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名取熊野神社の湯立神事

10月7日土曜:17時30分~名取熊野神社で湯立て神事が行われました。昨年も行われたのですが、今年は、900年祭なのでたくさんの方々が集まっていました。

その翌日、10月8日秋大祭が行われますので、
前夜祭の湯立て(湯の華神事)となります。

湯立て神事の歴史が、どのくらい古いかは定かではありません。
神社関係者から伺いました湯立て神事を記録しておきます。

修験道に由するもので夜神楽にのみ演じられる。
「庭鎮(にわしずめ)の舞」の後に舞の場所が祓い清められてから奉納されるそうです。(神楽二番)

※庭鎮めの舞(猿田彦命)・・・舞の場を祓い清める場面。

内容は、ご神体と一緒に修験者装束で目隠しをした
舞手が境内に降りてきて、大きな釜に沸いたお湯をまいて五穀豊穣を祈るものです。

舞を終えてからお帰りになる際は異様な雰囲気になるそうで、
憑依型の特徴がある話も。

太鼓の音と共に激しくなっていく(神主が途中でとめる)

昔は、どんな神様が降りてこられるかわからないので、大人しい場合もあれば、激しい場合もあったそうです。

一人の神子に憑依し、湯立てを行い、
終わった後は、憑依を解かねばならないそうで、
訓練された神子がもう一人おり、憑依を解いたといった話も。
(湯立て神事は2人の神子がいたそうです。そのどちらかに神がおりると)

現在はそのようなシャーマニズムなやり方は行われてはおらず、
背の高い等身大の弊束が見守る中で行われます。

正面の弊束に神がおりるとされ、この中に人が入ります

本殿の右(大きい方)にある人型のような幣束に神がおり
本殿端の廊下まで御神体を移動させます。
その御神体の前で湯立て神事を行います。


ご神体

ある説では、名取老女の金注連(かなじめ)は、
荒い神を下ろした場合、激しく体が動くので縛るためにある、とも。

金注連の定説では、「注連縄(しめなわ)」の意味があるため、肉体に宿す神と人間(肉体)の境界を示すために体に注連縄をまきつける(神社と同じように)といった意味があるとの事。

昔は、神子(みこ)に金注連(かなじめ)役がおり、
湯の花神事の奉納を勤めていました。

金連注をして湯立て神事を行っていた説もあり。

今年は、名取熊野勧請900年だったので賑やかな秋祭でしたが、湯立て神事は数年に一度くらいと聞いています。来年はまだ未定です。

拝殿裏の扉(秋祭りではこの扉が開いていました)

秋祭りの日、珍しく、速玉男(熊野新宮)を祀る拝殿の扉が開いていました。扉の奥に何があるかは、もちろん「証誠殿」です。
地元の方(総代)が言うには、普段開くことがないそうで、この扉が開くのは、とても珍しいとの事。

やっと、開きましたね。


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