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【観劇記録】鴨川ホルモーワンスモア

高校生の時、図書館で鴨川ホルモーを読んだ。
不思議な青春がそこにはあって、京都の大学生に憧れた。鴨川ホルモーの映画も高校生の時。
考えてみると、この作品に出会わなければ自分が京都の大学生にはならなかっただろう。
そんな転機になる作品だった。

京都の大学生で演劇に関わった。サマータイムマシンブルースも思春期に出会っていて、
ヨーロッパ企画もまた、青春の憧れで。
今好きな男性ブランコも、いつか見てみたかったかもめんたるもいる。
なんかこれは絶対観に行かないと!の気持ちで鴨川ホルモーワンスモアを観に行った。
大学時代の友人と。

京都の大学生だった私から10年近くが経過して、
改めて鴨川ホルモーに出会う。
群像劇の鴨川ホルモーは、細部が現在になっていて、
ケータイはスマホになってたし、LINEもある学生になっていた。
でも、そこには「あの頃」の青春があった。
私にとってはまさに「ワンスモア」。
憧れていた彼らは、「あの頃」の自分たちを思い出させるようなエモーショナルなノスタルジーになっていた。
それは決して悲観的なことではなく、京都で大学生として過ごした私のあの4年間は、鴨川ホルモーの彼らと同じ、バカバカしくて、「外」の人には理解できなくて、恥ずかしい、でも何かを与えられたかけがえのない大切な「青春」だったのだと気づかせてもらえたそんななんというか心にふわっとした光をもらえた感覚。

そんな私の個人的な部分を抜きにして、
めちゃくちゃおもしろかった!!!
群像劇になってホルモーと六景とを混ぜてるにも関わらず、ストーリーに無茶がないだけでなく、
説明とかが必要な分だけされているから、
思い出しながら見てる私も、ホルモーが初見の友人も理解できるのはすごい。
なんか笑いの取り方も自然で、本当にそこにいる人が面白いから笑っちゃう感じの、食った感じがないのすごいなぁ、と思った。
一人称から群像劇になったから、というのもあるけれど、原作で好きになれなかった芦屋と早良さんが等身大にいそうな鼻につくやつで、愛くるしさを感じた、芦屋は、うん、好きではないけど笑
ただ、キャラクターとしては私が芦屋に感じた感情はあっていると思うから、それを演じていた佐藤寛太さんすごいな、と思う。
京都がわかるから、面白いところ(今出川通を鴨川より西には行かない、とか)もあるし、大学生をしたからとにかく恋をするしラブアクチュアリーがたくさん走るのとか、そういう面白さも体感できた。

お笑いが好きなので、というところでは。
松永は平井さんがやってるからこその、オタク感のあるキモさというか、京大生だな、て感じが出てるのに愛くるしいというか、憎めない可愛らしさみたいなものを孕んだ面白さ。Twitterにも書いたが、おべべが海洋生物なので、平井さんの松永という感じでとても良かった。生で平井さんの筋肉初めて見た気がするけど、松永が鍛えてると思うとより面白い。友達が一番笑ってたのは平井さんだった。
三好兄弟は本当に似てた。顔もだけど背丈とか体格が似てるからか声も似てるのすごいな、て思う。どんどん分離してくところとかに至るのにちょっと2人に個性があるのも非常に良いな、と。告白するところとかもメチャクチャ面白かった。
う大さんはとってもう大さんなのに、なんかこんな感じの京大の3回生の先輩ているな、て思うのはなんでだろう。妙に言ってることに説得力があるし普通に喋ってるのに笑ってしまう。45歳なのにこういう先輩いると思うのも不思議だし。う大さんがなんかするたびに笑ってしまっていた。
立花さんは槙尾さんで良かったな、と思った。男の人がやってるから面白いではなくて、槙尾さんがあくまで女性としてやってるからこその面白さというか、いじっていい面白さというか馬鹿馬鹿しさみたいなものが増していて、他の人じゃダメだったな!と感じました。

今回これは演劇だったから面白かったし、ストーリーもキャストも非常に素晴らしくて、舞台装置とかも無駄が少ないのに凝っていて面白いし、必要なプロジェクションマッピングで素晴らしい作品だった、
そして、私は他の作品にはないエモーショナルな経験をした最高の演劇体験を得た。
満足感に満たされながら、「神々ROCKS YOU」を聴きながら、マキオカリーに行ってきます。


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