美しい

          恋人と渋谷のBunkamuraに来ている。 ドゥ・マゴ・パリでランチを食べ、そのあと劇場でフランスの誇る大歌手ダリダの自伝映画を観た(上映中はずっと恋人と指を絡ませていた)。 絶世の美女で、いくつもの大恋愛を経てもなお最期まで心が満たされることはなく、自ら命を絶ってしまった、ダリダ。 そんな彼女の激情的な生き方にふたりで想いを馳せつつも、恋人はわたしの目をまっすぐに見て、「僕たちは、幸せになろうね」と言った。 わたしにも、あなたと幸せになる以外の選択肢は、勿論無い。 20

          神のなさることは、すべて時にかなって美しい

          料理で胃袋を掴まれ、人格で魂を掴まれる

          気が付けばお付き合いをして11ヶ月が過ぎた。 恋人とのLINEのアルバムを見返すと、本当に全部が良い思い出だ。一緒に食べた美味しいものと、一緒に飲んだ美味しいワインと、ふたりの笑顔と友人たちの笑顔で溢れている。 平和をくれる人、本当にありがとう。 嬉しいこと喜ばしいことはいつだってふたりで共有したし、悲しいことや困難なことはいつも半分を背負ってくれた。助けてもらってばかりでなかなか助けてあげることはできていないけれど、これからも手を取り合って行きたいと心から思っている。

          料理で胃袋を掴まれ、人格で魂を掴まれる