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伊勢に生まれて

井上弘美主宰の俳誌『汀』に「わたしと着物」というエッセイの連載がある。『汀』3月号に、私も書かせていただいた。

タイトルは、「伊勢に生まれて」。私の祖母、母、私と三代の女たちは伊勢に生まれた。祖母と母は伊勢に育ち、私は、十代までの夏休みを伊勢の祖父母の家で過ごしてきた。伊勢は私のこころの故郷なのである。

思えば、わたしのささやかな着物は、すべて祖母と母の見立てで選んだものであった。

伊勢の神領民としての生活、祖母の着物への愛着などから、着物のエピソードを綴った。

私のはじめてのボーナスで買った反物で仕立てた付け下げを着て、駿河梅花文学大賞の授賞式に出かけたときのハプニングも。

いずれ、井上先生が単行本化されるそうで、楽しみにしている。

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