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性格を特徴づける8つの心理機能



◼️認知機能について

知覚機能:情報を取り入れる。認識する。(情報収集の方法)
判断機能:情報を判断する。解釈する。(意思決定の方法)

ユングは、認知する過程を知覚機能と判断機能に分けて考えています。
さらに、知覚機能(情報収集の方法)では感覚直観に分け、判断機能(意思決定の方法)では、思考感情に分けています。
そして、どちらの心理機能が強く働くかで性格の特徴を把握できると考えました。

□知覚機能(感覚と直観)について

人が何か判断や意思決定する際、情報が必要になります。人によって、情報の取得方法は異なります。情報の取得方法は大きく分けて2種類あります。

感覚機能:自分が過去や現在で経験した具体的な情報を重視する
直観機能:物事の関連性や傾向、将来の可能性を元にした情報を重視する

□判断機能(思考と感情)について

人は情報取得し、それを元に”判断”をしています。人によって、判断や意思決定の方法は異なります。判断の仕方は大きく分けて2種類あります。

思考機能:合理的であるか、客観性に基づいて判断する
感情機能:どのように感じるか、人間関係の調和に基づいて判断する

それぞれの心理機能について、大まかな特徴をまとめました。

◼️感覚機能(S)の特徴

◉自分が過去や現在で経験した具体的な情報を重視する

・五感を使って物事を受け止める
・自分の感覚を絶対視する(特有のこだわりがある)
・物事を処理する能力に優れている(感情や思考に左右されない)
・物事の詳細や具体性を重視する(観察力が高い)

・未来を予測することが苦手である

□外向的感覚(Se)の特徴

○現在の状況に応じて行動することを重視する

・周囲の物事をありのまま捉える
・フットワークの軽さや行動量で、変化に対応する
・考えるよりも動く派
・自分のこだわりを重視する
・時間に正確で、きっちりしている 

□内向的感覚(Si)の特徴

○自分が過去に経験してきたことを重視する

・過去の積み重ねてきた経験を重視する
・堅実な方法で、慎重に物事に対応する(正確性や着実性を求める)
・ルーティンが得意である。
・物へのこだわりが強い (オタク気質であり、独自のコレクションがある)
・保守派で秩序やルールを重んじる

◼️直観機能(N)の特徴

◉物事の関連性や傾向、将来の可能性を元にした情報を重視する

・物事の本質を把握することが得意である
・洞察力がある(隠された意味や関連性に気づく)
・予測することが得意である(未来の可能性を重視する)
・周囲の人から見ると意外性があり、魅力的である

・説明することが苦手である
・実務的、事務的な処理が苦手である
・一般社会に馴染みにくい

□外向的直観(Ne)の特徴

○未来の可能性を広げる。可能性の開放を重視する

・外界からの情報に基づく
・アイデアの量が豊富である(知的好奇心が際限ない)
・自由にアイデアを発想する(先入観がない)
・物事を多角的な視点から解釈する
・新しいことを始めるのが好き

□内向的直観(Ni)の特徴

○未来の可能性を掘り下げる。可能性の限定、集約を重視する

・内面(無意識)の情報に基づく
・可能性や関連性をひとつや少数に限定、集約する(確信的な洞察をする)
・物事の捉え方も独特で、個性的である
・複雑な事象を理解する
・スピリチュアルに共感できる

◼️思考機能(T)の特徴

◉合理的であるか、客観性に基づいて判断する

・客観的な視点で物事を見る
・論理的思考力が高い
・意志が強い(明確な根拠を持つ)
・公平な態度で物事を見る

・他人の気持ちも自分の気持ちに対しても鈍感である
・感情を表現することが苦手である
・親密な関係を作るのが苦手である
・雑談(目的のない会話)が苦手である

□外向的思考(Te)の特徴

○社会のルールや広まっている理論を重視する

・物事を合理的に、効率的に、達成したい(結果を求める)
・現実的で合理的な思考をする(実用性や効率性を求める)
・データや統計を活用する
・自分の理論を外に出しがち
・客観的な指標(権威、地位、収入、法律)を重視する(全体主義的)

□内向的思考(Ti)の特徴

○独自理論や自分なりの解釈を大事にする

・物事の仕組みを理解したい(真理を求める)
・抽象的な物事に興味ある(意味や理由を求める)
・専門知識を持っている
・周囲から一歩引いた視点で物事を分析する(批判的、懐疑的な目線を向ける)
・独自の論理で判断する(主観的、個人主義的)

◼️感情機能(F)の特徴

◉どのように感じるか・人間関係の調和に基づいて判断する

・好きか嫌いか、快か不快かで判断する
・他人への配慮(気遣い)がある(空気を読む)
・人の価値観(考え方、感じ方)を大事にする

・人との衝突を避ける(競うことが苦手である)
・論理的な思考が苦手である

□外向的感情(Fe)の特徴

○他者の感情や人との関係性を大事にする

・周りの人が心地良いかを重視する(他者に焦点)
・感情表現が豊か(会話が好き)
・気持ちが行動として現れる(理解されやすい)
・他人に対して、協調的、協力的である(共感力が高い)
・所属する集団の価値観に基づいて、他者を理解する

□内向的感情(Fi)の特徴

○自分の感情や価値観を大事にする

・自分が何を感じているかを重視する(自分に焦点)
・外に感情表現をしない(内に感情を貯める)
・気持ちが行動に現れない(理解されにくい)
・相手の気持ちを考える(受け入れようとする)
・自分の価値観に基づいて、他者を判断する


◼️8つの心理機能

ユングは、タイプ論において心理機能を8つに分けました。
そして、8つの心理機能が働く傾向によって、性格の特徴が決まると考えました。

人間は、認知する過程において、情報を取り入れ、取り入れた情報を判断する。そして、判断に基づき取り入れる情報を選んでいます。
知覚機能(情報の収集方法)として、感覚(S)と直観(N)を対極とする軸を考える。また、判断機能(情報の判断方法)として、T(思考)と感情(F)を対極とする軸を考える。同時に、両極端の心理機能を使用することは難しい。よって、どちらかの心理機能に偏った傾向(性格的特徴)になるということです。

また、自分より外側の世界(外界)へ向かうエネルギーを外向(E)自分より内側の世界(内面)へ向かうエネルギーを内向(I)として分けて考えている。そして、外界で(内面でも同様に)同時に知覚機能を2つ、もしくは、判断機能を2つ使用することは難しい。よって、外界と内面では、知覚機能と判断機能が組み合わせで働いているということです。


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